「ティーナ、落ち着きなさい。貴女の恥部はウルトラマ×コかも知れない、けれど
それを指摘されたからといって私達のサークルで唯一の作画担当を昏倒させるのはどうかと思うわ。」
「そうよ。グレイトな陰部なんだからむしろ胸を張って生きるべきだわ。」

『極上☆☆軍人サークル』

「だから!違います!私の…は名器ぢゃありません!試したことはありませんけど、たぶん違います!」
バルスラーを失神させたティーナは二人の同僚に向かって言った。
「つまるところ、処女だと?」
「ティーナ…処女なんだ。」
「あ………」
 うっかり口を滑らせてしまったティーナは口を押さえ、静止した。
「は、話は変わりますが、クロル教官はボーイッシュな感じが魅力だったんですよ。
その同人誌なんですから×異種孕み系は路線を外れると思います。」
 180度方向転換した話題。が、そのティーナの言葉に九鬼が食いついた。
「ボーイッシュなクロル教官が『くぐせ』に寄生されたヤツにヤられる設定だから問題ないわ。」
 多少口調が強くなっている九鬼に怯まずティーナはさらに反論する。
「クッキー、それは何か無理矢理な気がします。」
 ぐっ…と言葉に詰まった九鬼だが肩の力を抜き、やれやれといった口調で言った。
「じゃあ私もボーイッシュになれば問題無いわね」
「それ、意味ないです。それに出来もしないこと言わないで下さいよ」
 何をバカな…と一蹴するティーナであったが…
「ふん…僕は異種孕み系がいいんだ。女だからってあまり舐めてると痛い目みるよ、
火傷しないウチに帰った方がいいね、特に君みたいな処女は。あっかんべーだよ。」
 完璧だった。多少ツリ目なところも口調も、ポーズもボーイッシュだった。
ティーナ=レコは敗北を悟った。
「む、無条件降伏……受託します。」
 それを聞いた途端、口から吐血して膝をつく九鬼
「ぐぶらっ…ゲホゲホ…はぁ…はぁ…く」
「大丈夫、クッキー!?」
「ア、アウラ…危険な試みだったわ…じゃあ…次は私ね」


「はぁっはぁっ…ん…はぁはぁ」
 クロルは暗い森の中は全力疾走していた。今回の任務は至極、楽な任務だった。
教育大隊内の訓練生達同士の演習の監督――という本当に簡単な任務だった。
なのに―――
「ど…どうしてこんな森に…く、くぐせが…」
 訓練生達を無事に逃がす為に囮役をかってでたクロルであったが
相手が悪い上、こちらの装備は対人戦闘用であり、土地、地形、方角は完全に把握できていない。
「だからこんな辺境の森での演習なんて僕は反対したのに!」
―――ザザッ、ザザザッ―――
「クソッ!足が速い、回り込まれた!」
 有効なダメージは望めないが威嚇・牽制の為の射撃を行おうとクロルを銃口を前方の茂みに向けた。
しかし、正面にいたであろう標的は瞬時に回り込み、背後からクロルに体当たりを食らわした。
そしてそのまま組み付かれた状態でクロルは俯せに倒れた。
「そんなっ、は、速すぎる!」
『グルルルッ』
 咄嗟に振り返ろうとしたクロルの頭を腕が掴み、地に叩きつけられた。
「痛ッ!こ、こいつは――!」
 化け物―――まさしくそう呼ぶのにふさわしい醜さだった。ベースはこの森に生息していた狼か
大型の野犬だったのだろう。だがその狼が食い殺した人間か猿かなにかの片腕が背中から伸び、
さらに腹部から生えているのは、触手を持つ大型の食人植物。
それぞれのくぐせが宿主とし、それをくぐせに取り付かれたモノが捕食した事で
誕生した合成魔獣であった。
(殺される―――――)
クロルはそう思い、目をつむった。しかし、その牙はクロルの頭をかみ砕こうとも、腕を食いちぎろうとも
しない。しきりにクロルの臭いを嗅ぎ、荒い息を吐いているようだった。
(何だ…一体、こいつは…)
その答えは次の魔獣の行動によって、クロルにとっては最悪な形で判明した。
背後からクロルのベルトを食いちぎり、ズボンをずり下げ、下着に覆われた臀部を顕わにされたのだ。
「なっ!ま、まさかこいつ!僕を――」
犯す――交尾して子種を植え付けるつもりなのだ。
「や…やだやだ!いやだああ!やめろやめろおおお!」
 何とか身をよじろうと体を動かすが、頭を押さえつけられている上に、腹部の触手が腕と足を
絡め取った。そしてさらに腰に巻き付き、持ち上げられ、下着を切り裂かれた。
外気に振れた肉突きの少ない尻が震え、その尻を高々と突き出すような格好で完全に固定された。
クロルがいくら身をよじろうともビクともしない。

