復活の帝王
『このコートは絶対渡さねええええええーーーッ』
――― バッ……バカなッ!
『健康な肝臓だわ、とてもいい色』
―――― まさかッ!これはッ!?
『大丈夫ですか? そんなところにうずくまって……』
――――― オ、オレは何回死ぬんだ!?
『おじちゃん、オナカ痛いの?』
―――――― オレのそばに近寄るなああーーーーーーーーーーーーッ
『オマエは……ドコへも……向カウコトハナイ………
特ニ……「真実」ニ到達スルコトハ……決シテ!』
- - - - - - - - - - - - - - -
―――!?
夢に魘され大量の汗をかいた男が、悪夢から逃げ出すかのように勢いよく飛び起きた。
――ハァーッ……ハァー……ハァー……
心臓の鼓動が激しく、男は息を整えようと深呼吸している。
その男はピンク色の髪に派手な革のパンツ、そして上は服とも言えぬ様な紐状の下着のみと、一見すると変態かパンクロッカーの様な服装をしている。
そんな服装から首にはめられた「鉄の首輪」が妙に似合っているが、実際の男は変態でもパンクロッカーでもなかった。
その男の名前はディアボロ、かつてイタリアで主に活動しているギャング「パッショーネ」のボスだった男だ。
自分の正体を隠蔽し続け、ローマひいては世界を裏から牛耳る帝王になろうとしていた男だ。
そんなディアボロが、状況を理解しようと頭を回転させる。
(……夢、なのか? いや、俺は……また―――『死んだ』のか?)
ディアボロは、可能性の高いものとして一つの結論を導き出した。
それは一見すると奇妙だが、ディアボロにとっては当たり前の考えといえた。
この島に来る前、ディアボロは自分のいる場所や時間などが一切わからないような状態だった。
なにしろ彼は様々な場所を巡り、死に続けているからだ。
一見意味不明だが、それはジョルノ・ジョバーナのスタンドによって引き起こされた事象である。
ディアボロは、彼によって《永遠に「真実」にたどり着くことができない》という状況に陥っているのだ。
難しい能力だが、ディアボロは《死》という「真実」にたどり着けぬまま、死ぬという運命をたどり続けるということになっている。
それは下手な死よりも辛い、不死のようなもの――精神が壊れる前にこのバトルロイヤルに呼ばれたことは、むしろ彼にとって幸運だとさえ言えるかも知れない。
(オレは、今度はいったいドコに飛ばされたんだ……?)
ディアボロはすでに何度も死を経験してきているため、急な場面転換は死によるものだと直結して考えてしまう。
そのためか、あの薄暗い船内とこの島の出来事が延長線上にあるとは思わず、ここは船内とは別の時空間だと思い込んでいる。
今のディアボロにとって、最も恐ろしい物は不注意による事故だった。
ディアボロは少しでも死の可能性から遠ざかる為に辺りを見渡す。
目前に広がるのは広大な海、きつい潮の匂いがディアボロの鼻を刺激している。
周囲には照明など見当たらず、満天の星空と丸い月だけが辺りを照らしていた。
――どうやら今度は砂浜に飛ばされたようだ、とディアボロは自分の状況を把握する。
とりあえず海岸から遠ざかり、草原を目指すことにする。
些細な事で死に至る今のディアボロには、海など死の塊以外には見えなかったからだ。
突然倒壊する恐れのある小屋のようなものから遠ざかることも忘れずに、ディアボロは草原地帯にたどり着いた。
いくらか気分が落ち着いたところで、ディアボロはようやく体の気持ち悪さに気づく。
汗だくで倒れていたために全身に砂が付着しており、髪まで砂だらけになっている。
ディアボロは背負っていた肩掛け型のデイバッグを漁ると、2Lのミネラルウォーターが入っているのを見つけ、惜しみなく使って頭と体の砂を流した。
その際、ディアボロは飛ばされた先で持ち物を持っていたのは初めてだということに気づいた。
果たしてこれは自分の持ち物なのか、他の誰かの持ち物なのか、確かめてみる必要がある。
ミネラルウォーターの時は手探りで漁っただけだが、中身を引っ張り出してみるとその軽さに反して実に色々なものが入っている。
水や食料だけでなく、ランタンやコンパスなどまるで山にでも入るのかと思うほどだ。
ディアボロは明らかに自分のものではないが丁度良い、とランタンに火を灯して手を翳す。
季節がわからないとはいえ、深夜の水浴びは流石に少し体が冷えた。
船中の出来事とこの島を完全に切り離して考えているディアボロは、自分以外の人間がこの場に居ること―――まして殺し合いをしていることなど、考えてもいなかった。
◆ ◆ ◆
体を乾かしながら、ディアボロは疑問を抱き始めた。
今までは目を覚ました瞬間にすぐに死が訪れていたが、今回は長く生き延びられているし、周囲に死を感じさせる物も今のところ見当たらない。
誂えたかのように準備のいい荷物を持っていたりと、今回だけやけに毛色が異なっている。
(まさか……ジョルノのゴールド・E・レクイエムの能力が消えたのか?)
