各形状
レース用のシャーシのターミナルのみ紹介する。
A型
TYPE-1シャーシ用ターミナル。
フロント側のターミナルが、TYPE-1以後のシャーシのものに比べると極端なまでに小さい。
リヤ用(モーター側)のターミナルはTYPE-3用のC型に流用されている。
B型
もともとは
TYPE-2シャーシ用のターミナルだったが、比較的優秀で汎用性が高かったためか、TYPE-2の後継である
TYPE-4以降
TYPE-5、
FM系、
TZ系と長く、かつ多く採用されている。さらにX型もこれの改良型と言え、そこからも優秀さがうかがえる。
フロント用ターミナルはC型、及びS2用ターミナルに流用されている。
C型
TYPE-3用ターミナル。
フロント用はB型からの流用、リヤ用はA型に似ているが別物で新規。
ZERO型
ZEROシャーシ用に新規設計されたターミナル。
他のものに比べて複雑な形状をしている。
特にフロント用がそうなのだが、そのせいで変形しやすく、それに起因する接触不良が続発。
そのためか、以降ZEROの後継であるS1以外でこのZERO型を採用するシャーシはなかった。
複雑な形状のせいで製造も手間がかかったのかもしれない。
X型
STZの後に出た
スーパーXシャーシ用に新規開発されたターミナル。
以降、Xシャーシの改良型である
スーパーXXはもとより、
VSシャーシ、VZシャーシ、また
ARや
FM-Aでも採用されている。
B型の改良型で、B型の形状をベースにフロントターミナルにはスイッチを引っ掛けるための窪みを設け、リヤ用にはターミナルを確実に固定するためにモーターホルダーに設けられた突起に対応した切り欠きが両方に設けられている。
フロント用ターミナルはTR-1に、リヤ用ターミナルはS2型に流用されている。
TR-1型
ラジ四駆用シャーシであるTR-1専用に設定されたターミナル。
フロント(スイッチ)はX型からの流用だが、リヤ用が完全新規設計になっている。
従来のミニ四駆シャーシでは2枚だったリヤターミナルだが、TR-1では受信機を電池とモーターの間に装着しなければならない関係から、電池側2枚モーター側2枚の計4枚になっている。
ちなみに、この部分が(というか送信機の装着が)原因でTR-1の全長はベースとなったSXよりも大幅に伸びている。
MS型
ミニ四駆PROで採用されている、
ミッドシップ系シャーシ用のターミナル。
初めて採用されたMSシャーシは、それまでのシャフトドライブシャーシと全く設計が異なっていたため、もちろんターミナルも新規設計。
MSシャーシのセンターシャーシは通常版と軽量版の二種類存在し、スイッチ周りなどの形状が大きく変更されているが、使用されるターミナルは変わらない。
MAもMSと基本構造は同じであるため、このターミナルを使用する。
ミニ四駆用シャフトドライブシャーシと違い、スイッチ側金具も左右で分かれているため、1枚多い計4枚となっている。
あまり話題にされないが、MS型ターミナルは他より1.5倍程厚みがあり、より効率よく送電出来る。MSシャーシ開発の際、こだわった部分とのこと。
S2型
スーパー1の後継である
スーパー2シャーシ用ターミナル。
複雑で変形しやすく、汎用性も低かったZERO型を廃し、フロントはB型からの流用、リヤはX型からの流用に変更されている。
素材による特性
まず、X系、VS、AR、MS、S2シャーシ用ターミナルについて解説。
X系、VS、AR、MS、S2シャーシ(のキット)では、標準では銅製ターミナルが付属している。
地球上の金属で、電気伝導率の高いものを上げていくと、
Ag(銀) 61.4(20℃時) 66.7(0℃時)
Cu(銅) 59.0(20℃時) 64.5(0℃時)
Au(金) 45.5(20℃時) 49.0(0℃時)
Al(アルミ) 37.4(20℃時) 40(0℃時)
となる(
Wikipediaより 単位は× 10^6ジーメンス/m)
つまり、この数値が大きいほど電気を流しやすいことになり、見ての通り銅は金よりも電気を流しやすい。
逆に、電気抵抗率の低さで比較すると
Ag(銀) 1.59 × 10^-8Ωm
Cu(銅) 1.68 × 10^-8Ωm
Au(金) 2.21 × 10^-8Ωm
Al(アルミ) 2.65 × 10^-8Ωm
となる(同じく
Wikipediaより)
この値が小さいほど、電気を無駄なく伝えられるということになる。
こちらも、銅のほうが抵抗が少ないことがわかる。
ただし、これは純粋な金属単体状態での値なので、酸化状態ではこれらよりもぐっと数値が変化する。
銀や銅は表面が酸化しやすく、そうなると大幅に効率が落ち(抵抗が増え)るため、メンテナンスが面倒くさい人や、何らかの事情によりこまめなメンテナンスができない人はゴールドターミナルのほうがいいだろう。
逆に言えば、しっかりメンテナンス出来、さらに研磨布や目の細かい研磨剤で鏡面加工ができる人なら銅ターミナルのほうが有利になるといえる。
またゴールドターミナルは表面だけを金で覆っているため、何度も使っているうちに電池との接点部が摩擦ではげてしまう。
そうなると効率が大幅に低下してしまうので、交換(買い替え)の必要が出てくる。
そのため、銅ターミナルを使いこなせる人は経済的にも有利に働くといえる。
TYPE系、ZERO、S1、FM系、TZ系は、スイッチ側が銅、モーター側が真鍮になっているが、こちらはゴールドターミナルに変えたほうが無難。
というのも、真鍮はどんなに磨いても金(Au)より電流を流しにくい。
特に64(ロクヨン)黄銅はその名の通り銅と亜鉛を6:4で混ぜ合わせたものであり、一般的に出回っているもうひとつの真鍮73(ナナサン)黄銅よりも銅含有率が低く、そのため電気伝導率はかなり下がっている。
とは言うものの、
電動リューター+フェルトバフビットと青棒できれいに研磨すればかなり効率が上がるので、ノーマルターミナル遊ばせておくのはもったいない、という人はそちらでもいいだろう。
ゴールドターミナルは上記の通り、しばらく使ってると接点の金がハゲる消耗品なので、定期的に交換が必要であるため、経済的には不利と言える。特に、多く走らせるユーザーにとっては消費が早く、負担になる場合がある。
なお第一次ブーム時代に、
TYPE系用として出回っていたゴールドターミナルの方が、金の品質が現行のゴールドターミナルより格段によく、少々使い込んだ程度ではほとんどハゲないほど耐久性も高い。金価格の高騰のあおりを受けているのか、現在のゴールドターミナルは品質・性能とも以前より落ちているようで、金が禿げやすくなってしまっていて、経済性は悪化している。
最終更新:2024年04月19日 05:05