318 自分:わらび餅(代理投稿) ◆jlKPI7rooQ @転載は禁止[] 投稿日:2015/08/30(日) 05:19:38.87 ID:AgCPeYID0 [81/97]
【94話】つくし ◆81X5rEXMGc
『無題』

私が幼い時の話です
ちょうど幼稚園の夏休みが終わる十数年前の今頃の話ですが怖い話と言うよりは不思議な話です
その日は日中とても天気がよく夕焼けがとても綺麗でした
私が住んでた家は歩道に面して戸建が4軒並んで建っていて私の住んでる家は歩道から見て左から2軒目でした
1軒目と4軒目の横にそれぞれ路地がありその路地の途中から家の裏にもある小さな路地に入れる様になっていました
その日夕方母が夕食の準備をしている間少し外に出ていようと思い路地に行くことにしました
普段遊んでいたのは1軒目の横にある路地でしたがその日は何故か4軒目の路地に足が向きました
路地に入り家の裏にある路地に入ろうとした時何気なく自分の長く伸びてる影に目をやりました
するとその影がスーッと起き上がったんです
とても背の高い影で私はかなり顔を上げて見上げたのを覚えています
その時得体の知れない物を見て叫びたかったのですが本当に怖い時って声が出ないんですね
とにかく逃げなきゃいけないと思いそのまま家の裏の路地に逃げ込み家の裏なので物置みたいになっておりそれを避けながら一生懸命走りました
走っている最中一度だけ顔を少し後ろに向けたのですがその時目の端にその影が追って来ているのが見えました
1軒目の横の路地に出てぐるっと回って家に逃げ込みました
様子がおかしいと思った母が駆け寄ってきましたが私はその時「影が…影が…」しか言えませんでした
落ち着いてから状況を母に説明しました
母は黙って聞いてくれていました
結局正体は分からないままですがこれには後日談があり私が中学生の頃たまたまその時の話を母としていて母がふと実はあの時私が影が…影が…と言うので何気なく私の影があるべき所を見たら灯に照らされて有るはずの影がなかったそうです
数秒間確認するため見つめていたら突然影がスッと出現したらしく母は私が怖がると思ったのと母は霊などは全く信じない人なので気のせいだろうと言う気持ちから私には黙っていたそうです
今でもふと思い出すことがあり不思議な体験だったなと懐かしく思います

終わり
最終更新:2016年06月24日 00:32