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高遠遙一

[名前]高遠遙一(たかとお-よういち)
[出典]金田一少年の事件簿
[異名]地獄の傀儡師
[声優]小野健一/阪口大助(少年期)
[性別/年齢]男性/23歳
[一人称]私(初登場時は「僕」、私的な事情の際などに使用) [二人称]君、あなた [三人称]

 「魔術列車殺人事件」から登場する犯罪者。
 以降、第一期では「速水玲香誘拐殺人事件」、「露西亜人形殺人事件」、「金田一少年の決死行」の三編の長編、及び短編「幽霊ホテル殺人事件」に登場する。
 これまでの金田一一にとってのライバルは、主に同じく名推理を武器とする明智健悟警視であったが、「殺人者としてのライバル」は実質的に彼のみである。

 天才マジシャン・近宮玲子の息子。しかし、彼自身、それを知ったのは5、6年前だと言っている。
 物心ついた時には貿易関係の商社で働く父と共に二人でイギリスに住んでいた。父は自分にも他人にも完璧を求めるカタブツであり、自分の家は監獄のように苦しかったらしい。
 しかし、7歳の時にロンドンで父に近宮のマジックの講演に誘われ、そこで見た不思議なマジックに衝撃を受け、心を奪われる事に。
 それ以来、高遠少年は自らもマジックで舞台に立つ事を夢見て密かにマジックの練習を始めた。
 10歳の時、公園でマジックの練習をしていた際に近宮に再会。近宮に純粋な夢を語ると共に、あらゆるマジックを直に見せてもらう。そして、18歳になったら誕生日プレゼントとして近宮のとっておきのマジックを伝授してもらうという約束を交わした。

 17歳の時、父の死をきっかけに本格的なマジック修行を始める。
 その際に父の遺品の日記で、近宮が自分の母であった事を知る。しかし、彼は驚くどころか「やっぱりな」とあっさりと納得し、「一流になる事で近宮に認められて再会する」と決意を固めた。
 しかし、その1年後、イタリアの有名なマジシャンのもとで修行していた高遠は、近宮の死を知る事に。これには流石の彼も驚きを隠せなかったらしい。

 20歳の時にイギリスの実家に帰宅すると、そこには2年前に自分宛に届いていた近宮のトリックノートが届けられていた。近宮は約束を覚えており、自分用のトリックノートと共に、息子へのトリックノートを制作していたのである。
 それからも相変わらずマジック修行をしていたようだが、その数か月後、近宮の弟子たちが設立した「幻想魔術団」の評判を聞いた高遠は、一度見てみようと日本へ。
 だが、そこで高遠が見たのは、信じがたい光景だった。

 自分が受け取ったトリックノートと全く同じマジックの「偽物」が演じられていたのである。
 高遠は、自分の母親が死んだのは、事故ではなく、弟子たちに殺されたのだと悟る。
 幻想魔術団が拍手喝采を受ける中で、ただ一人、拍手をせずに幻想魔術団の四人に憎悪を燃やした。
 彼らのマネージャーとして幻想魔術団に潜入した高遠は、彼らが近宮を殺した経緯を知り、「素晴らしいマジックを私利私欲で汚した人間」を一人残らず殺害する計画を立てる。

 「魔術列車殺人事件」にて、団長のジェントル山神、ノーブル由来間、マーメイド夕海を殺害。「ただ殺すだけではつまらない」という理由で、「あらかじめ脅迫状を出して警察を呼んで殺人を実行」などの劇場型の犯罪を好んでいた。これは、「多くの観客」を求めるマジシャンならではの考えであったと言える。
 金田一の推理で本性が暴かれた事で、主犯のピエロ左近寺は殺害し損ねるものの、近宮のトリックノートに「弟子を殺す為」の欠陥トリック(高遠のものには描いていなかったトリック)を見つけ、高遠の逮捕後に左近寺には「炎の鉄槌」が下され、大勢の観客の前で最期を遂げる事になった。
 母の復讐というよりは、むしろ、「近宮の芸術を汚した」事への強い憎悪が勝っているとも言える為、一見すると同情できる過去の持ち主だが、既に狂気のエンターティナーである。
 そんな高遠も大人しく捕まったかと思いきや、その後、脱獄。

 「速水玲香誘拐殺人事件」で再登場。
 犯人に裏でトリックを授け、遂行させる「殺人教唆」を行う。ここでは完璧な変装で容疑者の一人になりすまし、最後は金田一にトリックを暴かれた犯人を毒殺する。
 今回は最後まで金田一たちに正体がバレておらず、「犯人を毒殺したのは自分だ」と自ら名乗り出る事で事件が発覚している。

