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蟲使い

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だれでも歓迎! 編集

蟲使い


URL:http://kurosakik.s263.xrea.com/cgi-bin/image/803.jpg
対応する要点:長い杖・スレンダー・笑顔・蟲を身につけている・光剣・キーボード
対応する周辺環境:魔法陣・宇宙船


イグドラシル

+ ...
  • 東国人+吏族+理力使い
  • >東国人+理力使い+サイボーグ(吏族置き換え)
  • >>東国人+理力使い+サイボーグ+ハッカー
  • >>>東国人+理力使い+ハッカー+ギ—ク
  • >>>>東国人+理力使い+蟲使い+ギ—ク

要点

+ ...
  • 東国人:東洋風の服装・東洋風の人材・黒い髪
  • 理力使い:長い杖
  • 蟲使い:スレンダー・笑顔・蟲を身につけている
  • ギーク:ハンバーガー・光剣・キーボード・野球帽

周辺環境

+ ...
  • 東国人:四季・入り組んだ地形・稲作・紙と木で出来た家・火山
  • 理力使い:魔法陣
  • 蟲使い:宇宙船
  • ギーク:高層ビル

継承


評価

+ ...
アイドレス名 体格 筋力 耐久力 外見 敏捷 器用 感覚 知識 幸運
東国人
理力使い -1 -1 -1
ハッカー -1 -1 -1
蟲使い - - - - - - - - -
合計 - - - - - - - - -



特殊
  • 東国人は一人につきターン開始時に燃料1万tが増加する代わりに資源1万tを消費する。
  • 東国人は一般行為判定を伴うイベントに出るたびに食料1万tを消費する。
  • 理力使いは詠唱戦行為ができ、この時、詠唱戦((知識+器用)÷2)の攻撃判定は×2.25(評価2)され、燃料は必ず-1万tされる。
  • ギークは白兵戦行為が出来、この時、攻撃、防御、移動判定は×1.50(評価1)される。
  • ギークはナショナルネット接続行為が出来、情報戦をかけることが出来る。
  • ギークはオペレーター行為が出来る。
  • ギークは知識、器用の評価を×3.38(評価3)補正することが選択でき、この時燃料1万tを消費する。


設定文

<<越前藩国 上空>>

 試験宇宙船-正式な名前の命名はまだ行われていない-が、最期の運用テストを行おうとしていた。
この運用試験が無事終われば摂政が頭を悩ませる問題の一つは解決するはずである。
 連日の実験の疲れはあるが、新しい技術を得るためという目的があるせいか乗務員の顔は皆真剣そのものである。

 最期の実験は、情報戦をつかった地上との連絡経路の確立であった。

 ターン15からクーリンガンの情報戦能力があがり、ただの情報戦では太刀打ちできない状況になっていた。そのため一刻も早く通常とは違う情報回線の確保が必要だったのである。

「実験、開始します」
 オペレーターの一言で、しゃらんという金属の音をさせて連絡員が姿を表した。
東洋風の服装で統一されているオペレーターとは若干違う、巫女のような姿である。
金属音は手にしている長い杖から発せられるものらしい。邪悪を退ける意味あいがあるという。
何の意味があるのか?と問われれば具体的な能力などはない。ただ遠く離れた地で聖別されており、
アンデッドであるクーリンガンから身を守るための気休めだ。

それでも、ないよりはマシ。イワシの頭も信心から、であった。
最新の機器を備える越前藩国のいたるところに、稲作の神や火山の神が祀ってあるのも
この国風が影響しているのであろう。

連絡員は腰まである長く黒い髪をゆらしながら、床に描かれた魔法陣の中心に立った。この魔法陣も杖同様深い意味はない。ただ、連絡員の立ち位置を決めるときに少しでも安全であればという祈りが込められている程度である。