ゴールド・E・レクイエムに果たして有効範囲やジョルノの死による効果の消滅があるかは分からないが、開放されてこの島に流れ着いたと考えれば辻褄が合う。
このバッグも漂流されている間に絡みついたのかもしれない、賞味期限など気にしている場合ではないが一応食料や水は口に入れないほうがいいだろう。
まずはどうにかしてローマに戻らなくては、とディアボロが腰をあげようとした時―――背後から低い男の声が聞こえた。
「この少年についてなにか知っていることはないか?」
ディアボロが背後からの声にビクッと驚きつつも振り返ると、そこには黒い革ジャンにサングラスの筋骨隆々な厳つい男が立っていた。
その手には名簿を持っていて、ある一点を指差してディアボロに近づいて来る。
レクイエムが消えたことは可能性として考えてはいるものの、勘違いで死んではたまらない、ディアボロは男に静止を呼びかけた。
「待て! それ以上近寄るんじゃあないッ! 聞きたいことがあるならその位置からにしろッ!」
「わかった。 俺は人を殺すつもりはない。
ただ、“ジョン・コナー”という少年についての情報が欲しいだけだ」
そう言って、男は名簿をランタンの光のもとへ投げ渡した。
そこには“参加者名簿”と書かれていて、名前の数々が羅列されている。
確かさっきの荷物にも入っていたな、とディアボロは思ったが、構わず男の投げた名簿を手に取る。
すべて日本語で書かれているが、何故かディアボロは理解することができた。
「……これはなんの名簿だ?」
「このバトルロイヤルとやらの参加者の名簿だ、ノストラダムスという奴が言っていただろう」
「……ノストラダムスだと?」
その時初めて、ディアボロの脳内で船とこの場所とが結びついた。
“殺し合い”というワードやピエロ達の死で、すっかり自分もあの場で死んだつもりだったが、どうやら眠らされていただけのようだ。
ならば、自分たちは『ノストラダムス』という新手のスタンド使いによって集められ、殺し合いを強要されている最中ということになる。
―――とすると、どうだろうか? あの船内から眠らされてここまで運ばれたなら、今までの傾向からいって2~3回は死んでいなければおかしい。
しかしディアボロはこうしてここにいるし、すぐに死にそうもない。
「ああ、奴はそう名乗っていた。 覚えていないのか?」
「……いや、今、思い出した」
「そうか、なら知っていることがあれば教えてくれ」
「ちなみに聞いておくが、なぜそいつを探しているんだ?」
「大切な存在だ。 守らなければならない」
男の言葉を聞きながら、ディアボロは参加者名簿に目を落とす。
『日本語』の五十音に従って並んでいる名前には、確かに男の言っていた“ジョン・コナー”という名前が書かれている。
しかし、ディアボロはその名前よりも一つ上に書かれた文字に釘付けになった。
(―――――――ジョルノ・ジョバーナッ!!!)
なぜコイツの名前がここにあるのか?