 「露西亜人形殺人事件」では、普段は公園で子供たちに人形劇を見せている事が明かされた。
 指名手配犯としての逃亡生活の中で自分を匿ってくれたイラストレーター・幽月来夢に協力して、天才推理作家・山之内の遺産を巡る推理合戦に参加。その後、金田一たちも同じ推理合戦に偶然参加した事に奇縁を感じる。
 ここでは、「スカーレット・ローゼス」という名を名乗り、変な仮面をつけてバレバレの変装で金田一たちの前に姿を現したが、やはりバレてしまう。
 友人の幽月を自分の目の前で奇術めいたやり方で殺害し、自分に罪を着せようとした犯人を暴く為、金田一とは「自分が勝ったら犯人を殺し、金田一が勝ったら犯人を助ける」という約束のゲームを行った。
 そして、それは金田一の勝利に終わるも、犯人が自殺を試みる。
 高遠は犯人を救い、「約束は果たした」と告げて彼らの前を去るのだった…。
 数日後にまた公園で金田一と再会し、事件の裏にあったもう一つの真相を彼に告げた。

 「金田一少年の決死行」は、事実上の最終回であり、金田一との決着をつけて物語は幕を閉じる事になる。
 12年間防空壕に閉じ込められていた青年・刈谷純の復讐心を利用し、彼を閉じ込めた人間を殺害する計画を授ける。
 その中で、金田一に罪を着せ、明智まで殺害させようとするなど、前回の登場とは打って変って外道な姿を見せた。また、神父に化けて刈谷の復讐相手を一人毒殺している。
 12年間復讐に燃えていたはずの刈谷が人間らしい心を持ちつつある事に失望した彼は、自分の信じる性悪論が金田一にも刈谷にも否定された事で物憂げな表情をして空を見つめた。
 犯人発覚後は、ある人物に化けて犯人を始末しようとするが、失敗した上に金田一に変装を見破られ、「幕引き」として高所から飛び降りて自殺を図るが、これは演技。
 自殺のフリをして逃走していたが、それも金田一にバレており、再逮捕された。


[外見]
 作中描写では、身長180cm程度。ちなみに体重が50kg。ガリガリとしか思えない。
 一応美形で、細く垂れた瞳と高い鼻の、面長の顔付が特徴。髪はそこそこ長く、真ん中に分けている。基本的にはスーツなどの立派な恰好をしていおり、これは逃亡生活中も変わらない。また、当初は気弱なフリをして眼鏡をかけていた。
 変装をする事も多いが、度々、「仮面をつけただけ」などのやる気のない変装をする。本気になればかなり上手に変装するのも特徴。


[性格]
 冷酷非道の殺人鬼にして、天性の犯罪者。犯罪に芸術性を求め、「多くの観客の前で複雑なトリックで人を殺す」事や、「人を欺く事」に快感を覚えるというかなり特殊な人間である。
 幼少期こそ純粋だったものの、17歳ごろには既にひねくれ始めていたようで、近宮を母と知ってからも「感動の親子対面なんていうのはゴメン」だと思っていたらしい。
 ただし、マジックにかける情熱は本物であり、近宮の前に姿を現す時は一流になって再会したかったという想いがあった。そんな努力家な面もある。

 年下の金田一や、復讐相手の左近寺などに対しても敬語を使うが、本心で尊敬しているわけではないだろう。たまに敬語以外の言葉が混じる事もあり、刈谷にはかなり上から目線の命令をしている。
 口癖は「Good Luck!」。やや改変して、「Good Night!」などもある。
 ある意味キザなタイプでもあり、殺人計画に無関係な女性には紳士な部分が際立つ(特に、金田一にくっついている美雪などに危害を加える様子は一切見せない)。
 その代わり、復讐相手や犯罪者の女性には容赦がなく、殺害計画に利用する程度ならば多多ある。

 一見すると感情など皆無に見えるが、母親の死にはショックを受け、母親を殺した人間には憎悪を向け、友人の死には怒りを覚え、自分と同じ境遇の人間には同情する(これはあくまで金田一の推理であり、本当に同情したかは不明)など、相応に人間らしい部分も見られる。
 さらには、子供好きでもあるのか、公園に来る子供たちの前で人形劇を見せている事も多い。
 義理堅い性格で、友人の遺体の目を閉じてやり、彼女を殺害した犯人を暴こうとするなどの面も見られ、たとえ不本意でも金田一との約束を果たす姿も見られた。ある意味ダークヒーロー。

 彼の父は「自分にも他人にも厳しい」人間であったようだが、「自分はターゲットを全員殺すより前に金田一に犯行を暴かれたくせに、ターゲット全員を殺して金田一にトリックを暴かれた犯人は殺そうとする」などという、自分に甘く他人に厳しい性格。しかも高遠が授けるトリックのショボさや、高遠の説明不足のせいも原因な分ヒドい。
 自らを犯罪者だと思っている犯罪者に厳しく、これもよくダメ出しする(内一回は10年代以降だが)。しかし、それがその人間にとって激励になる事も。

