Webサービスmailchuck.com

mailchuckとは

 mailchuck.comはBitMessageに関連するWebサービスの1つです。このサービスは通常のメールと混在した使い方を可能にするサービスです。本来BitMessageでのメッセージの送受信はBitMessageクライアント間あるいはそのゲートウェイサービス間のみでしか使用することはできないため、BitMessageアドレスを使用して通常のメールアドレスを宛先とするメッセージを送ることはできません。また、逆に通常のメールアドレスを使用してBitMessageのアドレスを宛先とするメッセージを送ることもできません。mailchuck.comを使用することでBitMessageアドレスから通常のメールアドレスへ、あるいは通常のメールアドレスからBitMessageのアドレスにメッセージを送信することが可能になります。
 よりわかりやすい例では、このサービスを使うことであなたのBitMessageのアドレスをexample@mailchuck.comのようなメールアドレスに設定することができます。そうすることでBitMessageの使い方やアドレスを知らない人でもexample@mailchuck.comにメールを送信することであなたはメッセージを受け取ることができます。また、逆にexample@mailchuck.comから誰かに普通のメールとして送信することもできるようになります。そのメールアドレスは生成したBitMessageのアドレスのエイリアスに過ぎないので、BitMessage以外に情報が紐付けされることはなく、プライバシーは保たれます。
 2016年2月28日時点で、エイリアスを通して通常のメールを受信するのは無料ですが、エイリアスを通して送信する場合は有料で、一ヶ月あたり1米ドルかかります。

mailchuckの使用方法

登録

BitMessageアドレスを事前に生成しておく必要があります。何らかのサービスまたはBitMessageクライアントを使ってアドレスを生成しておきましょう。今回は説明のためにそのアドレスをBM-EXAMPLEとします。
何らかのサービスまたはBitMessageクライアントを使って次のようにメッセージを送信するだけで登録できます。もしもBM-EXAMPLEというBitMessageアドレスとexample@mailchuck.comを紐付けたい場合は、
送信元(From):BM-EXAMPLE
宛先(To):BM-2cVYYrhaY5Gbi3KqrX9Eae2NRNrkfrhCSA
題名(Subject):example@mailchuck.com
本文(Body):<何も書かない>
というメッセージを送るだけです。送信後しばらく待つと登録完了を知らせる旨のメッセージがBM-EXAMPLEに届きます。具体的には

Unregistering Your Account ***

To unregister, simply send a message from this address to
BM-2cVMAHTRjZHCTP*******.

mailchuck.com Addresses to Trust (Add to Address Book) ***

Registration Address: BM-2cVYYrhaY5Gbi3KqrX9Eae2NRNrkfrhCSA
Deregistration Address: BM-2cVMAHTRjZHCTP*******
Relay Address: BM-2cWim8aZwUNqxz*******

といったメッセージが記されています。(例示のため一部アスタリスクで伏せています)

登録解除

もし登録を解除したい場合は登録時に受け取ったメッセージに記されているDeregistration Addressに登録時に使用したBitMessageアドレスからメッセージを送信するだけで完了です。今回の場合、BM-EXAMPLEからBM-2cVMAHTRjZHCTP*******にメッセージを送信するだけで登録が解除されます。

リレーアドレス

受信

誰かがexample@mailchuck.comにメッセージを送信した場合、BM-EXAMPLEに対してリレーアドレスBM-2cWim8aZwUNqxz*******を送信元としたメッセージが届きます。たとえば送信元がhoge@hoge.comからであれば、題名(Subject)にmailchuckを通してメールアドレス"hoge@hoge.com"からのメッセージを受け取った旨が記されます。本文中(Body)には送信者が書いた本文がそのまま記されます。

送信

たとえばhoge@hoge.comexample@mailchuck.comを送信元にしたメッセージを送信したい場合、次のようにBitMessageアドレスを作成して送信するだけです。
送信元(From):<登録時に紐付けたBitMessageアドレス>
送信先(To):<登録時に発行されたリレーアドレス(今回の場合はBM-2cWim8aZwUNqxz*******)>
題名(Subject):hoge@hoge.com
本文(Body):<書きたい内容を記す>

hoge@hoge.comにはexample@mailchuck.comからメールが送られたように見え、受信者はメッセージを読むことができます。送信者側は決済が必要であり、一度通常のメールアドレス宛に送信すると請求書が送られてきます。決済しなければ通常のメールアドレスの受信者にメッセージを送ることはできません。

特徴

利点

  • 通常のメールアドレスとしてBitMessageを使用しない人に対しても受信可能(無料)
  • 通常のメールアドレスとしてBitMessageを使用しない人に対しても送信可能(有料)
  • サービス利用時にBitMessageクライアントやWebサービス(bitmsg.meなど)をそのまま使用可能
  • mailchuck.comに対する決済方法はBitCoinに限定されているため、BitCoinアドレスと個人情報が結びつけるような使い方をしていなければ支払者が誰であるかはわかりません。

欠点

  • エイリアスによるメッセージの1対1のゲートウェイを利用するためChanの送受信には不適
-エイリアスによるため受信者からはどうしてもmailchuck.comから送信したことが分かり、何らかの理由でmailchuck.comが捜査された場合決済者の情報が差し押さえされる恐れがある2016年3月7日削除

補足

example@mailchuck.comの送信者は運営者であるmailchuck.comからみても匿名です。従って、送信者がスパムメール送信用途に用いた場合、送信者が誰であるかを特定できません。これは善良なユーザーにとってはプライバシー保護に役立つものですが、悪意あるユーザーにとっては足がつかないスパムメール送信の温床になります。ドメイン名がmailchuck.comから送信されるメールについて受信者側はホワイトリスト方式で受信を期待するユーザーからのみ受け取るよう設定することが望ましいと思われます。
最終更新:2016年03月07日 20:52