認めたくはないが、ディアボロはゴールド・E・レクイエムの能力はかなり強力だと身を持って知っている。
奴の能力に囚われてからは情報を得る機会など無く、その後の動向を知ることはできなかったが、あれから弱くなったということは考えられない。
それならば、『ノストラダムス』という奴はジョルノのゴールド・E・レクイエムを超えるスタンドを持っている事になるのだろうか。
もしかすると本当にゴールド・E・レクイエムの能力が消え去っているのかも知れないが、同時にジョルノを上回るスタンド使いにディアボロはほんの少しばかり恐怖を抱いた。
名簿を見て動揺しているディアボロに、男は無表情のまま聞いてくる。
「――なにか思い出したか?」
「……いや、そいつについては何も知らん」
「そうか、邪魔をしたな」
そういうと、男はニッカリと笑う。
口角は上がっているが、目が笑っておらず不気味な笑みだ。
男は、言葉と笑顔をディアボロが受け取ったことを確認し、そのまま赤い塔の見える方向へ去っていこうとする。
その後ろ姿をみて、ディアボロに一つの考えを巡らせた。
「待て。 オレもおまえに聞きたいことがある」
「……なんだ」
「おまえも、スタンド使いか?」
「……電気スタンドのことなら俺は使わないが、ランタンが欲しいならやってもいいぞ」
「いや、必要ない……そうだな、最後におまえの名前を聞いておきたい」
ディアボロには、今の言葉がハッタリの類には思えなかった。
ジョルノ、自分とスタンド使いが集められているのだから、この男やジョン・コナーとやらもスタンド使いかと考えたが、この男は違ったようだ。
ディアボロは、ジョルノの能力が消えた可能性がある今、この男でキング・クリムゾンの能力を試してみようと考えた。
今はゴールド・E・レクイエムの能力によって、時間を消し去ったという「真実」にたどり着けなくなっている。
もし、キング・クリムゾンが使えたならば、完全に開放されたといえるだろう。
この男がスタンド使いなら、不用意にスタンド像(ビジョン)を晒すのは危険だったが、そうでないなら存分に試すことができる。
ディアボロは男が油断した隙を狙い、奇襲をかける算段を企てる。
「名前か……名簿に載っている名前で言うなら、T-800というのが俺の名前だ」
そう言いながら男が名簿に目を落とした瞬間―――
「『キング・クリムゾン』!!」
ディアボロはキング・クリムゾンを発動させた。
そのままの勢いで、キング・クリムゾンはT-800の顔面を殴り飛ばす。
妙に固く感じたが、久しぶり故に力が安定していないのだろうと当たりをつけた。
衝撃でT-800の体は5mほど吹き飛ぶ、普通の人間ならもう生きてはいないだろう。
だが、問題はここからである、ゴールド・E・レクイエムの能力の影響下であれば、ここから時間が逆行し何もなかったことになってしまうが――――
「時間が……逆行しないッ! フ、フハハハハハハハハハハッ!!
ついに……ついに打ち勝ったぞッ! ゴールド・E・レクイエムにッ!」
ディアボロの予想は当たり、キング・クリムゾンは時間を消し飛ばした。
消し去ったのはたったの5秒ほどではあるが、これによって完全にディアボロの不安材料は無くなったのだ。
ディアボロはこの時、真の復活を遂げたことを感じた。
「さて……T-800といったか、不思議な名だが……
おまえの名は覚えておくぞ。 このディアボロの復活の生け贄としてな」
そう言ってディアボロは、T-800の死体の元へ近づいていく。
ディアボロは自身のキング・クリムゾンに絶対的な自身を持っていた。
久しぶりとはいえ頭から上を吹き飛ばす程の威力で殴ったのだ、生きているはずもない。
―――そう、人間があの威力のパンチを食らって生きているはずがなかった。
しかし今、ディアボロの腕にT-800を殴った時の違和感が蘇る。
重く、硬い―――まるで金属を殴っているようで、結局頭は吹き飛ばずに奴は体ごと飛んでいった。
もしや……と、ディアボロは最悪のケースを考えている。
倒れているT-800の腕は、偶然なのか必然なのかデイバッグの中に入っている。
ディアボロは細心の注意を払い、エピタフで予知してからT-800に近づく。
なぜだかエピタフもキング・クリムゾン同様、5秒程度の未来しか見ることができない。
5秒後の未来では、奴は動いていない。 予知を見ながら、ディアボロは近づいていく。
T-800まで…………4m。
………3m。
……2m―――――!?
その時、5秒先の未来で確かに、T-800が起き上がりデイバッグから出したボウガンをディアボロに向けて放っていた。
「な、なにッ! やはりコイツ……生きていたのかッ! 『キング・クリムゾン』ッ!!」
迷わずディアボロは時を消し飛ばす。
放たれたボウガンの矢を軽く避け、ディアボロはT-800に接近する。
「フンッ! 死んだフリなどと浅い知恵を働かせたようだが、このキング・クリムゾンの前にはカスの様なものよッ!」
ディアボロはデイバッグの中から支給品の中にあったオレンジジュースを取り出し、T-800の顔面にぶち撒けた。
「これでおまえは再び時が刻み始めても目が曇って何も見えんッ!」
キング・クリムゾンの時間跳躍が解ける。
しかし、ディアボロはもう既にT-800の真横まで迫っていた。
「終わりだ、くらえッ!」
スタンド使いでない相手にキング・クリムゾンのパンチは避けられまい。
ディアボロは勝利を確信した、しかし―――――ガシィッ!!
