【十二話】『座敷わらし』ぺそ ◆qyVZC3tLJo


51 名前:猫虫(代理投稿) ◆Ax39zFrW6I @転載は禁止[] 投稿日:2015/08/29(土) 20:51:58.43 ID:rKZkpF2O0 [13/40]
【12話】ぺそ ◆qyVZC3tLJo 様
『座敷わらし』

うちの父は今でこそ落ち着いたものの引越しが好きな父でした。
母の結婚指輪がなくなった時に絶対引越しをし、その後なぜか指輪は発見されるという今思えばこれも不思議な現象でしたね。
そんな繰り返し引越ししていた幼少期すんでた家でのことです。

3歳くらいの頃だったと思いますが、当時すんでいた家は記憶によると割と変な間取りでしたが大きな平屋で庭もあり蔵もある家でした。
当時我が家は縫製業で両親ともずっと仕事をしていましたし、仲のよかった年の近い姉も保育所に通いだし結果私一人で家で遊ぶことが多くなっていました。
あとで母から聞いた話では私は、台所におばちゃんがいるよ、そのおばちゃんと庭で遊んだよなどいっていたようです。
夜中にトイレに起きて不思議なものをみることも多かったです。
お風呂の前で青白い光をみたり、2段ベットの上から下をみると木のおじさん(なんというか、木でできた人形のような)が新聞を読んでる、など。
子どもなので夢だったのかなーとも思ったりもしますが、リアルだったので今でも忘れられません。
でも怖くはなかったのです。

ある夜、また私は夜中にトイレに起きました。
でもいつもは絶対行かない仕事場になぜか呼ばれてるような気がしていっていました。
すると床に半分日本人形が光って埋まっていたのです。これは探検好きな私でしたので家にある人形ではないとわかりました。
なんだろう?と思いながら床に押し込むように押さえると人形は床に消えて行きました。
今なら怖くてできないと思うのですが全く怖くなかったんですよね。そのときも「あれーなくなっちゃったー」くらいでした。

翌日こんなことがあったよーと母に報告したら「きっとそれは座敷わらしじゃない?」といわれたのですが、座敷わらしにしてはなんか気持ち悪いですよね。
そういうふうに色々私だけ見ることが多かったので母はそう言っていたのかもしれませんが。
その人形をみたあと、大病をしましたし今もその病気をもったままです。
果たしてあれはよい座敷わらしだったのでしょうか。それとも・・・・・
最終更新:2015年10月17日 13:44