大魔王降臨



深い夜の闇に浸された岩場は、全てが影で染められていた。
切り立った岩の茶色も、所々に生える草の緑も不明の黒に冒される。
そしてそこに佇む一人の少年も
年若いまだ小学生くらいの少年の名は李小狼。
小狼は、かの伝説の魔術師クロウ・リードの遠戚に当たる李家の末裔である。
そのクロウ・リードが残した魔法カード『クロウカード』を回収するために、香港から日本にやって来ていた。

小狼は殺し合いが始まってすぐに、自分の荷物を確認していた。
デイパックに入っていた照明を灯し、支給品を一つ一つ検める
食料や地図などから支給武器、そして名簿。

「……さくら!!」

名簿に載っていた想い人の名を呼ぶ。
日本で出会った少女、木之本桜。
『クロウカード』を全て自らのカードである『さくらカード』に変えた継承した者。
そしてつい先刻、小狼がその想いを伝えた相手。
そのさくらが、殺し合いに参加している。

小狼は急いで照明を消して荷物を纏め始める。
さくらが殺し合いに参加している以上、一刻も早く合流して守らなければならない。
小狼は武器とデイパックを携えて、出発を急ぐ。

「待て」

先を急ぐ小狼に声が掛けられたのは、出発してすぐのことだった。
沈着でありながら有無を言わせぬ力にある言葉。
重々しく冷たい、まるで声自体に逆らえない重力があるかのようだった。
あれほど急いていた足を止めた小狼は徐に声がしてきた後方へ振り向いて、天を仰ぐ。
声は確かに上空から聞こえてきたのだ。
そして声の主は確かにそこに居る。

顔に深い皺を湛えた老人だった。
角のある厳めしい冠や全身を覆うマントと言った仰々しい衣装が、老人にはまるで違和感が無い。
それは荘厳でありながら浮世離れした、まるでファンタジーの世界の王族を思わせる姿。
しかし何より強烈なのは、老いた男自身が放つ威。
威圧感を。重圧を。何より底知れぬ威厳を放っていた。

老人はまるでそれが当然のありようであるがごとく宙空に佇み、小狼を見下ろす。
しかし小狼を圧倒しているのは、宙に浮かんでいる事実ではない。
それは老人の存在そのもの。
その底知れぬ威厳だけに尽きない。
自身も年に見合わぬ腕の魔術師である小狼は見抜いていた。
目の前に居る男の尋常ならざる魔力と、
――――そして人にあらざる凶々しい気を。

小狼を見下ろしながら、徐に地へと降り立つ老人。
その場を動けない小狼は、無意識に武術の構えを取る。
それは警戒以上に、ただ対峙するだけで受ける老人からの重圧に耐えていた。
対する老人は泰然とした表情で、相変わらず小狼を見下ろしている。

やがて薄い笑みを浮かべ口を開いた。

「ふふふ……そう構えずとも良い。もっとも、余を前にして強張るなというのも無理な話か。
だがそなたにその気が無いならば、余にも事を構えるつもりは無い。」

老人は重々しい声で、しかし何ら気負う様子も無く小狼に話し掛ける。
その様子からは小狼はおろか、殺し合いの状況にすら余裕を持っているかに見えた。
ただ話し掛けられただけで押し潰されそうな老人の威圧。
しかしそれは、生来反骨心の強い小狼の反意を招く結果となった。

「……じゃあ何の用だ?」
「余は話し合いを求めているだけだ。何しろこの状況だ、情報を集めたくてな。
そなたも情報は欲しいのではないか?」

老人の呼び掛けにも小狼は警戒を解かない。
小狼は生来、李家の魔術師として教育を受けてきた。
様々な魔法や外法の知識や、それに対応する術を。
それゆえ小狼は老人の邪な気に強く反応してしまう。
それに何よりこの場は殺し合いであり――さくらも参加していた。

「お前の言うことは信用できない」
「ほう……理由を聞こうか」
「お前は人間じゃないだろ。……そして、人間に害する存在だ」

小狼の指摘にも老人に動揺する様子は無い。
ただ興をそそられたとでも言うように、目を細める。
それでも冷たさと鋭さの増した老人の視線に、小狼は背筋を寒くするのを禁じ得なかった。

