子どもの知能は遺伝と親の所得によって決まる

子どもの知能は,遺伝だけでなく親の社会経済的状況にも影響を受けることを示す研究が発表されました。


所得も環境要因のひとつですが,この紹介によると,所得が低い家庭では子どもの知能が発達するための環境(栄養面の問題,学習環境,社会的刺激などいろいろあるでしょう)が十分に与えられないために子どもの検査得点が低くなるようです。
一方,所得の高い家庭では環境要因がもう十分であるために,遺伝の影響がはっきり見られる(というより,他の要因がそろっているためにそこしか違いが見いだせない)のでしょう。
そのように考えてみると納得のいく結果ですが,“所得が影響する”というところをピックアップされると何となくセンセーショナルに感じてしまいますね。
紹介記事にある通り,幼児教育にとっての社会的インフラの重要性を指摘する結果と受け取るのが順当のような気がします。

ソースは以下の論文です。

Tucker-Drob, E. M., Rhemtulla, M., Harden, K. P., Turkheimer, E., & Fask, D. (2011). Emergence of a gene-by-socioeconomic status interaction on infant mental ability between 10 months to 2 years. Psychological Science, 22, 125-133. 【Link to 著者ページ】

最終更新:2011年01月31日 (月) 17時35分22秒

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最終更新:2011年01月31日 17:35