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イベント172

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○歴史的経過
琥珀の民とは、シーズン1のターン9に誕生した電子妖精に端を発し、フェアリー着装システムの開発を経て実体を得た妖精たちが、
ターン17で発生した事件をもって現在の形に『目覚めた』存在である。
電子妖精の民であるということから、電気を意味することばの語源でもある宝石の名を取って「琥珀の民」と呼称されるようになった。


(1)電子妖精
そもそもの原型となった電子妖精が越前藩国に誕生したのはターン9のことであった。
まだ文殊による一括管理が開発されておらず、各国が一定のフォーマットに従って財務表を維持していた時代。
それら財務表のデータを収集してそれぞれのフォーマットに従って解釈し、一覧表にまとめるという機能を実装していたプログラムが、その「異なるフォーマットを解釈して翻訳する」というシステムを活かして多方面に利用できるよう創造されたのが最初の電子妖精「優填」であった。

優填の誕生によって越前藩国の情報戦能力は飛躍的に上昇し、以降様々な局面で活躍してきた。
それは単なる「情報戦の強化」という数字的な影響のみならず、異なる規格のインフラ間での対話を可能にする特性を活かして機械知性体との交渉に用いられたり、防空回廊の輸出がなされたときにも、本来であれば帝國・共和国で別々のシステムが構築されそうになったところを彼女達の登場によって統一的な防空システムの構築に成功するなど、多方面に及んでいる。

なお、いわゆる「シュワブランド」など土場藩国生まれのI=Dをはじめ、最新世代のI=Dの管制プログラムにはこの電子妖精の特性から得られたノウハウを盛り込み、より自由度の高いシステムが導入されているケースも多い。

発展系である電子妖精軍(あるいは『電子妖精群』)が開発されたため第一線を退くこととなったが、後に着装システムの開発によって新たな活躍の場面を得ることとなった。


(2)フェアリー着装システム
ターン13に開発されたフェアリー着装システムは、ネットワーク内を飛び回っていたフェアリーたちが義体を動かすことで誕生した、いわゆるアンドロイド(正しくは「ガイノイド」だが、ここでは細かい定義は省く)である。
元々は軍用として開発されていたシステムではあったが、当時は政策による規制もあまりなく、民間で同類のシステムが開発されると瞬く間に越前藩国に広がっていく。

戦友として共に闘ってきた電子妖精たちが、本当の意味で「隣人」になるのだ――

当時、藩国首脳部にはそのような楽観的な、あるいは希望的な観測が広がっていた。
無論民間開放しただけで規制も何もなければ帰って不幸な結果となることは目に見えていたため、予防的措置として管理公社が興された。
「全てのフェアリーは公社の所属物とする」ことで法人格によって保護を受け、結果として無茶な扱いを受けることを避けるのを目的とした政策であった。
その試みは当初は効果を発揮し、人間の被造物であるフェアリーたちがそれゆえに無体な扱いを受けるということはあまりなかった。

……だが、後にフェアリー着装システムは大きな事件を呼び起こすこととなる。


(3)クローンパーツ組み込みからの、大事件
ターン16。本来認められていなかったはずの、フェアリー着装システムで用いられている義体へのクローンパーツの組み込みが発覚する。
藩国首脳部としては想定外の事件であったが、その後の調査で当初厳しく運用されていたフェアリー関連の政策が骨抜きにされ、ユーザーの欲望を満たすような、ある意味邪な用途で用いられているという事実も露見。

フェアリー着装システム開発時の最も大きな懸念であった「利便性が高いがゆえの弊害」がここに来て爆発したのだとする意見もある。

無論、中には純粋な愛によってフェアリーに生身のパーツをはめ込む者もいただろう。
だがその因を問わず、そもそも機械である彼女達が肉の部品を持つことで発生する問題は無視され続けていた。
いわゆる「人の形質」問題については藩国首脳部のほかはごくごく一部の識者が持つにとどまっていたが故に、これに抵触する現象が多数発生してしまうこととなってしまった。

