「揉め」
奴は何をトチ狂ったのか、年頃の女の子らしからぬ要求をした
「肩でもこったか」
取り敢えず、スルーしてみるが
「胸に決まってるだろ」
ダイレクトに言い返す
先日、思い出すのもこっばずかしいやり取りの末、返品不可の貰い物をしてしまった
まあ、ずっと欲していたものではあるし、嬉しかったことも認めよう
しかし、それは扱いが非常に難しく、かつ危険なものでもあった
親友と呼んでたソレが、呼称を恋人と変更するにあたって、ますます扱いに困ることをしでかすように…
「大きいのが好きなんだろ、ホラッ」
「出すな!」

「何だよ、もうお前のものなんだからな
ちゃんと管理しろよ」
「恥じらいを知れといってるんだ、タワケが」
「だって…」
奴は急にしょんぼりとうなだれた
まるで、雨にうたれた仔犬のように…
エライ罪悪感が、俺を襲った
「なんでそんなことを」
ヘタレた俺は、トーンを落として、なるべく優しく問いただした
「…」
ヤバイ
完全にむくれている
しかたない
俺は、奴が爆発しないように注意しながら、ゆっくりと抱きしめた
「…さわんなよ」
奴はぶすっくれたまま言い放ったが、抵抗せずに腕の中にいた
「あのな…」
俺は本音を吐く
「正直、見たいし触りたい」
顔を見られないよう、しっかり抱きしめながら話しだした
「だけどな、それで止められる自信がねえんだよ
情けないことに」
自分を騙して、興味がない振りでもしてなけりゃ、何をしでかすか分からない
「だからな、あんまり挑発しないでくれ
お前を傷付けたくない」
「………」
俺のかなりみっともない発言を聞いて呆れたのか、奴は腕の中からスルリと抜け出した
んでもって、スルリとシャツを脱いだ
「なっ、なにやって…」
「動くな!」
慌てて止めようとした俺を、殺気の篭った一声で制する
完全に気合い負けした俺は、奴を止められなくなった
シャツの次は、カットジーンズ、後はシンプルなパンツのみ
俺の目の前で、奴はあっさりと素肌を晒した
「………」
『なに考えているんだ!バカヤロウ』
いつもの俺なら、そう言ってるはずだった
『男と変わりない身体晒してんな!ドアホウ』
機嫌が悪ければ、そのぐらい言ったかもしれない
実際、奴の身体は女らしさなんてかけらもない
顔も手足も真っ黒に日焼けしている
服に隠された地肌は透き通るような白さだ
ブラを全く必要としない胸
ほんの少しだけど、膨らみつつある美しい…
ガリガリで肋骨まで浮いている
しなやかに引き締まった身体
毛も生えていないガキの股間
慎ましい割れ目に、ほんの少しだけ光る露が…
『さっさと服着て出てけ!クソガキ』
背を向け怒鳴りつける
それが俺のとるべき行動の筈だ
なんで奴の前にひざまづいているんだ
いつから、この小さな乳首に貧りついている
片手でたいらに近い胸をまさぐりだしたのは
もう一方の手を、薄い尻に伸ばし揉みしだき始めたのは…
「アッ、ヒアッ」
俺が動く度に、奴の泣き声が聞こえた
穏健派の俺を、超武闘派に切り替える合図だったはずだ
それが今は…
乳首から口を離せないまま、顔だけ上げて奴を見る
泣いている
泣かしてしまっている
反射的にパニックに陥りかけたが
「かわいい…」
何故か、絶対に奴に言ってはならない禁句を口にしてしまった
『可愛いは侮辱だ』
常々奴は主張していた
実際、可愛いらしいから仕方ないのだが、しょちゅう言われ、その度にむくれていた
泣かしてしまったうえ、可愛いなど口走った俺は、どんな制裁を受けるか…
思わず硬直した俺の頭を奴が抑えた
チュッ
思いがけず柔らかい感触が唇に触れる
「…アリガト」
「………」
真っ赤になってテレる奴が…
キレた
完全にキレた
さっきまでのように、体が勝手にではない
自分の意志で奴を貧る
悲鳴も涙も構わない
寧ろ興奮の材料として奴に挑みかかった
そのまま固い床に押し倒し、唇を奪う
舌でたっぷり口を犯した後、首筋を通り胸へ
望みどうりたっぷり揉みしだく
俺のものだ
所有権を主張するように、いくつものキスマークや歯型を残した
足りない
まだ足りない
喘ぎ続けて、細い身体からぐったりと力が抜けている奴を、抱き抱える
ベッドに下ろし両手で細い足首を掴む
グイッ
肩に担ぐように、思い切り開いた
「ヤッ、ヤダッ」
一切無視する
と、言うか耳に入らない
奴の女の子である所に魂を奪われる
足を大きく拡げてもピッタリ閉じた割れ目
まだ生えていないのも相俟って、シンプル窮まりないソコに何故こんなに惹かれるのか
事実、昔一緒に風呂に入っていた頃と、たいした違いはない筈だ
こんなに濡れている以外は
染みでた露の香が俺を誘った
奥まで味わう為に、指で拡げる
シンプルな割れ目の中に、複雑なひだが現れた
肌の白さと対称的な赤み
ほんの小さな窪みに吸い込まれる
「ヒャウッ」
舌を突っ込むと奴の悲鳴を産んだ
最高のBGMだ
楽器を奏でるかのように、舌と指で責め立てる
ひだに舌を這わせ、指を膣穴に押し込む
上の小さな突起に軽く歯を当てる
膣のさらに下の可愛いすぼまりにまで、舌を這わせた
すべての感覚で奴を味わい尽くしてなお、物足りななにかを感じる
奴を得る
唯一無二のこの存在に、俺のものである証を刻みこむのだ
俺はギンギンに立ち上がった肉棒を奴のアソコに当てた
「俺のものだ」
奴に宣言する
「大事にしろよな」
少しだけ怯えが見えるが、奴はいつもの減らず口を叩く
たまらず一気に貫いた
「ッ!」
俺は、烙印を捺した満足感に浸った
『やった』
『やっちまった』
体の下に組み敷いた、小柄な肢体
いつも男の子みたいな格好で跳び回っていた
小生意気で短気で負けず嫌いで…
寂しがり屋で泣き虫で嫉妬深い…
優しくて勇敢で可愛いくて可愛くてしかたがないコイツに、俺は自ら傷をつけちまった
満足感と後悔の入り交じった心とは裏腹に、身体は快楽を求め動き続けた
苦痛に耐える奴を見ても、押さえる事が出来ない
熱く締め付ける奴の中で、俺はあっという間に果ててしまった
 
