暁は、さらしを自らの手で外すと、恥ずかしそうに俺に向き直った。
その瞬間、瞳に移ったのは、視界を埋めんばかりに広がる巨大な胸、胸、胸。
「うお……!?」
思わずうめきのような声をあげてしまった俺に、暁は傷ついた顔をした。
「や、やっぱり、変……だよね……。こんなに胸が大きな娘なんて、いないもんね……」
一瞬前まで恥じらいの中にも強い輝きを放っていた暁の目が、寂しげに伏せられる。
「かっこ悪いし……肩だってこるし……いい事なんて何も無いよ……こんな胸……」
気のせいか、目の端には違う光が見える。
……いや、気のせいじゃない。
「んなことねーよ」
俺は意識して普段のような声を出した。
「だって……」
「俺が無いって言ったら無いの!」
言いながら、俺は暁の零れ落ちそうになっていた涙をぬぐってやった。
「……嘘」
嘘なんかついちゃいない。確かに、大きさは爆乳ってな感じのレベルだが、
それでいて形は整ってるし、張りだってある。この大きさで垂れもしていない。
「……普段、暁はこれを隠して、俺たちと野球してたのか」
「……うん」
どうやってこんなのがさらしで収まってたのかは疑問だったが、んな事をわざわざ聞いても仕方がない。
俺は違う事を聞いた。
「……なあ……他の奴に見せた事、ある?」
「他の、奴?」
「俺以外の男に」
「……ない、よ」
「親父さんとかには?」
「………………胸が大きくなりだしてからは、ない」
という事は、この胸を知っているのは、俺だけって事か。
……なんか、妙な嬉しさが沸いてくるな。
「……暁、聞いてくれ」
「……なに?」
「俺は巨乳萌えなんだ」
「巨乳、萌え?」
萌え、という言葉がボキャブラリーにないらしい暁は、首を傾げた。
俺は、その、少しだけ頬を赤く染めた、けど不安気な顔を見ながら、言った。
「でっかいおっぱいが大好き、ってことだ」
「…………え」
「だから――」
俺は一旦言葉を切り、息を吸う。世界を漂う勇気の欠片が、赤血球に運ばれ、酸素と一緒に俺の体を満たす。
「――お前のおっぱい、俺だけのものにして、いいか?」
それは、少し風変わりな、愛の告白だった。



「そ、それって……」
頬どころか、全身をゆであがった蛸のように真っ赤にしながら、暁は俺を上目遣いで見た。
恥ずかしげに隠した手の隙間からこぼれる爆乳は、さながら蛸の子のようで……ってどんな例えだ、俺?
「……そうだよ」
暁が何を聞きたいのかは、わかった。
――それって、愛の告白ですか?
だから、俺は頷いて見せた。
――そうですよ。俺はお前が大好きなんです。
「ホント?」
「ほんと」
「ホントのホント?」
「ほんとのほんと」
笑顔が咲いた。
『輝くような笑顔』というのは、こういう笑顔の事を言うのだろう。
暁はおずおずと胸を隠していた手を下ろし、後ろ手に組んだ。
「……じゃあ、君のものに、して?」
意識してるのかいないのか。胸を殊更強調するようなポーズ。
唾を飲み込む音が、他人事のように大きく響く。
その音をスターターピストルにして、俺の理性は消し飛んだ。
「んっ」
むしゃぶりついた。文字通りに。
「んやっ……は、恥ずかしいよ……」
朱色に染まった乳房を揉み上げるようにしながら、少しずつ桜色の頂点へと手を近づけていく。
鞠のような弾力と、マシュマロのような柔らかさが同居するそれは、一つの奇跡だった。
……と言っても、他に女子の胸を触った事があるわけじゃないが、少なくともエロいビデオの中で
見たようなそれとは、桁が違う程に凄い胸である事は、見るだけでわかる。
「くすぐったいよ……」
「それが段々気持ちよくなるんだぜ?」
「……ホントかなぁ……きゃっ」
桜色の乳首を右手の指で摘むと、暁の体が小さく跳ねた。
「んっ……やっ!」
優しく、優しく、指の腹で転がしてやる。その間も、左手は乳房をこね回す。
面白いように形が変わるそれの感触を楽しみながら、俺は感じたままを言葉にした。
「段々固くなってきてる」
「……言わないでよ……」
「お餅みたいだ。だんだん膨らんで……」
「言わないでって言ってるの……にっ……!」
少しずつ、暁の体は快感の味を覚え始めたようだ。
俺は固くしこった乳首を、今度は口に含んだ。
「ん……っぁ!」
そのまま、舌の上で味わうように転がす。少し、しょっぱい味がした。
「あっ……なんかっ……へ、へんだよ……!」
「……こんだけでかいのに、敏感なんだな、胸」
小さい方が感度がいい、って俗説はよく聞くが、暁のそれは大きさに似合わず敏感だった。
「私の胸……あっ……いい、のっ?」
両の乳首を弄り、乳房を揉みしだく。
「ああ、凄くいいよ」
胸の動きに同調するように、体をくねらせ始める暁。
「変じゃ……ない、んっ……の……?」
「……凄く綺麗で、柔らかくて、揉み心地がよくて……」
「んぁ……っ!」
「……最高だ」
乳房を挟み込むようにして寄せる。
乳首と乳首を重ね合わせ、そこに舌を這わせる。
「……嬉し、いっ……あっ!」
うっとりとした表情で目を閉じ、快感を貪ろうとしている暁の顔は、どんな打球も体で止める、
ガッツ溢れる三塁手のものとは思えない程に、綺麗で、そして淫らだった。
「……暁」
「ん?」
「えっと、だな……俺の、これ……何とかしてくれないか?」

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最終更新:2007年10月07日 23:49