「ふむ……確かに余は人間と敵対する立場にある魔族だ。だが余自身が直接人間を害したことはほとんど無い。
何しろほとんど人間と接触したことが無くてな」

老人はあくまで小狼に話し合いを求める。
しかし老人の話を聞いた小狼は、怒りを表す。

「流暢な日本語を話しておいて、何が人間と接したことが無いだ!」

小狼にしてみれば、老人の話は到底信じることはできない。
人間と接触したことが無いならば、その言葉を覚える必要が無いはずだからだ。
老人は小狼の反応にも慌てることは無く、むしろ思考を深めている様子だ。

「日本語? …………それは日本という世界……違うな。世界全体の統一言語ならば、それ自体を指す固有名詞を必要としない。
日本という国の言葉か」

老人は小狼に話し掛けるでもなく、一人ごちる。
小狼にはまるで意味が分からない。

「余の言語がその日本語に聞こえると? その日本語とは、名簿や地図に使われた言語ではないか?」
「さっきから、何を訳の分からないことを言っているんだ!」
「その態度から察するに、余の問いへの答えは”YES”か……。なるほど……少しは話が見えてきたな」

やはり老人の言うことを小狼は呑み込めない。
しかし一方的に情報を得られていることは理解できた。
そのために益々老人への反意を強める。

「……お前はやっぱり信用できない、危険な奴だ」

いよいよ老人への敵意を露にする小狼。
小狼にとって老人はただの危険因子ではない。
この場を殺し合いであり、さくらも参加している。
さくらを守るためにも、老人を放置しては置けない。
老人を倒す決意をする小狼。

「……ふむ、どうやら余の”魔”に近い暗黒闘気を察知して、それに強く反応しているようだな」

小狼の敵意を承知したであろう老人は、あくまで余裕を崩さない。
だが威圧感が。重圧が。凶々しい気が増していく。

「……余は大魔王バーン。最後に名を聞いておこう」

大魔王バーン。
やはり老人は有象無象のごとき、そこらの魔物ではなかった。
大魔王の尊称に相応しいバーンの威風に負けじと小狼も返す。

「李小狼だ」
「…………良かろう。小狼よ、これ以上の情報はお前との戦いで得るとしよう……首輪と共にな」

首輪を得る。そう宣言するバーン。
即ち首を狩るという宣言に等しい。
大魔王の宣戦布告を受け、小狼が仕掛けた。

バーンに飛び掛る。と同時に蹴りを放つ小狼。
小狼は魔法と同時に武術の修行も修めている。
その腕前もまた、年齢に見合わぬ域に達していた。
蹴りは精確にバーンの顎へ目掛け打ち放たれた。

「……!」
「余を恐れず攻める胆力は大したものよ。だが勝算の無い相手に挑むのは勇気とは言えぬ。無謀でしか無いな」

しかし蹴りはバーンに届いていない。
蹴りが届く前にバーンの指に阻まれていた。
小狼の渾身の蹴りがバーンの指に止められていたのだ。
小狼はそこから自分の身体ごと捻り、追撃の蹴りを放つ。
しかしその蹴りも届かない。
バーンの手から光が放たれた。
光そのものが圧力を持って、小狼を身体ごと後方へ吹き飛ばす。
空中を何メートルも飛び、岩肌を転がった。
小狼の全身を痛みが襲う。
岩肌を転がった痛みもあるが、何よりバーンの光から受けた衝撃が大きい。
それでも小狼は闘志を振るい立ち上がる。

「余の暗黒闘気を受けて無事とはな。力を抑えすぎたか……いや、どうやら力を制限されているな」

小狼へ向け無造作に手をかざすバーン。
またも暗黒闘気が放たれる。

(早い!!)

先刻以上の速度を持つ暗黒闘気。
左右への回避は不可能と判断した小狼は、咄嗟に膝の力を抜いて前に転がる。
暗黒闘気は身を屈めた小狼の上を通り抜けた。
通過した暗黒闘気は、小狼の後方に在った岩に着弾。
岩を原型すら留めぬほどに、粉々に破砕された。

「ふふっ、今度は力を入れ過ぎたようだ」

岩の惨状を見て、小狼は思わず震える。
暗黒闘気を喰らっていれば、原型を留めていないのは小狼の方だ。

バーンの戦力は尋常ではない。
おそらく小狼の武術は通用しない。
後勢に回れば暗黒闘気の餌食となる。
小狼に残された戦術は、魔法による遠距離戦だった。

小狼は自分に支給された武器である、護符をかざす。
支給されたと言っても、護符は元々小狼の持ち物。
小狼はいつもそれで以って、魔法を使ってきた。

「雷帝……招来!!」

護符から雷鳴と共に閃光が奔る。
それは小狼の魔法によって形成された電撃。
常ならば剣と併用して行う魔法だが、護符だけでも使用は可能。
電撃ならば、多少威力が落ちてもバーンの動きを封じることができる計算だった。
電撃は真っ直ぐバーンへと襲い掛かる。
光の壁に遮られるまでは。