 性悪論者を自称し、人間の本質は悪だと語る。
 人間の醜い面、復讐心などを好み、それを利用するのは彼らしいやり方だろう。


[他キャラとの関係]
 金田一一とは魔術列車以来のライバルであり、決して交わらない平行線だとしている。
 当初こそトリックを暴こうとした金田一を殺害しようとしたものの、その後の犯罪では金田一を観客の一人として招く事を好んで行っており、彼との戦いに情熱を注いでいる部分も見られた。
 また、いざという時は協力したり、彼との約束を果たしたりなど、一定の信頼を寄せあっている面も見られる。金田一も器用な手先でマジックを行うが、果たして高遠が彼をどれほど認めているのかは謎の部分もある。
 千家貴司とは面識がない。
 和泉さくら小田切進とも面識はないが、さくらとは「親の芸術を横取りされた」という境遇が共通しているほか、小田切は「芸術犯罪」を犯そうとしているなど、共通点はいくつか存在する。


[能力]
 若い頃からマジック修行を行っていた為、マジックが得意。器用な手先でまるで魔法のような犯罪を犯す。
 だが、劇場型犯罪を好む変な性格のせいで「魔術列車」では、金田一の犯人史上でも初歩レベルのミスを犯して金田一に罪を暴かれ、「金田一の決死行」では「香港まで来てそれかよ」と思ってしまう気の抜けるようなトリックを見せている。
 そんなトリックメーカーである一方、他人の犯罪のトリックを見抜くのも得意で、「露西亜人形」では館やキーストッカーの不可解な構造に真っ先に気づいている(金田一より秀でているのはこの部分で、機械トリックや心理トリックに引っかかりにくい部分が強い)。
 その代わり、記憶力がアレなのか、「女の夕海は自分より体重が軽いはず」という思い込みでトリックに失敗してボロを出す部分があった(夕海の体重は既に高遠の目の前で本人が発言している)。他にも、暗号解読では金田一に先を越されたりもする。
 つまるところ、「物理トリック暴き」においての実力は金田一よりも上であるものの、「記憶能力」、「暗号解読」などの総合的な探偵能力は彼には劣る可能性が高い。

 とはいえ、一応、英語、イタリア語、広東語が話せる事が明かされており、元々英語圏の人間だったにしては流暢な日本語を話しているという、知能は非常に高い人間である。
 変装術も優れており、金田一たちもよく知る人物に化けた事がある。その割には、「仮面をつけただけ」のような適当な変装もたまにあり、これはおそらく、「ギリギリバレないくらいのライン」を維持できる自信があるという事なのだろう。10年代の特に酷い時は、指名手配犯で顔バレしているのに、素顔で事件に赴き、「遠山遙治」という酷い偽名を使った事もあった。
 アドバルーンにぶら下がって去って行くなど、恐い物知らずな行動を平然と取れるのも特徴。高所からの落下を要するトリックなども平然と行う。


[00年代以降の高遠]
 本ロワで反映される設定は以上だが、その後も登場して以下のような事件に登場する。

「獄門塾殺人事件」(教唆、犯人殺害、やる気のない変装有)
「黒魔術殺人事件」(教唆、やる気のない変装有)
「剣持警部の殺人」(教唆、刑務所に犯罪者の面会に来る←警察仕事しろ)
「薔薇十字館殺人事件」(共闘、彼が主役、やる気のない変装有)
「亡霊校舎の殺人」(教唆)
「蟻地獄壕殺人事件」(教唆)

 「金田一少年の決死行」のラストに収録されている最終回で金田一に送られた手紙の主も高遠である事が連載再開時に明かされており、再び脱獄して何度も何度も金田一に挑戦しては敗北している。
 特に、「薔薇十字館殺人事件」では、義理の妹の存在や、本当の父親が別にいた事が発覚しており、これも金田一との共闘を行う回である。「逃亡生活に飽きたので拘置所で羽を伸ばしたい」と、拘置所をホテル扱いしているトンデモない奴。
 更には、「高遠少年の事件簿」という彼の高校生時代に起きた事件を描いた外伝も存在する。

 尚、これらの後付設定には幾つか不自然な点、「魔術列車」時点での設定との矛盾などもあり、本ロワでは「決死行」までの設定に準拠して、高遠の義妹や父親の話、高校生時代はカット。
 とはいえ、「薔薇十字館」と「高遠少年」における「自分を愚弄する者は許さない」という信念は、「決死行」までの彼の性格を広げた物でもあり、性格面を見るという意味では一読しても良いかもしれないという程度ではある。基本読まなくてもいいが。