映画 『処刑人』 The Boondock Saints @ wiki

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『処刑人』劇中にでてくる用語など

All Saints' Day


  • 映画『処刑人』 The Boondock Saints の続編として計画されている作品のワーキング・タイトル。
  • 本来は、キリスト教で全ての聖人を記念し祈りを捧げる日である『万聖節』 (または、『諸聖人の日』) を意味し、その日はカトリック教会では11月1日と定められている。
    一年のうちある特定の日を諸聖人の日として祝う習慣は、遅くとも4世紀に遡る。西方教会では、ローマ教皇グレゴリウス3世 (731 ~ 741 年) が、聖ペテロ大聖堂の中にすべての聖人および殉教者に捧げる礼拝堂を建立し、続いてゴレゴリウス4世が835年にその記念日を11月1日と定めて以降、この日が公式に "All Saints' Day" となった。
  • なお、 "All Saints' Day" のことを英語圏では "All Hallows' Day" とも呼ぶ ("hallow" という単語は単独用法では現代英語で廃れてしまったが、『聖人、聖遺骸、聖遺物』を意味していた … "holy" と同語源)。
  • この前日の10月31日は、"Halloween" 『ハロウィン』であるが、これはスコットランド英語方言の "All Hallow Even" という語が縮約されたもので、"All Saints' Eve" 『諸聖人の日の前夜』という意味。元々、10月31日は、ブリテン諸島の古代ケルト民族にとって一年の最後に当たる日で、豊穣の女神 Eiseria に捧げる収穫祭の日であった。アイルランド移民、スコットランド移民により、アメリカにもこの風習がもたらされ、同地では法定祝日ではないものの、20世紀になって以降、最も重要なお祭りのひとつとなっている。
    ちなみに、ハロウィンに使うランタンは、元々はカブであったが、アメリカではより加工しやすいカボチャに変わった。
  • 英語圏では、10月31日の "Halloween"、11月1日の "All Saints' Day"、そして翌11月2日の "All Souls' Day" 『死者の日』の3日間を特に "Hallowmas" ("mas" は『ミサ』の意) と呼んでいる。



St. Patty's Day, Everyone is Irish Tonight!


  • 劇中で初日の設定となっていた St. Patty's Day とは、世界中のアイリッシュの人々にとっては最大のお祭り『聖パトリックの日 (St. Patrick's Day) 』の主にアメリカでの愛称。St. Paddy's Day とも。
    • アイルランドの守護聖人のひとり『聖パトリック (St. Patrick) 』(ラテン語読みだと『聖パトリキウス Sanctus Patricius 』)の命日と伝えられる3月17日に当たる。アイルランドでは1903年から国民の祝日。
  • アイルランド本国以外でも、アイリッシュ人口の多いイギリス、北米、オーストラリア、ニュージーランドの一部の都市では、アイルランドのナショナル・カラーの緑色の衣装を身につけ、アイルランドのシンボルであるシャムロックの葉を飾り、緑色に着色したビールを飲んだり、アイリッシュ料理を食べたり、緑尽くしの盛大なパレードを行う。
    • ドクのバーのカウンター上部にはシャムロックの葉が飾られている。
    • マーフィーがドクのバーでイワン・チェコフに言った "Everyone is Irish (today/tonight)" がアメリカではその日の合言葉。
    • 聖パトリックの日を祝う世界初のパレードは、1737年3月17日、独立前のアメリカのボストンで同日に設立された "Charitable Irish Society" (北米初のアイリッシュ互助会ではあるが、北アイルランド出身のプロテスタント系アイルランド商人により設立され、当初はプロテスタント教徒にしか会員資格が認められないと規約に明示されていた;もっとも、カトリック系アイルランド人が大量に移民して来るのは100年以上後のことではあるが) の主催により行われた。ニューヨークでは、1762年にイギリス軍のアイルランド系兵士により行われたのが最初で、同市のパレードは現在では世界最大規模になっている。本国アイルランドでは1931年にダブリンで行われたのが最初。日本ではアイリッシュ・ネットワーク・ジャパン等の主催により1992年より東京をはじめ全国数都市で友好親善活動の一環として行われている。
  • St. Patty's DaySt. Paddy's Day というアメリカ風の愛称は、本国アイルランドでは滅多に使われることはなく、あくまで St. Patrick's Day と呼ばれるのが普通。
    • 特に Paddy は、本来、男子名 Patrick の縮小形ではあるが (Patty の方は、通常は女子名 Patricia の縮小形)、イギリス英語ではアイルランド植民地時代からアイルランド人を指す蔑称にもなったため、上記のような愛称を快く思わない人もいる。
    • なお、アメリカ英語では囚人護送車を意味する 『paddy wagon (アイルランド人の荷馬車)』 というスラングがあるが、語源には、(1) アメリカではアイリッシュの警官が多かったため、(2) 収監されるアイリッシュが多かったため、と正反対の説がある。