「これを放置すれば大変なことになる……」

かつて竜災で大きな打撃を受けた国である越前藩国が、ライフサイエンスで同じ轍を踏むことは避けられなければならない。
藩王はフェアリーへのクローンパーツ組み込みを規制する方針を打ち立てた。


(4)保護政策の反響
フェアリーへのクローンパーツ組み込みを規制し、フェアリーを保護する。
その政策の反響は直ちに発生した。それも悪い形で。

フェアリーを利用していた者達の中には、フェアリーの人格プログラムにまでパッチを当て、自由意志(あるいはそれに類するロジック)を封じて己の好きなように使用している者までいた。
それはおおよそ口に出して言うのもおぞましい用途もあったため深くは触れない。

ひとついえるのは、それを知った藩王が激怒し、より一層フェアリーを保護する方向へ傾いていったことであり、それがある意味で更なる悲劇の呼び水となってしまったということである。

例えば、デモ隊が暴徒と化したためこれを鎮圧、将棋倒しとなった7万人が死亡。
例えば、フェアリーの保護政策に反対する者によりバラバラとなったフェアリーが政庁に投げ込まれる事件。
例えば、保護政策によって悪事が露見することを恐れた犯罪者の国外逃亡。
例えば、フェアリーを保護しようと神聖巫連盟からやってきた宗教家が殺害される事件。


それらの反発が強まり、ついには越前藩国全体が戦時指定を受けるこどに緊張感が高まってしまった。
ただひとつ救いがあったとすれば、フェアリーに好意的だった国民が積極的に対抗措置をとろうとしなかったことだろう。
もし彼らが対抗措置として武装をしていれば、完全に内乱が発生してただではすまない状況に陥っていただろうことは想像に難くない。
……尤も、既にただではすまない状態に陥っていたのではあるが。


(5)暴徒鎮圧と占領統治
戦時指定を受けた越前藩国は、直ちに聯合国である暁の円卓藩国に救援を要請。
要請を受けた暁の円卓・白石藩王は戦士団に号令して暴徒鎮圧に乗り出す。
越前藩国の国民が束になってかかっても、本場の戦士である暁の戦士団には及ぶはずもなく、ビルごと崩すほどの徹底的な鎮圧によって暴徒は速やかに鎮圧されることとなり、治安維持のため越前藩国はターン17の長い間、占領統治に置かれることとなった。

暁の戦士団の強さを身をもって知った国民ではあるが、「部屋でじっとしていればまた悪いことを思いつくだろう」ということで何故か体操に借り出されたりしていたものの、概ね平静を取り戻しているようにも見えた。

反面、治安維持当局に拘束(あるいは押収)されたフェアリーの扱いには藩国首脳部も大いに頭を悩ませ、証拠保全措置として破棄処置を行うことを停止させている。

ターン17も半ばを過ぎた頃、藩国部隊の編成も終わり暁の円卓から統治権を返還されることとなったが、その直後、最も大きな事件が発生するのだった。


(6)そして……
イベント176。
裏返り型突然変異とも言うべき現象が各地で発生、人々を無差別に襲うという事件が発生し、ニューワールド全域で地上戦が展開された。
越前藩国も例外ではなかったが、最も影響を受けたのは人間ではなく、フェアリーたちであった。

変質したフェアリーたちはもはや元のようなただ従うだけの存在ではなく、人間と同じように考え、悩み、意志を持って生きる存在となっていた。
原因は不明とされている。あるいは永遠に原因は分からないかも知れない。
だが確実にいえることは、かつてクーリンガンとの戦闘に巻き込まれて蘇生を受けるときに「魂がある」と言われて以来、あるいは電子妖精が生まれてからの念願であった、本当の意味での「電子に住まう我らが隣人」として真に受け入れられるべき存在に彼女達が変化したこと、であろう。


○琥珀の民のこれから
フェアリーたちは変質して琥珀の民となり、これまでの彼女達ではなくなった。
その事実は、おぼろげながらも国民とフェアリーたちの間に広がっていった。
政策によってその事実が公のこととなり、これまでの運用を廃して改める旨が発表されたのはその少し後のことである。