連絡員は、他の乗務員(東洋風の人材で占められている)に笑顔で「今日はよろしくおねがいしますね」といって蟲を身につけた

―――しばらくの 沈黙―――

電波の様子や、回線のチェックがつづいている。モニターやサーバの明滅するランプが、
光剣の軌跡のように流れていった。

ふいに蟲が連絡員の周囲を飛び、何かを訴えかけるように煌めく。その1つ1つの動作に連絡員は頷いたり、微笑を返したり、手をかざしたりしてお互いに意思の疎通を行っているようだった。
しばらく、言語に頼らないコミュニケーションが続く。最後に蟲は大きく回転すると連絡員の隣(どうやらそこが定位置らしい)にたどり着いた。

「ごめんなさい。この子宇宙に出たのが初めてだから、ちょっと緊張してたみたい。落ち着かせたからもう大丈夫です。」

「わかりました。回線、開きます」

 このポイントで、はっきり告げたオペレーターの声に連絡員はこくん、と頷くと蟲に視線を送った。蟲はまかせろ、とばかりに軽く空中で一回転し連絡員の隣の定位置で浮いている。
彼らが蟲と呼ぶのはある種の無人機である。蜂の形をしており使用者に呼応して情報戦のサポートから
周囲の偵察までをこなす携帯ツールである。
 ナショナルネットの普及に伴い、やがては野球帽を被った子供から、家や職場でキーボードを叩く大人まで幅広く使えるツールに使用と目論でいるツールでもある。
その証拠に藩国学校で技術者養成のカリキュラムを実施し、蟲使いのスペシャリストを大量に育成しているのである。
使用者のカリキュラムは多岐にわたっており、使用・開発の知識はもちろんのこと、この技術を導入するにあたっての経緯や目的、歴史も学ぶ。
学ぶのは蟲の技術だけではない。今までニューワールドで発生した、ライフサイエンスによる危機を学習材料にしてのケーススタディを通じて高い倫理観とライフサイエンスの暴走を防ぐための考えや知識を教えて卒業させている。
余談だが、連絡員は藩国の政策による奨学金を受け学校を卒業しており、もし藩国が奨学金を出して上記の蟲使い候補をバックアップしていなかったらこの場には立てていなかっただろうと後に語っている。

『・・ちら・こちら・越前藩国・・聞こえますか? どうぞ?』

ノイズ混じりの声がスピーカーから流れたとき、わっとオペレーターたちの歓声があがった。

「聞こえます。こちら宇宙船、どうぞ」

『え? まさかマサオか?』

仕事とは思えない、すっとぼけた声にオペレーターが戦慄した。それ以前に【マサオ】という固有名詞にはもっと戦慄した。長い越前の歴史の中で「マサオ」という女性は、オペレーターが知る限り、いない。

「本名よぶんじゃねーよ、このボケナ・・・あ、な、なんのことかしら」
『男の声にもどってますよー』
スレンダーな美女から聞こえるドスの聞いた声に宇宙船の中は絶対零度である。空調聞いているのに。なにかもうイロイロとだいなしであった。

藩国の未来を左右する実験だというのに、ごらんの有様である。それぐらい破壊力がある一言だった。
気まずい沈黙…。

『え、えーと、こちら高層ビルの上層階よりそちらへ、データ送信しますー』
「え、ええ、か、かしこまりましたわー」

そらぞらしい・・・なにもかもがそらぞらしかった。
しかし、仕事は仕事、実験をやらなければならない。これから始める実験は地上から画像を送信、
宇宙で受信し、その内容を詳しく地上へと伝達するものである。

カウントダウンのあと、正面のモニターに様々な画像が浮かびはじめた。
藩国の四季入り組んだ地形の様子・紙と木で出来た家など
様々な映像が流れて行った。しばらく離れていた藩国の景色にオペレーターたちはほっと息をつく。
色のない宇宙ばかりみていると、こんなさりげない風景でも宝物のように思えるのだ。
もっとも最期のハンバーガーの画像だけは目に毒であったが。
実験が終わるまで戻れないのに、実に旨そうなハンバーガーの画像…あきらかに嫌がらせだ。
ついでに肉の焼ける音まで送ってきた連絡員への呪詛が巻き起こったのは言うまでもない。

実にいやがらせの極みのような実験は無事終了した。
藩国の技術に対する信頼はより高まったが、乗組員の中には深刻な精神のダメージを
いろんな意味でうけてしまい、しばらく立ち直れないものが続出したという。