VERITAS & AEQUITAS


……マクマナス兄弟の手の甲に彫られたタトゥーのラテン語の文字 "VERITAS (真実)" と "AEQUITAS (公平)"。これらが対となって登場する原典は以下3つ。
  • 旧約聖書・詩篇 PSALM 96:13 より
    • [ラテン語]
      a facie Domini quia venit quoniam venit iudicare terram iudicabit orbem terrae in aequitate et populos in veritate sua
    • [英語]
      D-R: before the face of the Lord, because he cometh: because he cometh to judge the earth. He shall judge the world with justice, and the people with his truth.
      KJV: Before the LORD: for he cometh, for he cometh to judge the earth: he shall judge the world with righteousness, and the people with his truth.
      NIV: they will sing before the LORD, for he comes, he comes to judge the earth. He will judge the world in righteousness and the peoples in his truth.
    • [日本語]
      文語訳 : ヱホバ来たりたまふ地をさばかんとて来たりたまふ をもて世界をさばきその真実(まこと)をもてもろもろの民をさばきたまはん
      口語訳 : 主は来られる、地をさばくために来られる。主はをもって世界をさばき、まことをもってもろもろの民をさばかれる。
      新共同訳: 確かに、主は来られる。確かに、地をさばくために来られる。主、をもって世界をさばき、その真実をもって国々の民をさばかれる。

  • 旧約聖書・詩篇 PSALM 111:8 より
    • [ラテン語]
      nun fidelia omnia praecepta eius samech firmata in sempiternum iugiter ain
      facta in veritate et aequitate
    • [英語]
      D-R: All his commandments are faithful: confirmed for ever and ever,
      made in truth and equity.
      KJV: They stand fast for ever and ever, and are done in truth and
      uprightness.
      NIV: They are steadfast for ever and ever, done in faithfulness and
      uprightness.
    • [日本語]
      文語訳 : これらは世々かぎりなく堅くたち真実(まこと)と正直(なほき)とにてなれり
      口語訳 : これらは世々かぎりなく堅く立ち、真実正直とをもってなされた。
      新共同訳: 世々限りなく堅固に/まことをもって、まっすぐに行われる。

  • 旧約聖書・イザヤ書 ISAIAH 59:14 より
    • [ラテン語]
      et conversum est retrorsum iudicium et iustitia longe stetit
      quia corruit in platea veritas et aequitas non potuit ingredi
    • [英語]
      D-R: And judgment is turned away backward, and justice hath stood far off:
      because truth hath fallen down in the street, and equity could not come in.
      KJV: And judgment is turned away backward, and justice standeth afar off:
      for truth is fallen in the street, and equity cannot enter.
      NIV: So justice is driven back, and righteousness stands at a distance;
      truth has stumbled in the streets, honesty cannot enter.
    • [日本語]
      文語訳 : 公平はうしろに退けられ正義ははるかに立(たて)り そは真実(まこと)は衢間(ちまた)にたふれ正直(なほき)はいることを得ざればなり
      口語訳 : 公平はうしろに退けられ、正義ははるかに立つ。それは、真実は広場に倒れ、正直は、はいることができないからである。
      新共同訳: こうして、正義は退き、恵みの業は遠くに立つ。まことは広場でよろめき/正しいことは通ることもできない。

[出典聖書]
ラテン語: Vulgata … カトリック公式ラテン語訳聖書 … 底本はギリシャ語訳聖書
英語: D-R (The Douay-Rheims Bible) … 底本は Vulgata / KJV (King
James Version) / NIV (New International Version) … 旧約部分の底本はヘブライ語正典
日本語: 文語/口語/新共同訳 … 旧約部分の底辺はヘブライ語正典
※ それぞれで "aequitas" の解釈が微妙に異なる。
※ 上記ラテン語文中の "veritate" と "aequitate" は、それぞれ "veritas" と "aequitas" が『~の中で』を意味する前置詞 in を伴った時の変化形 (奪格形)。

トロイがどの原典からこの二つのキーワードを導き出したかは明らかにされていませんが、『最後の審判』を描いた旧約聖書・詩篇 96:13 から引用したのではないかと推測されます。


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