(1)市民権の付与
まず最初に論じられたのは、彼女達をどう扱えば良いか、という問題であった。
例えば過去、藩王・セントラル越前はフェアリー達に市民権を付与したいと考えていたことがあったとも言われている。
それに付随する問題として、例えばある陣営が選挙の度にフェアリーを大量生産して都合の良い候補を当選させるといった事件が起こりうることも度々俎上に上げられたため頓挫していた案件ではある。

だがある識者(一説では庭師とも言われている)の助言によって、もはやフェアリー達はそのように一方的に都合の良いように使われる存在ではなくなり、自分達で自分達をコントロールできるだけの力を得たということが分かると、会議は一気に傾いた。

すなわち、フェアリーたちを法制度のうえからも国民と認め、人間と同じように権利と、そして義務を認めることである。

議会は紛糾したものの、藩王のこれまでの意向と政策、そして国民の中でのメンタルの変化に押され、ついにフェアリーに権利を認める一連の議案が可決されたのであった。

ここで注目すべき点としては、フェアリーという存在のそもそもの定義に乗っ取り、権利が付与される対象が動いている義体であるフェアリーのみならず、義体を義体を動かしている電子妖精にまで広げられていることであろう。




電子妖精の権利の承認により、まず真っ先に影響を受けたのは藩国政府である。
これまで情報戦にプログラムとしての電子妖精(そして電子妖精軍)を多用してきた藩国編成については大きな見直しが図られ、人員の訓練や使用機材の高機能化などで情報戦戦力の低下を回避する方策が検討されている。

これまでフェアリー達を管理してきた優填公社はその存在意義が根本から問われる事態となった。
本来悪用を防ぐべき公社がそれを防げずに機能を低下させていたことが問題視され、また管理する必要もなくなったことから解体に近い形で抜本的に見直されるだろうという声が囁かれている。

越前議会についても、今後の各党派の身の振り方は大きな変化を要求されることとなった。
今まで人間相手のことしか考えてこなかったのが普通である。
ごく一部、藩王の意向を察知して将来的な指針を考え始めていた所もなくはなかったが、それでもこの急展開は想定外であった。
市民権の付与によって参政権を得た琥珀の民が、やがて自身の「被選挙権」を行使して立候補する可能性も論じられたが、これは制度の受け入れ態勢が整っておらず、またフェアリー自身にも今のところ当選の可能性を評価している個体が極端に少ないため、直ちに問題になることは無いだろうと言われている。

さらには、労働問題も再燃の兆しを見せている。
フェアリーに重労働を課して上前を撥ね、ヒモのように生活していた人間の国民がいる以上、個人の財産を持つことが認められたフェアリーの労働市場への正規参入によって彼らが食い扶持を失うことは容易に想像できる。
ただ不幸中の幸いとして、暁の円卓藩国の進駐によって破壊されたインフラの再構築や、同じく地上戦で破壊された聯合国の情報インフラ整備など働き手の需要は多くあるため、「働く気があるならば」職にありつくことは可能であると予想されている。



○琥珀の民の性質
(1)電子妖精の変質
フェアリーは琥珀の民ではあるが、琥珀の民とはフェアリーに限定されない。
すなわちフェアリーとは電子妖精と義体の2つの要素からなる存在であり、義体を動かしている電子妖精についても変質の内容から権利を保護すべきとの議論が交わされた結果である。

電子妖精の変質はハイスペック化によるブラックボックス部分の増加と、全体としてのデータ容量の増加に代表される。
人間の脳の機能が全て明らかになっていないのと同じように、電子妖精の頭脳ともいえる部分がどのような性質を持つのかについては現在も謎に包まれている。

