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雷刃

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雷刃(剣)


イグドラシル

  • 東国人+サイボーグ+剣士
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要点

  • 東国人:東洋風の服装・東洋風の人材・黒い髪
  • サイボーグ:一部機械
  • 大剣士:剣
  • 剣:剣

周辺環境:

  • 東国人:四季・入り組んだ地形・稲作・紙と木で出来た家・火山
  • サイボーグ:機械化工房
  • 大剣士:訓練場
  • 剣:訓練場

継承


評価

東国人
体格0・筋力0・耐久力0・外見0・敏捷0・器用1・感覚1・知識0・幸運0
サイボーグ
体格1・筋力1・耐久力1・外見-1・敏捷-1・器用-1・感覚1・知識0・幸運-1
大剣士
体格1・筋力3・耐久力3・外見1・敏捷0・器用-1・感覚0・知識‐1・幸運0

体格4・筋力4・耐久力4・外見1・敏捷0・器用-1・感覚0・知識‐1・幸運0



合計
体格6・筋力8・耐久力8・外見1・敏捷-1・器用−2・感覚2・知識-2・幸運-1



特殊
  • 東国人は一人につきターン開始時に燃料1万tが増加する代わりに資源1万tを消費する。
  • 東国人は一般行為判定を伴うイベントに出るたびに食料1万tを消費する。
  • サイボーグは宇宙戦行為が出来る。
  • サイボーグはナショナルネット接続行為が出来る。
  • サイボーグは筋力、耐久力の評価を×2.25(評価2)補正することが選択でき、この時燃料3万tを消費する。
  • 大剣士は白兵戦行為ができ、この時、白兵戦の攻撃判定は×2.25(評価2)され、燃料は必ず-1万tされる。
  • 大剣士は防御判定では×2.25(評価2)され、燃料は必ず-1万tされる。
  • 大剣士は根源力による死の効果を受けない。
  • 剣は白兵戦行為ができ、この時、白兵戦の攻撃判定は×2.25(評価2)される。(燃料は消費しない)
  • 剣は防御判定では×2.25(評価2)される。(燃料は消費しない)
  • 剣は契約した王が死亡すると死亡する。



イラスト

(作:鴻屋心太)
http://kurosakik.s263.xrea.com/cgi-bin/image/414.gif
達成要点:(要点)一部機械、剣、(周辺環境)訓練場

設定文

それは、ただの人を一本の剣へと鍛え上げる狂気の御業。

「神鳴る太刀」とまで言わしめた人間凶器。「人」を削ぎ落とし戦闘力を極限まで鍛え上げて完成される一本の剣――――。


●「剣」

王が、剣たる一人を指揮して一軍と渡り合う術を突き詰めた存在ならば、剣とはその名の通り、剣たるを極限まで突き詰めた者を指す。

御山に来るのは孤児がほとんどだが、彼らは王として育てられる者と違い、「お山」の学園とは離れ、幽玄霞谷の過酷な自然を訓練場として育ち、契約の儀まで王と会うこともない。

その体にはイワヤト地方奥地の異常な理力流に耐えるため、幼少時に理鉱石を埋め込まれて部分的なサイボーグ化が施されている。幼少時から義体化するため義体の扱いに関してはトップクラスであり、また越前の異常な理力流にさらされながら生きるためか身体能力もまた常人を遥かに凌駕している。もっとも、強靭な意思とある種の素養を持つもの以外には、その域に達し、剣として完成を見るものは稀である。

義体に関しては、越前でも最高の機械化工房「カイホツ」(開発特殊義体研究所)の最新躯体を提供されており、生身の身体能力と併せても間違いなく越前で最高の能力を誇る。

およそ戦場で使えるものは全て使い、あらゆる武芸、特に戦場で武装を失った時のために戦場のあらゆるものを利用して生き残る術や、徒手の技に関しては徹底した訓練を受けており、例え武装が無い状況下でも己と主を守りきれるだけの技能を持つ。

