MA(エムエー) chassis(シャーシ)


[基本データ]



※ これらの寸法はキットにセットされている部品により異なる。特に限定キットなど。


概要

MSシャーシの登場から8年経って発表された後継シャーシ。ミニ四駆PROシリーズでの展開となり第1弾はブラストアロー。
新世代のシャフトドライブシャーシであるARシャーシで培った空力設計を、MSと同じダイレクトドライブ方式に取り込んで発展させたものとなっている。
空力を考慮したデザインに、従来でも最高クラスの駆動効率を誇っていたMSシャーシから、一体構造のシャーシにすることで更に駆動を洗練したとされる。

形状としてMSの様に3分割ではなく一体成型のモノコック式だが、これは3分割方式での性能向上の限界や、一体成型式の方が、強度や精度を出しやすいという事もあるだろう*1

素材

本体はABS、または一部キットでポリカABSが採用され、AパーツはPOM製。なのでMAシャーシのキットで初めて520サイズの低摩擦プラベアリングが登場し、素組でのカウンターギヤの抵抗が更に下がった。

駆動系

MSシャーシで採用されたダイレクトドライブをそのまま踏襲し、一体型になった事で更に駆動効率を高めている。
その上で低摩擦プラベアリングを軸受として採用しており、駆動のロスも最小限に抑えている。
ギヤカバーは、フロント側ギヤから中央のモーター、リヤのギヤまで全て覆うようになっている。MSでは構造上、センターシャーシの一部が前後スパーギヤのギヤカバーを兼ねていたが、MAではスパーギヤも全て覆うようになっている。取り付けはARの経験を活かしたスライド式を採用し、信頼性を高めている。
ギヤカバー中央部、モーター直上にARの中央部のようなビス穴がある。
スイッチはMS軽量センターシャーシやS2などによく似た、円形のターン式を採用している。
ホイールベースとトレッドもMS譲りでコンパクト。大径タイヤ使用時はどうしてもトレッドが広くなってしまうが。

電気系

ターミナルはMSと同じ。ただしギヤカバーの形状変更の為か固定方式が異なる。
MAの場合、シャーシの溝にターミナルをはめてチップ状部品(ギヤカバーと同ランナーに成型)を差し込んで固定している。
ちなみに、バッテリーホルダーはMS強化ギヤカバーのような独立型であり、スライド式ギヤカバーの隙間を埋めるような突起が存在する。この突起により走行中のギヤカバーのずれを防ぎ、さらにシャーシの強度を高めている。

しかし頑丈に作られた分、電池の脱着はかなり固く、シャーシ形状を優先したためかMSにあった電池を押し出すための穴orパッドは廃されており、電池交換に多少の力とコツが必要。
MSシャーシのように底面に電池を押し出す為の穴を開けたり、中央のAパーツ等にテープ等を張り付け、引っ張ると電池が浮き上がるようにする対策を行うと外しやすくなる。

ついでに記述すると、電池ボックス左前方のリブは切り取っておくと電池を傷めにくい。
ネオチャンプ等の国際規格のサイズ(電池の肩が高い)で作られた電池にはリブがあると窮屈で、電池の出し入れで必要以上に電池の外装に傷が付きやすいため。

バンパー

ARのものをベースとしているが、直線的なデザインとなっており、左右にビス穴を2個づつ追加して拡張性を強化している。
上側はフラットかつスラスト角が付いているため拡張が楽で、下側はアッパースラスト気味になっているため、ブレーキステーをただ装着するだけで丁度いい角度でブレーキを使用できる。
ただしバンパーレスセッティングにする場合はスラスト角の調整が必要となる。

サイドガード

前作のMSシャーシで廃されていたサイドガードが復活している。
これはマスダンパーなどを配置するセッティングが普及したため設置された。
形状はバンパーなどと同じくARのものをベースとした形状だが、ARに近い規格のネジ穴の外側にさらに同じようなネジ穴が二つ追加され、左右4つづつネジ穴がある。外側のネジ穴は、MAのラインナップに多い実車系の大型ボディに対応するためのもの。
内側も外側もビス穴の幅が前後で違う。FRPをビス止めした際斜めになるようになっている。内側は広がるように、外側は狭まるような形になる。
一番外側のビス穴の幅で84mmで19mmローラーをここに装着すれば規定幅に合わせやすくはなる。

リヤステー

MS、ARと同じく一体型であり、バンパーと同じくARの物をベースとしているが、こちらもビス穴を2個づつ追加して拡張性を強化し、直線的なデザインとなっている。
ARのデザインを受け継いでる為このリヤステーも左右分割式だが、AR以上に頑丈な設計になっている。左右をつなぐスキッドバーも引き続き装備される。
ちなみにスキッドバーは、ARの物と同じ形状をしている。

その他

ギヤやモーター、電池などは従来と同じくシャーシ上面から出し入れする方式である。そのため、ARのように主要部品の殆んどをシャーシ裏から取り出すことはできない。しかしその分、シャーシ裏に余計な凹凸がほとんどなく、エアロデザインを謳っているだけありAR以上にすべらかな形状になっている。

またボディキャッチは、ARのモノが強度が高い代わりに何かと扱いが難しいものだった反省からか、スーパー2シャーシのボディキャッチを強化した形状の扱いやすいものになっている。
素材はPOMなので、滑りやすいと思ったら掴む場所にマルチテープを貼って摩擦を与えるといい。