(いつの間にあんな壁が!!)
「知らぬらしいな……これがマホカンタだ……!」

光の壁に当たった電撃は、今度は真っ直ぐ小狼へと返っていく。
しかし今度は回避も防御も手段が無い。
電撃は小狼に被弾。
小狼の全身に電撃が奔り回り、声にならない悲鳴を上げる。

「今のはデインではない……」

失いそうな意識を必死に繋ぐ小狼。
バーンの言うマホカンタは、どうやら反射魔法らしい。
呪文を唱える間も無かったはずなのに、そんな物をいつどうやって使用したのかは分からないが、
現にマホカンタがある以上、真正面から魔法を使えない。
打つ手を見失った小狼は、それでも手持ちの戦力から打開策を練る。
バーンを相手にしての打開策は――見付かる。
今度こそ賭けだと自嘲して、小狼は護符を振るう。

「風華招来!」

護符から発生する突風。
小狼が使用したのは風の魔法。
それをバーンではなく、自分の足元に向けて放った。
地面に当たる突風に押されて、小狼の身体が空に舞う。
空高く、バーンの頭上へと。
バーンの頭上に位置取った小狼は、デイパックに手を入れた。

小狼が荷物を確認した際に知ったことだが、デイパックには幾つかの不可思議な性質があった。
一つはデイパックの内部には、不可能な質量が収められること。
小狼のデイパックには、明らかに入り切らないはずのそれが入っていた。
一つはデイパックの中の物は、重量を無視して出し入れできること。
どういった原理でかは定かではないが、小狼の腕力では動かせないはずのそれを、
小狼は軽々とデイパックから取り出した。

デイパックの中から空中に、巨大なタンクローリーが現出する。

小狼もデイパックも巨大な質量を引き出した反動を受けて、
デイパックは小狼の手から離れ、小狼もバーンの頭上を離れた。
頭上に残ったタンクローリーは重力に引かれ、バーンへ向けて落ちて行く。
巨大な質量がバーンに襲い掛かる。
バーンは少しも慌てる様子は無くタンクローリーに暗黒闘気を発射。
暗黒闘気の直撃を受けたタンクローリーは岩の時と同様に破砕する。
細かい金属片や機械部品、そして内蔵されていたガソリンが、
雨霰のごとくにバーンと、その周辺へと降り注いだ。

「火神……招来!!」

小狼が落下しながら魔法を使用。
護符から火の玉が発生して、地面に散乱したガソリンへ撃ち出される。
ガソリンに着弾。引火。
火は瞬時に周囲一面に燃え広がる。
バーンを巻き込んで。
バーンはその全身を、紅蓮の炎に包まれた。

小狼の目論見は成功した。
ガソリンを伝わっての引火ならば、マホカンタに反射されることは無い。
周囲を火で囲まれれば、バーンと言えど回避も防御も不可能だろう。
そして全身を火で焼かれれば、絶命は免れまい。

消耗もダメージも大きいが、ともかく小狼は賭けに勝った。
バーンは何をするでなく、全身を炎にまかれている。
その目は、あらぬ方向を見つめていた。

(…………あいつ、何を見てるんだ?)

よく観察すれば、バーンの様子がおかしい。
バーンはあらぬ方向ではなく、確かな一点を見つめている。
それは岩に引っ掛かった機械部品だった。

「…………ふむ、この火を発する油を燃料にして走る車のようだな。
地上の人間の文明で作られた機械とは思えぬが……おそらくお前の世界では珍しくない物であろう、小狼よ」

バーンの視線が機械部品から小狼に移る。
全身を火に焼かれながら、平然と。

「お前の使った雷と風と火の魔法……デインでもバギでもメラでもない。
どれも系統そのものが余の知らぬ体系の魔法、お前の世界の魔法か」
「な、なんで平気なんだ?」
「ただの火で魔族を殺せるなどと、思い違いも甚だしい……まして大魔王をな!」