だが、その中でも剣の扱いに関しては群を抜いており、多くの場合彼らは剣を主武装としている。



 そはただ二人からなる軍のその切っ先。人にして剣たる武人の中の武人。

「我が国に伝わる火と知恵を与えし神の名をとって汝らに名を授けよう。風の如き千変万化の軍略にてただ二人で陣を成し、神鳴る刃もて敵陣を断つ。
――――汝が名は『雷刃』」


/*/


駆け出しの“王"と組むことはそう珍しいことではない。だが、御山から言われて組んだ王できちんと契約を交した者はいなかった。
剣には剣の理想がある。
剣と王とが対を成すのは定めとしても組む相手くらいはこちらで選びたかった。
しかるに今回の王ときたら。

後ろに数百は下らない規模の敵を抱えて逃げながらギャアギャアと叫んでいる。しまいには何やら笑みすら浮かべる姿は・・・・・・大物なのか頭のネジがぶっ飛んでるのか。

思わず機械化された方の腕で殴りつけそうになるのをこらえて、ぺしりと頭をはたく。カイホツ製の義体は優秀だから出力の調整を誤ることはありえないが、万が一はなんにでもある。特に、それを使うものの虫の居所が悪い時は特に。

「黙って走れないのか!それと泣き事を言っている暇があるなら、とっととあいつらをなんとかする策を考えるんだな。俺は斬るのが役目、君は俺を振るうのが役目だってこと、忘れるな」

しごくまっとうな忠告のつもりだった。だというのに、この王ときたら。

「いったいなーわかってるよー!あーもう、この走りづらい制服がよくない!」
などと袴の裾をヒラヒラさせる。こういう所も気に入らない。ちらちらと足元の素肌が見えて気分が落ち着かなくなる。

おまけに涙目でこちらを覗きこんで来るのはさらに始末が悪かった。思わず後ろの警戒を装って視線をはずす。

「ね。そろそろ、その……真名ってやつを教えてくれてもいいんじゃないかなあ?」

どうやらそれが聞きたかったらしい。だがあいにくと実力を見極めてもいない相手と、契約の証たる真名を教える気はなかった。

「断る」

絶句する気配。諦めてくれたかと思っていると、ボソボソと声が聞こえてくる。

「……っ。……こんのキザ男」

頭を抱える。

「聞こえてるぞ」
「うわっ!聞こえてるし!」
「……やれやれだ」

走りながら癖で肩をすくめる。するとなぜか目の前の少女は怒気を顔に浮かべる。しかし、かと思えばいきなり笑みを浮かべるからこの少女はわからない。まったく。猫ってのはこんなのなんだろうな、と考えた。
「ねー」
「なんだ?」

唐突な呼び掛け。

「あいつらさ、全部やっつけて。これ命令♪」

さすがに頭に血が昇った。わかっている。お得意の冗談だか稚気というやつだろう。だが、それは許せない言葉であった。

「……。短いつきあいだったな」
「へ?」

そういうや否や猫のように襟をもって片手でぶら下げる。気まぐれな猫はこんな扱いで十分だった。

一瞬きょとんとした彼女だが、瞬時に状況を把握する。この辺りは腐っても王か、と少し感心する。その耳元に精一杯ドスの効いた声で言う。

「……ここに埋められてあいつらの突進を待つのと、放り投げられてあいつらの群れに飛び込むのとどっちがいい?」
「え、え?ええ!?」
「あと5秒。4、1」
「って、省略しすぎ…じゃなくて、さ、さっきの嘘、嘘だから!お、降ろしてー!!」
「……ふん。兵を無駄に殺す将にはちょうどいい末路だろう?」
「さ、さっきのは軽い冗談じゃない!場を和ませようというわたしなりの憎らしい心遣いだったのに!」
「時と場所をわきまえない冗談は、こう言われるな。――――洒落になってない」
「うぐっ」