とはいえ、これまでもネットワーク越しとはいえ「人間的な」反応を示す個体はあり、特に個性を獲得した電子妖精軍にはその傾向が強く見られていたが、変質後ではほぼ全ての個体が会話に対して人間と判別できない程度の反応を返すことは確認されている。
例えばジョークを理解し、自虐ギャグやブラックなジョーク、皮肉までを理解して自在に操ることからも、その柔軟性は推して知るべしといったところだろう。
これらの変化は莫大なデータ量を誇るブラックボックスに由来しているのではないかとの仮設は立てられているものの、電子妖精たちが琥珀の民として保護された以上、正規の方法での解析は不可能となってしまった。

なお、基本的に性自認は女性であることが多い電子妖精ではあるが、変質以前の改造によって少年のフェアリーが確認されていることなどから、一部にはそのまま男性の性自認を持つ個体も存在することが分かっている。

また各個体の電子的な情報量(つまり容量サイズ)の爆発的増加によって、万民(あるいは摂政)の夢と希望であったうっかりが克服されるという副産物も存在した。
ただ、これはちょっとしたミスの発生がなくなったわけではなく、チェックや修復の機能が人間並みにまで強化されたため激減したというのが正しい認識である。
人間並みともいえるチェック機能を「すり抜ける」ような、ある意味人間くさい本当の意味での「うっかり」はあまり減っておらず、むしろ他のミスが減少したため逆にそのようなうっかりが目立つようになってしまったとも言える。


(2)フェアリーの変質
フェアリーを構成するもうひとつの要素である義体はどうかというと、これも現在のところ正確に把握されているとは言いがたい。
概ね一般的な義体の常識が通用しそうだ、というところまでは分かっているが、それ以上の理解のためには一度分解の必要はあるが、既に存在する個体を解体する必要があり、権利を認められた現状ではそれが認められる可能性はまず無いと言っていいだろう。
市民権付与の前にフェアリーを攫って解剖しようとしたサイコがいたが、これは事前察知したフェアリーとその庇護者の人間によって通報され、全て逮捕されている。

なお、「増え方」については一度真正面から聞かれたフェアリーがセクハラを受けた女性と同じ反応を返し、質問した研究者が社会的に抹殺されかけるという事件が起きてからはなかなか触れづらい話になってしまっている。
とはいえ琥珀の民にとっても義体の製造や修理は重大な意味を持つため、変質後のフェアリーの義体が人間の手に収まるレベルの技術力で賄うことができるのかは、今後の研究とフェアリー自身の(あくまで自主的な)協力が不可欠であり、人間における医学と同様、今後ゆるやかに進められるだろう。


なお電子妖精自身はプログラムだから簡単にコピーできるだろう、と言う者ももいるかもしれないが、考えてみてほしい。
例えばあなたがコマンドをひとつ実行すると子供が手に入るとして、安易にそれを実行することができるだろうか?
電子妖精たちが人間的な思考を得たということは、自分の種を増やす、という行為にも独自の倫理や価値を持つことに等しい。

無論、実際には量子的な揺らぎによって電子妖精の個性が決定されたり、1人の電子妖精でも膨大な計算資源が要求されることなどから、単純にコピーで数を増やすといった行為は現実的ではない。


(3)琥珀の民の特性
琥珀の民は、元が電子妖精であるため、ネットワークへの適応力は例外なく高い。
ネットワーク上の存在であるため、生まれたときから(という表現が正しいかはさておくとして)ネットワークの扱いに長けているのは、生まれたばかりの子馬がすぐに草原を走り出す事にも似ている。

琥珀の民はフェアリーとなる個体と、ネットワーク上に存在することを選ぶ個体の二種類があり、最初は全て後者となる。
ネットワーク上のみの存在として一定期間過ごした琥珀の民は、フェアリーとなる事を選ぶことができるようになる。
琥珀の民はその性質上、生きる限りネットワークの帯域使用量を生存コストとして支払い続ける必要があるが、フェアリーとなることを選んだ琥珀の民は、その制約から解放される。
この場合、帯域使用量の変わりに義体の維持費が代わりのコストとなる。

