人口四万人程度の、海に面した小さな市。
電車で7駅先に栄えた県庁所在地がある。
市の奥には秘境とされる山々があり、古事記の昔から伝わる伝統ある神社が多数ある(ただしどの神社も経営は苦しいようだ……)。
交通の便がいいため県庁所在地のベッドタウンとして発達しているものの、最近は徐々に人口が減ってきている。中心部には古びたデパートや商店街などあるが、今一つパッとしない。
市を東西に分ける大きな川があり、その川が山へとつながっている。
「うみうま橋」と呼ばれる橋が公園化されており、比較的開けたスポットとなっているほか、
「海馬岬」は一応恋人たちのデートスポットして紹介されているものの、その寂しい景色から自殺の名所にもなっている。
異彩を放つのは、商店街の一角にある古本屋。いったい誰が買うのかと言うような風貌だが、怪しい人間が出入りしていると有名だ。
「海馬ふれあい漁港」もあるが、近年漁獲高が減っており、バブルの時に建てられた「巨大冷凍コンテナ群」や「倉庫」は使われないまま放置されている。
ときおりよからぬ者たちが倉庫で悪事をしているらしいが……
海辺は観光地化はされているが海水浴に向かない地形(砂浜があまりない)のためあまり栄えていない。それでも、夏になると海馬市の人々が遊びに来て、それなりに賑わう。
教育には力の入っている市で、私立高校も比較的多く建てられており、大学までそろっている。だが、大学は山の中腹にあるさびれたところにあり、学生らの評判が悪く募集人員を割っているため、最新鋭の建物群がゴーストタウンのようにひっそりとたたずんでいる。
数年前、山間部を中心に大規模な地震が起きたが、幸い市街地には一切被害はなく、神社仏閣の一部が崩壊しただけで済んだ。だが、その日を境に、海馬市では凶悪な犯罪が少しづつ増えていた……。
海馬市では知らず知らずのうちに「悪魔」が人間になり替わりつつあったのだ。
現在、1パーセントの人間が、悪魔になり替わっているという
最終更新:2015年12月24日 18:45