T-800の左手は迫り来るキング・クリムゾンの拳を受け止めていた。
「バ、バカなッ!? おまえ、なぜキング・クリムゾンをッ!」
ディアボロは驚愕をあらわにする。
T-800は時を飛ばしたというのに素早く対応し、目潰しを物ともせずにスタンドを掴んでみせた。
スタンドが見えている事はあの発言がハッタリだったで済むことだが、生身でスタンドを掴むなどあり得ないことだ。
その時、T-800の頭部の最初に殴った部分が捲れ、中身の銀色が少し見えた。
(コイツ……まさかコイツ自身が自立型のスタンドッ!?)
ディアボロは実際に見たことは無いが、部下のうちのポルポという男が自立型のスタンドを持っているという話を聞いた覚えがあった。
だが、T-800の首には自分と同じような首輪が見える。 スタンド事態が参加者などというのはありえるのだろうか?
大方、コイツの言っていたジョン・コナーというやつがスタンドの主なのだろう。
コイツがスタンドというなら先ほどの名前にも納得がいくが、同時にT-1000という名前も思い出しフクザツな気分になる。
まさか同じ人間が2体スタンドを持っているのか? もしもT-800と似たようなスタンドなら見た目で判断できない分やっかいだ。
「貴様を敵だと判断した―――排除する」
――T-800は立ち上がり、そのままキング・クリムゾンの拳を万力の如き力で握り潰そうと試みる。
それと同時に、右手で器用にボウガンの矢を装填し、キング・クリムゾンへ向けて発射する。
今、キング・クリムゾンの右腕を拘束されているため、殴り飛ばす様な大きな動作ができない。
ディアボロは、キング・クリムゾンの左腕を射線上に出してガードする。
「―――ぐぅ! な、何ィッ!?」
ボウガンの矢は、キング・クリムゾンの腕に弾かれずに突き刺さった。
ディアボロは自分の目を疑った、ボウガンは支給品だということは確認したはずである。
ジョルノのようにスタンドで創りだしたものでも無く、本来ならキング・クリムゾンを傷つけることなどできるわけもない代物だ。
しかし、実際はキング・クリムゾンの左腕には矢が深々と突き刺さっており、自分の腕にも激痛が走っている。
(スタンドに物理攻撃が効いてるッ!!?)
T-800はディアボロではなく、キング・クリムゾンを優先的に狙っていた。
キング・クリムゾンの時間飛ばしを認識ミスだと判断していた為である。
おそらくディアボロの支給品のロボットか何かだと当たりをつけ、電磁波か何かで認識を狂わせているものだと考えている。
実際はピンポイントでT-800だけに効果がありそうな機能などありえないのだが、時間を消し飛ばすなどT-800からは考えられない超常能力だ。
確かに5秒ほどの間認識ができず、時間が飛んだかのような違和感を覚えたがメモリにはきちんと映像記録が残っている。
映像の中でT-800は直前のプログラムに則って動き、状況の変化を認識できていなかった。
それ故にT-800は認識阻害だと判断したのだ。
意識が戻った時、即座にセンサーが左側のディアボロを感知していなかったら、T-800はパンチに気づくことはできなかっただろう。
一々映像記録を確認して何が起こっていたのか確認していては、対応が追いつかない。
ならば、脅威はディアボロではなくキング・クリムゾンの方だという結論に至った。
「――ぬぐぅ!ぐ、ぐあああああああああああ」
T-800はそのままキング・クリムゾンの拳を潰し、右手のボウガンを捨ててキング・クリムゾンの右腕を叩き折った。
キング・クリムゾンが傷つくたびにうめき声を上げるディアボロ。
ディアボロの右腕は折れ曲がっており、手からも血が流れていた。
「このッ……タンカスがァッ! よくも、やってくれたなッ!!
このディアボロの腕をッ!――もう容赦せんぞッ!!
―――――『キング・クリムゾン』ッ!!! 」
キング・クリムゾンの能力が発動し、時は再びディアボロの支配下に入った。
もうディアボロに油断はない。
T-800の左腕を殴り、右手を開放させる。
「人間に化けるだけのカス能力がッ!