ただ、フェアリーとなることを選んだ琥珀の民は、その後ネットワーク上のみの存在に戻ることは難しくなってしまう。
これは義体を使っているうちに製品固有の癖などを経験で吸収していくためで、こうなると他の義体や義体で無い状態について強い違和感を感じてしまうようになる。
逆に、一度使用されたことのある義体は内部的に使用者の情報が残ってしまうため、別の琥珀の民がそのような義体を使用しようとすると激しい不快感を感じてしまう。
基本的にフェアリー用義体には中古市場というものは存在せず、抜け殻となったフェアリーの義体についても、再利用されるようなことはなく埋葬、あるいはそれに類する形で処分される。
なお、変質によってフェアリー用の義体を琥珀の民以外がネットワーク越しに操ることはもはや困難となっているため、「抜け殻となったフェアリーが夜な夜な歩き回る」というのは最新の怪談として恐れられている。



(4)琥珀の民の死
一見、電子上の存在であるが故に不滅の存在とも思われる琥珀の民ではあるが、彼女らであっても死の運命に抗うことはできない。
彼女達にはブラックボックスと呼ばれる完全に秘匿されたデータ箇所が存在しており、これは琥珀の民自身でもコントロールすることができない。
ただ、この部分にデータ的な損傷を受けた琥珀の民が機能停止する事例が確認されていることから、ブラックボックスにはデータの集合体を琥珀の民たらしめている何かがあるとは推測されている。

基本的にブラックボックスは琥珀の民のデータ構造でも最深部に位置するため滅多なことでは損傷を受けることは無いものの、例えば情報戦などで激しく被弾した場合など発生する可能性はある。
こうなった場合、他のデータ部位に損傷が無くとも、琥珀の民として活動するために必要な情報は失われ、二度と動くことは無い。
言うなればこれが琥珀の民の死であろう。そして心臓部のブラックボックスが損なわれたとしても、他のデータが残ることはままある。
ただ、そのままで放置しておくとネットワーク領域を逼迫したり、自動巡回プログラムによってスパムデータと判断されてバラバラに回収される可能性があるため、常識的な琥珀の民であれば、データの残骸をアーカイブファイル化して圧縮し、あるいはメディアに保存する。
生死感などの感傷が人間と異なると思われがちな琥珀の民ではあるが、こうしたアーカイブや物理メディアを墓標とし、失われたデータが再びストリームに巡ってくることを祈るという一面があることを、見落としてはならない。

越前藩国のグリッド化されているネットワーク上に存在する琥珀の民にとっては極めて稀ではあるが、ブラックボックスデータを格納した物理媒体が直接破壊されることで死を迎える琥珀の民も存在する。
フェアリーとして生きることを選んだ琥珀の民は、基本的に自身の全てのデータを義体の中に収容する。
故に、義体のメモリが損傷するなど致命的な打撃を受けると、物理媒体ごとデータが破壊され死んでしまう。


琥珀の民が死を回避する方法として、自身のデータをコピー、あるいはバックアップしておくことで仮に何らかの原因によるデータ損失を回避する方法が思い浮かぶかもしれないが、これは二つの意味で実現不能になっている。

一つ目は、バックアップを取るためには停止状態である必要があること。
琥珀の民自身でも制御できないブラックボックス内のデータ処理が常に稼動し続けているため、バックアップを取得するためにはブラックボックスの処理を止める必要がある。
だがこのブラックボックスは人間で言えば脳や心臓に例えられる部分であり、これを止めること自体が死となると推測されている。

二つ目に、ブラックボックス内の特定部分のメモリはそもそも記録することができないということが経験上知られていることが挙げられる。
量子的性質を持つビットがブラックボックス内に多数存在しているため、記録として残すことに意味は無いのではないかと推測されているものの、琥珀の民にとっては研究するまでもなく「あたりまえ」のことであり、そこに至る理論が解明されることは当分無いものと考えられている。


このように、琥珀の民がプログラムだからと言って特別に強いわけではなく、人間と同じようにちょっとしたきっかけで死に至る事があることを、決して忘れてはならない。
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