「やだ…そんな…こんなのいや…いやだ…ば、化け物に犯されるなんて」
『ハッ…フーフー…ハッ…ハ』
 クロルの雌としての臭いをかぎ取ったのか、魔獣はぺろぺろとクロルの股を舐め始めた。
愛撫してるつもりなのだろう、しきりにその舌でクロルの恥部を舐め上げ、しゃぶる。
「やっ…やめろ…このっ!く…ン…や、やだっ!く、くううっ!」
 否応にも反応する自分が情けなかった。こんな魔獣に愛撫されて感じる『女』としての
自分が許せなかった。
「や…やだよ…いや…ヴィクター…教官…」
 十分に潤った秘部を見て化け物はいきりたった肉棒を突き出した。
ビクビクと激しく脈を打ち、先端からは既に濃厚な白濁液がとろとろとしみ出してきている。
 クロルからは見ることは出来ないであろうが、その吐き出される液が地面にボタボタと落ちる度に
その白濁液の中でしきりに動き回るモノがあった。
 白く濁ったオタマジャクシのようなモノ…それが魔獣の精子の塊であった。
また丸い粒も食人植物の卵であり、魔獣の子種だ。
 魔獣はあくまでくぐせによって生まれた偶然の産物であり、極めて寿命が短い。
その間に雌と交配しなければ種としての存続はできない。
 魔獣はクロルを逃すつもりなどない、孕むまで犯し続けるつもりだろう。
孕んでしまえば後は放っておいても集団で群れをなす人間である。
 雌は保護され、子を産む可能性は高くなる。その怒張がクロルの秘部に押し当てられた。
「ひっ!?や、やあああっ!やめろ!やめろおおおおっ!」
魔獣の返答は非情だった。腰に力を込め、全体重を掛け、クロルを貫いたのだ。
ぶちぶちと膣の中を削るように押し上げ、ようやく押してもこれ以上入らないところまで追い込むと
まさしく獣の交尾を始めた。
「あ…あ…は…はがっああああああああっ!」
激痛などというモノではなかった。身体を中心から引き裂かれているような痛みが脳天を貫いた。
人間でいうフィニッシュ直前のような動きにクロルはぶつ切りの絶叫を上げ続けた。
「あがっはああっ!痛い痛っああぎいいや、やめ!ぐううう!」
その間にも短い痙攣を繰り返しクロルの中に射精し続け、そのまま腰を叩きつける。
魔獣はよだれを垂らし、だらしなく舌を垂らしたままクロルの中に白濁液を、卵を注ぎ込み続けた。
「あぎっ!ぐううああっ!きょうか…ああっ!…う゛ぃク…たー…うぐううう…ぼ、僕…も…ダメ…ご…め…」