我がキング・クリムゾンを倒そうなどという幻想を見たことを後悔するがいいッ!」
キング・クリムゾンの左拳がT-800の腹に突き刺さる。
貫通した拳に、機械じみた配線のコードが大量に絡みついている。
「最もおまえには後悔する時間など与えんがなァッ!
おまえは自分が死んだことにすら気づかずに死んでいくのだッ!」
ディアボロは左腕を突き刺したまま、壊れた右拳で痛みに構わずT-800の顔面を殴り付ける。
T-800の顔の皮が剥がれ、ロボットのようなメタリックな内側が剥き出しになる。
「それがおまえの本来の姿かッ!
とどめだッ! そのまま死ねェーーーーーーーッ!!!」
最後にディアボロはT-800の心臓部に貫手のように左手を突き刺した。
―――そして、時は再び刻み始める。
「ハァーー……ハァー、ハァー……」
ディアボロは用心を重ねて距離をとったが、T-800はさすがに起きる気配はない。
怪しく赤い光を灯していた瞳にも、もう光は無くなっていた。
「復活の、祝杯にしては、高くついたが……
頂点に立つのは我がキング・クリムゾン……このディアボロだッ!」
首輪やデイバッグの回収も忘れて、ディアボロはその場を立ち去る。
このまま海沿いに南西の方角へ行けば、診療所があるはずだ。
一刻も早く治療し、体を休めなければならない。
「クソッ! 忌々しい自立型スタンドめ!
ジョルノを始末した後は、ジョン・コナーとT-1000とやらも必ずブチのめしてやるッ!」
ディアボロは憎悪を滾らせ、診療所への道を急ぐ。
―――――だが、ディアボロは気づいていなかった。
T-800がスタンドではなく、サイボーグであるということに。
T-800がスタンドであれば、死んだ瞬間には消えていなければおかしいということに。
ディアボロは知らなかった。
T-800は腹と心臓をブチ抜いただけでは死なないということを。
T-800が、かつて下半身が千切れた状態でサラ・コナーを追い詰めた存在であることを。
そして、今の攻防によってプログラムに異常をきたしたT-800がサラ・コナーを殺すために1984年にやってきた、あの化物に戻りかけている事を。
ディアボロは――――まだ、知らない。
【C-5 草原・1日目 深夜】
【ディアボロ@ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風】
[状態]:疲労(中)、右拳・右腕骨折、左腕に矢傷
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(ミネラルウォーター1本消費)、不明支給品0~2、オレンジジュース@鳥人戦隊ジェットマン
[思考]
基本行動方針:ジョルノ・ジョバーナ、ノストラダムスのような強いスタンド使いを倒し、真の帝王として絶頂であり続ける。
1:早く移動して腕を治療しなければ……ッ!
2:ジョルノ・ジョバーナを始末する。
3:ジョン・コナー、T-1000も始末する。
4:傷が癒えるまでは、他の参加者と手を組むのもアリか……?
[備考]
※キング・クリムゾンによる時間跳躍及びエピタフによる未来視は5秒程度に制限されています。
※このバトルロイヤルにいるものは全てスタンド使いだと思い込んでいます。
※ポルナレフのシルバー・チャリオッツ・レクイエムによって死亡したため、ドッピオにはなれません。
【T-800@ターミネーター2】
[状態]:一時機能停止、腹部・左胸部が大破、顔の皮が無い、プログラムに異常
[装備]:ボウガンの矢×4
[道具]:支給品一式、不明支給品0~2、ボウガン@ケイゾク
[思考]
基本行動方針:ジョン・コナーを守る→人類、ならびに指導者のジョン・コナーを排除する。
1:……………。
[備考]
※参戦時期は少なくともジョンとハイタッチの遊びをした後です。
※過度なダメージとジハンキジゲンのオレンジジュースによって深層に眠っていたプログラムが蘇ろうとしています。
※再び起動するまで時間がかかります。 起動前にチップを抜き差ししなければプログラムの目的が人類の殲滅に変わります。
※ボウガンはT-800の脇に転がっています。
【支給品説明】
【オレンジジュース@鳥人戦隊ジェットマン】
ジハンキジゲンのオレンジジュース。 飲むと心の奥底に隠れていた感情や性格が出てきてしまう。
人外にも有効。 通常はランダムに切り替わり、一定時間経つと解除される。
※T-800には内部へ浸透したことや頭部へのダメージによって効果が変化しています。
【ボウガン@ケイゾク】
真山徹のボウガン、矢は全部で6本支給。
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最終更新:2017年06月10日 19:29