突如バーンの全身から周囲へと衝撃が走る。
その一撃で、バーンを焼く火も周囲の火も全て消し飛んだ。
魔術師である小狼には、その衝撃の正体が分かった。
それは純粋な魔法力。
魔法力を全身から開放しただけで、火が消し飛んだのだ。
しかしそんな真似は、並大抵の魔法力の量では不可能。
それこそクロウ・リード並の魔術師でもなければ。
バーンの底知れぬ実力に戦慄する小狼。
当のバーンは再び笑みを浮かべた。

「ふふふ……やはり戦いは良い。両者が真剣であるほど確度の高い情報が得れる……。
小狼よ、お前には情報の礼に褒美をとらせよう。ただの人間には過ぎた栄誉だ」

全て消え去ったはずの火が再び灯る。
バーンの右手の中において。
先程の炎とは熱も強さも、まるで桁が違うと一目で分かる高密度の炎。
そして炎は双翼を広げ、鳥の姿を形どる。
それはまさに伝説の神獣、不死鳥の姿だった。

「これが余のメラゾーマだ……その想像を絶する威力と優雅なる姿から太古より魔界ではこう呼ぶ……、
カイザーフェニックス!!」

バーンの右手からカイザーフェニックスが飛び立つ。
小狼へ向けて。
その全身を飲み込む大きさのカイザーフェニックスが小狼に襲い掛かる。
しかし小狼はそれを予測していた。

「風華……招来!」

横に翼を広げる形のカイザーフェニックスは、上方に隙があった。
小狼は風の魔法で再び宙へ飛ぶ。
全体重を風に乗せて、カイザーフェニックスの上方を飛び越えた。

「……!!」

その小狼の眼前に、不死鳥の姿があった。
飛び越えたはずのカイザーフェニックスが居るのだ。
何が起きたのかまるで理解できない小狼。
カイザーフェニックスの向こうでバーンが、
先程カイザーフェニックスを放ったのと逆の手、左手をかざしている。
その姿を見て小狼は悟る。
バーンは小狼の回避にタイミングを合わせて二撃目を放っていたのだ。
小狼の魔術師としての常識を超えた早さによる魔法の連発。
小狼の回避を更に予測しての精確な魔法の発動。
小狼はバーンの魔術師、そして戦闘者としての力量を悟ったのだ。
そして空中に居る自分は、もはやカイザーフェニックスを回避する手段が無いことも。

「……さく……ら…………」

想い人の名を呼びながら、カイザーフェニックスにのまれゆく。
それが李小狼の最期であった。





【李小狼@カードキャプターさくら 死亡】





戦いの後、小狼に残されたのは首から上だけだった。
首から下はカイザーフェニックスの熱と威力によって完全に消失。
それでもその首にある首輪は無事残されている。
ちょうど首輪から上は残るように、バーンは狙い撃っていたのだ。

「余のカイザーフェニックスを受けて最期を迎えるとは、これ以上無い栄誉であろう」

小狼のデイパックを拾ってきたバーンは、そう語りながら小狼の首に歩み寄る。
バーンに皮肉を述べているつもりは無い。
本心からそう思っている。
あるいは大魔王。
あるいは魔界の神。
天地魔界に並ぶ者無き存在として、呼ばれているのがバーンなのだ。
しかし今は自分の手足で、デイパックを回収しなければならない。
そして首輪も。

「カイザーフェニックスの余波を浴びたにも拘らず首輪は無事か……やはり尋常の物ではあるまい」

小狼の首輪を拾いデイパックに仕舞うバーン。
そもそもバーンが小狼と接触した目的は、まず情報を得るため。
だからバーンにとって小狼との戦いは、自分の状態を確かめる実験を兼ねていた。
そして上手くすれば、自分の手足として動かせる部下として引き入れる。
無理ならば首輪を回収するためだった。

首輪は解析のためのサンプルが必要なのである。

普通に考えれば、バーンがこの小さな首輪に内蔵された爆弾で死ぬはずが無い。
しかし首輪の爆発で、ピエロの魔物が死んでいた。
あのピエロは一見人間に見えるが、発する気は”魔”を帯びた暗黒闘気に近い性質だった。
魔物の一種と見ていいだろう。
人間以上に頑強であるのは違いないあの魔物の頭を、首輪の爆発は完全に破壊した。
それほどの爆発ならば、あの船上でもっと周囲への被害があったはずだ。
内部への指向性の爆発とも考えられるが、あの威力と指向性を小さな首輪が併せ持つには、
バーンの知識をも絶する技術が必要になる。
そう、この首輪はあらゆる意味で規格外なのだ。