………
息も絶え絶えな奴の上からそっとどいた
奴はゴロンと体を丸め、俺に背を向けた
『嫌われちまったか』
当たり前だよな
偉そうなこと吐かして『好き』とも言えなかったヘタレが、ちょっと誘った途端、初めての子に気遣いもせず…
自己嫌悪に浸っているヒマはない
せめて俺の気持ちを伝えねば
「…なあ」
奴の短く苅られた頭に触れる
ビクッ
一瞬身を竦めるが、逃れようとはしなかった
「ゴメンな、優しく出来なくて」
少しでも癒しになれと、髪を撫でなから謝る
「俺が嫌になったなら、もうこんな事しないから」
ガバッ
奴は跳び起きるやいなや、猛烈な張り手を放つ
まともに喰らって倒れた俺に、馬乗りになった
目が据わっている
次の行動を間違えたら命の保証はない
そんな目だった
「分かった、嘘だ」
素直に認める
この期に及んでまだ見栄を張っていた
「次は優しくする
少なくとも努力する」
今更、別れられるわけがない
コイツが俺のことを好きなうちは、俺から離れる権利など認められないのだ
ようやく人の目に戻った奴にもう一仕事
頭に手をかけ引き寄せる
長いキスの後、開いた目は、女の子のものに戻っていた


おわり

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2007年10月07日 23:50