「………で、孕ませちゃうんですか?」
「そうよ。それでイヤイヤながら出産するの、感じた?」
「だ、誰が!?不潔ですよクッキー!人間は人間とするべきでしょう!」
 顔を赤らめながらティーナは否定した。
「そう?あっちの人には受けたみたいよ。」
九鬼はそう言ってアウラを指した。
「ハァハァ…バルスラー…お金…ハァハァ…払うからトイレ…かしてくれる、30分程」
「アウラ…お前、俺のトイレで何する気なんだ?」
「魔獣…クロル教官…射精…出る…うふふ」
「そのイった顔で断続的に変な単語を羅列しないでくれ、頼むから」
 アウラが別の世界に浸っている時に九鬼はラストをティーナに語り聞かせていた。
「その出産時の台詞はこう『僕の中から、中から産まれちゃう、産まれちゃうよ!
お願い!見ないで!見ないで!ヴィクター!!』で決まり。あ、少し濡れちゃった」
「をいを!クッキー!?」
「冗談よ、少しどころか話しながらもう2~3回はイったから」
「もっとダメですよ!」
 ティーナが九鬼の両肩を揺さぶっている時、アウラは多少落ち着いたのかバルスラーに言った。
「ね、ね…バルスラー…さっきのラストシーン聞いて…ハァ…何かいやらしい事想像したでしょ?」
「あ?まぁ…そうだな…少しはな」
「その妄想、詳しく聞かせてくれない、ああん、ヴィクターの名前が出ただけで私…もう」
「頼むから人の部屋ではやめろ。ここをダメ人間の集いにしないでくれ」
 ティーナは今の惨状を見て思った。
「ティーナ、今の私は歩くだけでイキそうです。だめ、触らないで」
「クッキーしっかりして下さい!もういいから次!バルスラーさん!」
「お、おう。お。俺のは純情ボーイッシュ―――」
「ご託はいいから早くやれ。」
今にも噛みつかん勢いのティーナにバルスラーは「…はい」と答え、語り出した。

「わーとたたたた大変だよ!遅刻しちゃう!」
クロルは熊ちゃん目覚まし時計を放り出し、パジャマ代わりのTシャツを脱いで制服に
着替えた。
ダッシュで階段を降り、ダイニングルームで紅茶を啜っているウィルトスに怒鳴った。
「ちょっとお兄ちゃん!なんで僕を起こしてくれないんだよ!」
「おや、目覚まし時計は時間に鳴っていましたからね。それにレディの寝室に入るには
失礼かと―――――」
しれっとした顔で言ってのける(血の繋がっていない)兄、ウィルトス。
「だ、だけど…だから…うう~もういい、僕もう学校行くから!」
「朝ご飯は――」
新聞から目を上げ、ウィルトスは言った。
「コーンフレークバーを囓りながら行くからいいよ。ごめん。」
「やれやれ、お行儀が悪いですね。」
「行ってきます。ヴィクターも、行ってくるね」
「ワンワン」
柴犬の子犬に手を振るとクロルは駆けだした。
「はぁーもう…なんだってウチの高校は自転車通学だめなんだろ」
クロルは駆け足で学校へと向かった。時間はもうあまりない、そしてブロック塀の角を
曲がろうとした時――――人影が角から出てきた。

「う、うわああああっ!危ない!」
「あ?」
バフッと厚い胸板に顔を埋めるクロル。
「あ…痛テテテ…す、すみません。僕、しっかり見てなくて」
「ああ…構わない。それより大丈夫か?」
「あ、はい!」
スーツを着込んだ長身の男は『よかった』といい、去っていった。
「わっと、こうしている場合じゃないよ!はやくはやく!」
ぽーと見とれていたクロルはハッと我に返ると駆けだしていった。

そして何とか学校に間に合ったクロル。クロルの1年A組のHRが始まる前に担任である
アウラが教壇に立った。
「皆さん、おはようございます。今日は新しい副担任の先生を紹介します、バルスラーさんどうぞ」
クラスがガヤガヤと騒がしくなる。
「へ~副担任かぁ……どんな先生―――あ!」
「バルスラーです。よろしくお願いします。」
クロルが片手で弄んでいたペンを落とした。新しい出会いに―――ぶべら

「………」
「………」
「………」
「な…なじぇ…」
無言で頬に、腹部に、顔面に突き刺さる肘鉄、蹴り、右ストレート。
己の妄想内容を語るバルスラーに対してのアウラ、九鬼、ティーナの見事な
コンビネーションアタックであった。
あっちょんぶりけな顔をして倒れるバルスラーにアウラは言った。
「死ね」
「何考えてるんですかこのブタ野郎」
「救いようないですね。死んで下さい」
しかし、実際の彼女たちの心の叫びは違った
アウラ:(ヴィクターが犬の時点でおかしいと思ったけど…
ワンワンプレイかと思ってちょっと期待しちゃったじゃない。
私のこの抑えきれない萌えをどうしてくれるのよ)
九鬼(クソが…逆獣姦かと思って期待させやがって…)
ティーナ(クロル教官はスカートなんか履きません。
せめてスカートの下、スパッツにしろよ筋肉ボケ。)

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最終更新:2007年10月08日 03:13