「状況:白兵戦」(2007/05/07 (月) 14:05:37) の最新版変更点
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至近の間合いに至り、敵に相対す。
敵の反応よりも、一瞬だけ早く刃を振り上げる。
動作の中で、思考が走る。
…敵め、迷うたか。
この期に及んで銃砲に意味は無く。
されば、しとめるに刃をおいて上はなし。
ただ一振りの剣のみを友として、数多戦場を渡ってきた彼らには自明の事。
だが強大な火力をもって進撃を続けてきた敵は、ほんの一瞬、迷ってしまった。
その一瞬が、
……生死を分かつ。
振り上げたられた剣は、予め定められていたかのごとく剣士の肩に乗る。
― 心魂は高揚と平穏を矛盾無くはらみ。
敵の目には何故かゆっくりとした動作に写ったそれは、
― 剣技は修練の極みにありて精緻。
その実、神速にて行われており、
― 身体は鍛錬の極みにありて強靭。
剣士の全力を一分のロス無く剣に宿す。
― ここに心技体は三位一体の境地に至り、
ビン!
― 解き放たれた斬撃は、
吐息と共に、袈裟懸けに振られた剣の残光が、
― 是、一撃必殺を体現す!
ようやく動き出さんとした敵の見た、最期の光景となった。
剣士は去る。
…あとにはただ、屍が残るのみ。
(書:不破陽多)
至近の間合いに至り、敵に相対す。
敵の反応よりも、一瞬だけ早く刃を振り上げる。
動作の中で、思考が走る。
…敵め、迷うたか。
この期に及んで銃砲に意味は無く。
されば、しとめるに刃をおいて上はなし。
ただ一振りの剣のみを友として、数多戦場を渡ってきた彼らには自明の事。
だが強大な火力をもって進撃を続けてきた敵は、ほんの一瞬、迷ってしまった。
その一瞬が、
……生死を分かつ。
振り上げたられた剣は、予め定められていたかのごとく剣士の肩に乗る。
― 心魂は高揚と平穏を矛盾無くはらみ。
敵の目には何故かゆっくりとした動作に写ったそれは、
― 剣技は修練の極みにありて精緻。
その実、神速にて行われており、
― 身体は鍛錬の極みにありて強靭。
剣士の全力を一分のロス無く剣に宿す。
― ここに心技体は三位一体の境地に至り、
ひゅか!
― 解き放たれた斬撃は、
吐息と共に、袈裟懸けに振られた剣の残光が、
― 是、一撃必殺を体現す!
ようやく動き出さんとした敵の見た、最期の光景となった。
剣士は去る。
…あとにはただ、屍が残るのみ。
(書:不破陽多)
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