さすがに自分の非を認めたらしい。減らず口がピタリと止んだ。

ついでにその態度が後ろの状況も察してのものなら、及第点を与えたところだが。

敵の速度が上がっていた。少し灸を据えようという気はあったが、なにより彼女の速度では補足されると読んで、咄嗟に襟首を掴んだのだ。だが、助けはここまで。これより先、彼女が王を冠するに足らずと判断すれば、その時は本当に群れの中に彼女を放り込む気だった。

「……いいか。一度しか言わんぞ」

これが、最後の忠告。

「俺を使いこなせ。王に振るわれてこその剣だ」

なぜだろうか。その言葉で彼女の表情が変化した気がした。何か冒しがたい、威厳のようなものをまとったような。

後にして思う。あの一言が、彼女の中の王を目覚めさせたのだ、と。

剣は王のためにあり。すなわち、王なくば剣なし。しかし、その関係は、王にもまた当てはまることがあるのだ。彼女がそれだった。すなわち、剣なくして王たりえず。剣を握ってはじめて王たり得る王もまた、いるのだと。

少女が、髪飾りを抜き取って、口にくわえた。<それは考え事をする時の癖>

唐突に入り込む自分ではない思考。ナショナルネットの共有化が始まっていた。
王の思考を一部共有することで、王が描く動きを剣が寸分たがわずなぞる、剣の技法。通常は思考防壁によって、ガードされているそれを、彼女は打ち破っていた。いや、そうではない。彼女を受け入れたのは自分自身。心の中で、少しだけ苦笑する。

知らない内に、心の中では彼女を認めていたらしい。

/*/

駆け出しの“王"と組むことはそう珍しいことではない。だが、御山から言われて組んだ王できちんと契約を交した者はいなかった。

剣を道具としてしか見ない王。化け物をみるような目で剣を見る王。
道具として扱われることは、間違ってはいない。剣は使われる者。そういう感情を剣たる自分がもつことは間違いだと自分に言い聞かせ続けてきた。

だが。

剣には剣の理想がある。
剣と王とが対を成すのは定めとしても、組む相手くらいはこちらで選びたかった。
しかるに今回の王ときたら。

何の遠慮もなくこちらに踏み込んでくる。こちらが自分より遥かに強いことも、こちらが距離を取ろうとしていることもなんのお構いもなしに。

それが、なぜかたまならく心地よかった。

/*/


「キリト、いい?」
「なんなりと」

すでに思考はこちらに流れ込んでいる。それを当の王はご存じでないのが傑作だったが。

自分の思考がこちらに漏れているなどと知ったら、彼女はどう思うだろう。
どうやら戦の後の娯楽が一つ増えたようだった。

「敵を引きつけたい。接敵して30秒稼げる?」
「……お安い御用だ」

すでにそのための戦術も、彼女の狙いもわかっている。どうやら、本当に今回は当たりを引いていたらしい。襟首を掴まれた状態で王たる片鱗を示した少女を敬意を込めて丁重に地面に降ろす。

王はその器を見せた。ならば、剣はそれに応えるのみ。

だが、さすがにそれを真顔で言い放つには少々自分はひねくれすぎていた。

背を向ける。全く小娘一人と契約を結ぶのに何をしているんだろうな、と自嘲しつつ、言葉を紡ぐ。

それは、自分が一番言いたかった言葉。

「我が真名。あんたに預けよう。わが真名は斬人!存分に振るわれよ、我が王よ!」

――――それが、自分が本当に剣となった瞬間だった。

/*//*/

「風陣に雷刃とは…またご大層な名前をいただいちまったなあ?」
「満更でもないくせに?」
「お前、鏡見てから言えよ、その台詞」
「な、なによー嬉しいもんは嬉しいでいいじゃない!」
「ん。ああ、俺も嬉しいよ。我が王よ」

斬人は真っ赤になった少女にじゃれつかれながら、恐らく絶対にこの少女には面と向かって言うことはないであろう、一つの誓いを立てた。

この王を、守り通す、と。

<雷刃伝より>

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