そして船上ではまだ不可解な現象があった。
あの頑強で名高い獣王クロコダインの頭を潰した光の矢。
多少の威力でクロコダインの頭を潰すことはできない。
しかもバーンですら認識できない高高度からである。

これらはバーンにも未知の技術が使用されている。
天界・地上・魔界の三界のあらゆる知識を持つ、叡智においても並ぶ者無しと謳われたバーンの、である。

おそらく天界・地上・魔界の三界以外の世界が在る。

根拠は幾つも見付けられた。
地図や名簿や、そして小狼が使い、
そしてバーンも”使わされている”日本語。
そこから推測される日本という国を、バーンは存在すら知らない。

小狼に支給されていたであろう、油を積んだ車。
小狼はあの車をデイパックから淀み無く取り出し、作戦を遂行していた。
おそらく小狼はあの車を知っていたのだ。
更に車の形状や、そこから推測される使用状況からして小狼の私物ではない。
バーンが指摘した通り、小狼の世界では一般的な物と思われる。

そしてバーンの知らない系統の魔法。
小狼の使用していた魔法はどれも、バーンの知らない系統の物であった。
しかし小狼の使用した雷・風・火の魔法は、既にデイン・バギ・メラの系統がある。
わざわざ別系統を作り出す意義はほとんど無いはずだ。
おそらくあれは『別世界で発生・発達した魔法力の運用系統』なのだ。

これらを総合的に分析するに、至った結論が、
天界・地上・魔界の三界とは全く別位相・別次元の世界が存在している。
全く別の世界から参加者が集められているとしたら、バーンにとっても未知の能力を使う者も考えられる。
バーンと言えど、未知のものだけは警戒しておく必要がある。

そしてあの主催者『ノストラダムス』は只者ではない。
何しろ複数の世界からのみならず、バーンまで参加者として召集したのだから。
バーンの能力に制限まで掛けて。
船の上の時からルーラもリリルーラも使えない。
魔法の消耗が常より多い。
暗黒闘気の威力が落ちている。
肉体のダメージは瞬時に再生するはずが、再生が遅い。
もっとも小狼との戦いでは、ほとんど問題は無かった。
消耗した魔法力はすでに回復している。
ただの人間相手ならば暗黒闘気の威力は充分。
火で焼かれたダメージもすでに再生してる。

問題は魔法・暗黒闘気・肉体の再生という各々原理の違う制限を、主催者が掛けたことだ。
しかもバーンを相手にそんな真似をするなど、天界の神々にも到底不可能。
『ノストラダムス』はそれをやってのけた。
『ノストラダムス』は天界の神々をも越える存在だということだ。

「…………面白いな。『ノストラダムス』を倒すことは、あるいは太陽を手にする以上の難事やも知れぬ」

かつて天界の神々は、魔族と竜を魔界に押し込め太陽を奪った。
だからバーンは神々への反逆を決意した。
数千年に渡って力を蓄え、地上を消し去る準備を整えてきた。
大魔王を。
魔界の神を。
バーンを押し留めることなど出来はしない。
それは神々を越える『ノストラダムス』であろうと変わりはない。
バーンはバトルロイヤルのルールなど歯牙にも掛けない
ここでもまた『ノストラダムス』への反逆を決意する。
大魔王を。
魔界の神を。
バーンを押し留めることなど出来はしないのだ。

【C-4 岩場/1日目 深夜】
【バーン@DRAGON QUEST -ダイの大冒険-】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式×2、ランダム支給品2~4、首輪
[思考]
基本行動方針:殺し合いから脱出する。
1:首輪の解除方法を探す。
2:情報を収集する。
3:未知の存在を警戒。
[備考]
※参戦時期は第23巻終了後です。
※魔法・暗黒闘気・肉体の再生が制限されています。
※参加者は未知の別世界から集められていると考えています。
※小狼の首と護符@カードキャプターさくらとタンクローリー@幽☆遊☆白書の破壊片がC-4に残っています。

【支給品説明】
護符@カードキャプターさくら
李小狼が魔法を使う際に使用する紙製の符。

タンクローリー@幽☆遊☆白書
刃霧要が死紋十字斑の弾に使用した大型自動車。
ガソリンを大量に搭載している。


時系列順で読む

投下順で読む


GAME START バーン Next:[[]]
李小狼 GAME OVER

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2015年10月27日 12:21