<あるテレビ番組の特集より>



蟲使いと呼ばれる人々の朝は早い。
太陽がようやく空を照らし始めたかと思う頃に起床したかと思うと、虫取り網を片手に外へと繰り出すのだ。
我々取材班も早朝の散歩に同行させていただくことにした。



「この時間は、虫を取るには最適の時間帯なんですよ」
サダマサ氏(38歳)はそういうと、おもむろに公園の街路樹に網を伸ばす。
手元に手繰り寄せると、網の中で色とりどりの虫がもがいている。
「この時期の虫は綺麗なのが多いんですよ」
サダマサ氏は少年のような笑顔で、カメラに向かって虫の種類や特徴を次々と説明してくれた。



サダマサ氏が蟲の研究を始めたのは今から3年前。
藩立学校に合格し、最先端の技術を学ぼうとしたことがきっかけだった。
「最初は試行錯誤でしたよ。蟲の研究っていわれても、何をどうする学問なのかもさっぱりで」
蟲とは高度な機械的、生物的な措置を施された生き物であり、名前の通り虫の姿形をしている。
ベースとなる虫を選定し、その特徴を観察。有用と思われる特徴を発達させるように人が手を加えることで完成する、人造の生物である。
「下積みは長かったですね。いきなり専門知識とかを学ぶのかと思っていましたが、最初にやったことは観察日記を描くことでした」
藩立学校の蟲使い養成カリキュラムでは、無機的な『つかいかた』よりも有機的な『つきあいかた』を重視した教育が行われている。
サダマサ氏は語る。
「虫の解剖とか、改造ばかりをやらされるのかと思っていたんですよ。緊張して教室に行って、渡されたのがノートと虫取り網。笑っちゃうでしょ?
でも、それでよかったって今なら分かります」


藩立学校の蟲使い向け研究室には、このような標語がかけられている。
『一分の蟲にも、帝國の魂』
共和国で最も有名なカマキリ、レディ。
バイオテクノロジーの暴走で発生した疫病・マンイーターを抑えるため、命と引き換えに治療薬を生み出した彼女の名は帝國でも広く知れ渡っている。
外見こそ虫である彼女であるが、そこに宿る魂は確かに帝國のそれであった。
蟲を開発する人々にとってこの事件は大きなインパクトを持って迎えられることとなる。
「自分達がいじくろうとしている生き物が、じつはヒロイックで、帝國的な魂を持っている。これはすごいショッキングなことですよ。
先生達は大騒ぎでしたね」
以来、研究室に掲げられたのがあの標語である。
「あれからは、みんな本当に気を使うようになりました。学祭で神社建てたり(笑)
それは冗談にしても、研究対象に敬意を払うようになって、無茶苦茶な研究とかはパタリとなくなりましたね」


サダマサ氏は現在、藩国政府の出資する研究所に所属。
これまでの生態観察をふまえ、小型のドローン(無人機)として再現する方法を模索している。
「毎日虫を見てると、愛着がわいちゃうんですよね。他の研究所だと虫を改造しちゃう方法を研究しているところもある。
でも、虫だって生き物ですよ。人の勝手でいじくりまわすのはかわいそうです」
現在、蟲の開発研究についてはいくつかの研究所が手法の開発にいそしんでいるが、近く『環境生物学に基づく蟲ロボットの開発と実装』という研究が発表され、藩国で採用される見込みとなっている。
サダマサ氏の研究所が主導しているテーマだ。
「やりがいのある仕事だと思っています。子供の頃はただ眺めているだけでしたが、腰をすえて研究してみると新しい発見の連続です。彼ら、意外と頭がいいんですよ。毎日が驚きの連続です」


子供のようにはにかむ笑顔を見せながら語るサダマサ氏。
新しい技術の開発は、今まさに実を結ぼうとしていた。(終)


作業者一覧
  • イラスト
朱居まりあ
  • 設定文
弓下嵐/露木つかさ
セントラル越前
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セントラル越前
黒埼紘
弓下嵐/露木つかさ

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