総合的に見た利点と欠点

利点

  • シンプルにまとめられたパーツ構成により、初心者でも扱いやすい
  • とにかく強度、剛性が高く、簡単には壊れない
  • ダイレクトドライブかつ一体成型ゆえの駆動効率の良さ
  • シャーシの見た目に反して走りはコンパクトな設計

欠点

  • 剛性の高さが仇となって柔軟性には欠ける(着地などの衝撃を吸収しにくい)
  • 穴の少ないデザインもあって全シャーシでも最重量級
  • MSと同様、中央の幅が広いせいでタイヤ径によってはトレッドを狭くしづらい
  • 電池の着脱が面倒

総評

初心者におすすめできるシャーシとして真っ先に候補に挙がるシャーシ。
ファーストトライパーツセットと前後ブレーキを装着しただけでそこそこの走りが出来てしまうし、その組立も楽な部類。
上記に挙げた欠点も少々の加工で解決できるものが多く、駆動効率や剛性などの利点を削がないで済むのも楽な点として挙がる。
MSフレキに押されて人数こそ多くはないが、レースの優勝も時々見かける優秀なシャーシであると言える。

余談

走行時のトラブルを防ぐためか、従来とは違う固定方法や従来よりも取り付けが固くなっている所が多々あり、組み立てやメンテナンスにコツが必要である。
特に、ターミナルやモーターの取り外しには専用の治具(キットに付属)を使用しなければならない、バッテリーホルダーも上記のような特徴の為、今までのシャーシの多くが片側のロックを外せばホルダー全体が外せる(あるいは持ち上げられる)構造だったのに対し、MAでは両方を外さないと取り出せない構造となっている、電池を押し出す穴がないので取り出す時は電池の後ろ側を一旦押して前側を浮かせなければならない等、注意しなければならない。

ボディはキット付属のもの以外にも、MSシャーシ用ボディの多くが装着可能。
また、MSシャーシのように分割されたシャーシの接続部がなく、当然その部分も出っ張っていない為、MSに比べてシャフトドライブシャーシ用ボディが載せ替えやすくなっている。スラッシュリーパーなどのようにボディによっては無加工で載せられるものもあれば、少なからず加工が必要になるものもある。
ビートマグナムTRFなどは、コックピット下とボディキャッチ裏の補強板を削ってやるだけで載っかる*2
ノーマルのビートマグナムでは、それに加えてサスペンションの下部も干渉するので、そちらも加工する必要がある。


カラーバリエーション等

シャーシ本体

ロット番号 素材 備考
A913712-00 ABS グレー 品質にバラ付きが多いが、最初期ロットの宿命。ブラストアロー
蛍光グリーン MA蛍光カラーシャーシセット(グリーン)
ホワイト サンダーショットMk.Ⅱレッドスペシャル
クリアーレッド タミヤ直営大会等での入賞賞品
A913770-00 ブラック ブラストアロー ブラックSP
シルバー ヒートエッジ グリーンSP
ポリカABS ブラック ライキリ ジャパンカップ2016
ホワイト MA強化シャーシセット(ホワイト)
レッド MA強化シャーシセット(レッド)

ギヤケース類(Aパーツ)

初見車種
ライトブルー ブラストアロー
グレー フェスタジョーヌ
ホワイト ブラストアロー ブラックSP
蛍光グリーン MA蛍光カラーシャーシセット(グリーン)
ブラック ヒートエッジ グリーンSP
イエロー ネオファルコンMK.ⅡレッドSP
パープル アバンテMk.Ⅲジャパンカップ2015リミテッド
レッド ミニ四駆スターターパックMAパワータイプ




  • VZの編集ついでに見やすく編集中。今はその他でまとめてる所もなるべくしっかりカテゴリわけして書きたいと思ってる -- 名無しさん (2020-03-31 05:30:51)
  • フレキってわけじゃないけどMAのサスペンション機構はまあまあネットで見かけるね。実用性の程は知らんけど -- 名無しさん (2021-08-07 12:19:27)
  • 知らんがな!としか。今どきちょっとまともに組んでればコーナーで飛ぶ事はまずないし、スロープで一番大事なのはブレーキだし、まずは現地で色々試してみて -- 名無しさん (2021-08-08 13:37:16)
  • POM素材だしそんなに脆くは無いと思うけど、心配なら素直にベアリングローラーつけるのが良いと思う。ブレーキは本当に奥が深すぎるから色んなパターン試してみて。 -- 名無しさん (2021-08-09 00:13:50)
  • ベアリングはHGや620を買うつもりがないならプラベアリングを使い続けるくらいでいいかと。低摩擦プラも結構優秀なので。駆動の異音はギアを交換する、別のモーターで試してみる、ギアの壁とかにもちゃんとグリス塗る、あとは半信半疑だけどシャーシを煮沸して歪みを取るとか?それでもだめならシャーシそのものの個体差でハズレ引いたとかも考えられそう -- 名無しさん (2021-08-09 12:20:26)
  • 利点欠点、総評とか入れてみた。正直総評については文章の推敲がまだ甘い自覚があるので、改良案が出次第追記する。もしくは誰か追記してもらっても。(若干他力本願w -- 名無しさん (2023-02-26 19:56:22)
  • ギアカバーを加工せずともMAシャーシのAパーツ8番を上手に扱える事ができればフレキの作成ができそう -- 名無しさん (2023-12-29 12:13:12)
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最終更新:2023年12月29日 12:13

*1 たとえ大量生産品でも寸法のバラつきはごく僅かにあるので、組み立て方や部品の組み合わせなどで狂いが出てくることがある

*2 フロント側のフックも、形状の関係ではめるのにコツが必要な為、裏側の角を少し削った方がいいかもしれない