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防空作戦SS:偵察機回収

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 ここはうるわしの新天地アイドレス。
 しかし上を見ても、そこにもう空はない。核の炎が巻き上げた塵芥に覆われ、空があったところには、今や鈍色混じりの淀み、うねくる雲があるだけだった。
 空を失った世界の空気は瘴気を孕み、あらゆる生物を歪ませる。人の手によって育てられてきた脆弱な植物は死に絶えた。

 三日前まで、大地は緑に包まれ、空は青かった。
 しかし、今はもう見る影もない。

 丘の上で、空があった場所を見上げ、一人の少年がつぶやいた。

「ったく。ひでえことになっちまったもんだ…」

 越前藩国の至金剛(東国人+サイボーグ+剣士+大剣士)である彼は今、撃墜された偵察機の捜索に来ていた。

「まぁ、自業自得って言っちまえばそれまでなんだろうけどよ……」

 あの防空戦闘において撃墜された偵察機の位置情報は実のところかなりあいまいだった。
 それも無理はないだろう。FVBの指揮所は、撃墜直後に放たれた核の巻き起こした電磁パルス等により、ソフトキルされていたのだから。

「さあて、情報どおりなら、この辺なんだが…っと」

 FVB側のシステム復帰と撃墜時の情報解析等、様々な作業が急ピッチで進められた結果、ようやく彼が現場にやってきたのだ。
 偵察用に妖精軌道(東国人+犬妖精+ドラッカー+ドラッグマジシャン)のアイドレスを着用した国家犬士を引き連れて、至金剛でただ一人手の空いた不破陽多が。

「え?あっち?おう、サンキュな」

 犬妖精のひとりに示された茂みの向こうに、不破は到達した。

「って、おい。ありゃぁ……?」

 そこで彼が見たものとは……!?

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