「いつもの事だけどさ、レズっぽい構図だよね」
またか……と思いつつも、いつも通り律儀に答える俺。
「うっさい。俺だって好きでこんな顔と体格してる訳じゃない……って!」
「あんっ! …いきなり強くしないでよ、もう……」
ついでにその一回だけ(お返しとして)強く突き込む。
こんなやり取りが起こる理由だが、それは俺の見た目がまるで女の子という事が原因だったりする。ナニをしているかは会話から察して頂きたい。
「でも本当に綺麗な身体してるよねぇ真。女の僕から見ても羨ましいよ」
「褒め言葉にならん」
高2になっても線は細く、しかも女顔。その上名前も両性的。性格はバッチリ男なんだが……。
こんな俺でも彼女はいる。現在目の前に、と言うか、下に。
「身体だけじゃないよ。全面的に『可愛い』んだもん、顔も含めてね」
と弥生。ここまでならまだ良かったのだが、
「真に『カッコイイ』って形容詞だけは絶対に合わない。断言してもいい!」
なにこのバッサリ感。『空前絶後の』とか『愛と哀しみの』とか『ズバババ』なんて比じゃないぞ。どうでもいいが俺はこのゲーム大好きだ。
真面目に涙出てきたぞ畜生め。
弥生はと言うとニヤニヤしている。普段は本当に優しい性格をしているのだが、たまに『こうゆう』事をヤッてる最中にバッサリと俺を斬りにくる。
その切れ味たるや紅き武者の左文字や黒き破壊神(極限)の血に染まる山の河なんてもんじゃないぞ。………俺的には。
真性のサディストなのよこの娘は! こうゆう時限定、俺限定で。
「ふ、ふふふ、ふふふふふふふ………」
「あら、真?」
俺の中でギアが切り替わったよ。ニュートラルからドSに。
「仕返し………開始だぁぁぁ!!!」
「えっ、あっ、ちょっ、まこっ、やめっ……」
一応言っておくが愛はあるぞ。念のため。
ここからは俺的に筆舌尽くし難いため、弥生の台詞(ダイジェスト)でお送りいたします。
「あんっ、ちょっ真、激しっ、ひぁっ」
「この体勢キツい、ってばっ、あんっ!」
「ま…ことぉ……キスし、ん………」
「お願い……きてっ! 一緒にぃ!」
「もうダメ! イッちゃう、僕イッちゃ……あああぁぁぁぁ!」
事が終わって、
只今弥生はベッドに突っ伏したまま「はふぅ…はふぅ…」と肩で呼吸している。……俺も似たような状態だが。
先に口を開いたのは弥生だった。
「……さっきはごめんね……ちょっと調子に乗っちゃって……言い過ぎた……」
「いや……俺こそ…ごめん……」
そりゃちったぁ罪悪感ぐらい感じるさ。ヤり過ぎた、と。
「でも…」
「……ん?」
「やっぱりたまにはいいかも♪」
前言撤回。しかしそれよりも真面目に控えて欲しいと願う俺だった……。
最終更新:2007年10月08日 00:36