「まいったなぁ……」

今泉慎太郎は巡査である。上司の古畑から最低の評価を下されてはいるが。
しかし今泉は確かにお人好しで頭は足りないものの、このバトルロイヤルという狂ったゲームを許しておける人間では決してなかった。
古畑と同様に、目の前で起こった惨劇に対して強い怒りを感じていた。彼はやはり警察官なのだ。

「とりあえずは古畑さんと合流しないと……」

名簿を見たところ、あの忌々しい小男の名前はなかった。
過去に古畑が逮捕した犯人の名前があるのは気になったが、それを除けば知り合いといえるのは古畑ぐらいしかいない。
確かに古畑は自律神経失調症の原因になるほど人使いが荒く、過去には殺害計画を立てたこともあったが、頼れる人物であるのは認めざるを得ない。

辺りを見回すと、少し離れた場所にある人影が目に入った。

「ちょ、ちょっとそこの君ぃ」

こちらを振り向いたのは小学校高学年ほどの白人の少女。
今泉は少女のもとに駆け寄る。

「…………」

「え、えっと、名前はなんていうのかな」

「……マチルダ。マチルダ・ランドー」

「ええとマチルダちゃん、マチルダちゃんはいくつなの?」

「……18歳よ」

「う、嘘をついちゃいけないよ。おじさんはこれでも警察官なんだからね」

「警察……」

「そうさ。安心すると良いよ! あのノストラダムスとかいう奴は必ず捕まえてあげるからね。おじさんには頼れる知り合いもいるんだから!」

それを聞いたマチルダは今泉の腕にしがみつく。

「……ごめんなさい。怖いの……。お願い、助けて……」

「も、もちろん」

「私のパパも巻き込まれているの……一緒に探してくれる……?」

「分かったよ。おじさんがパパと必ず会わせてあげるからね!」

「ありがとう……」

今泉は自分が古畑などよりも遥かに頼もしい存在であるように思えるのだった。

名簿を確認したところ、知っている名前は2人。最も信頼する人間と最も憎む人間。
マチルダにとってはここがどこなのか、そんなことは二の次であった。
ただ自らの目的を達成するために都合の良い舞台が用意されたという事実が大事であった。
しかし肉体的に弱い立ち位置にある自分は、殺し合いに乗っている参加者から狙われやすいと考える。
レオンと合流できればよいのだが……。
この男は警察官だという。見るからに頼りなさそうではあるが、何もないよりはましだろう。
警察は善良な市民を守るのが職務である。……例外を知ってはいるが。
しかしこの男に知り合いがいるのならば、その人物も警察の人間である可能性は高い。
そうなると少々厄介なことになる。警察の人間はスタンスフィールドでもない限り、自分の復讐を止めようとするだろう。
また、殺し屋であるレオンに対してもどのような反応を示すか分からない。
この男1人ならなんとかなるかもしれないが、流石に2人ともなるとそうはいかない。
そう考えると、当面の方針としてこの男が知り合いと合流する前になんとかレオンと合流する必要がある。
それが難しいようであれば、都合の良いところでこの男を切り捨てる。
やはり単身スタンスフィールドに立ち向かうことになるかもしれない。
幸いなことに、この場に奴の仲間はいない。
そして麻薬取締局の捜査官という立場もこの場では役にたたない。
言ってしまえば奴は自分と同じ位置で対峙しているのだ。

この好機を逃すわけにはいかない。

【D-6/1日目 深夜】

【今泉慎太郎@古畑任三郎】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、 不明支給品1~3
[思考]
基本行動方針:事件解決
1:古畑との合流
2:マチルダの保護
[備考]
※参戦時期は、少なくとも「VS SMAP」より後。


【マチルダ・ランドー@レオン】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品1~3
[思考]
基本行動方針:スタンスフィールドの殺害
1:可能ならばレオンと合流したい。
2:この男は最大限利用する。用済みになる、もしくは目的の遂行に邪魔だと判断すれば切り捨てる。
[備考]
※参戦時期は、レオンに置き手紙を残してスタンスフィールドの元へ向かった直後。



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最終更新:2015年11月13日 07:23