越前藩国 Wiki

防空作戦SS:情報戦

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匿名ユーザー

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“他人のために犠牲となる。これ、帝國人の本懐なり”
“もちろん、むざむざやられる気は微塵もありませんが”
~越前藩国、大剣士とハッカーの会話~

越前藩国の指揮所。その一角で今、ある種異様な光景が展開していた。
薄暗い部屋の中、機術師(東国人+理力使い+サイボーグ+ハッカー)たちが、各々の端末を片手で操作してプログラミングしながら、もう片手に青い燐光を宿し、詠唱と共にモニター上に魔法陣を描き出しているのだ。

ネットワークを介して同期を行いタイミングをそろえられているため、その詠唱も動作も一糸の乱れもなく同時に進行していた。

詠唱が佳境に入ると同時に、燐光で描かれた魔法陣が一際強く発光しはじめる。

「「「オン(ON/御)!」」」

詠唱の最後の一音と同時に魔法陣は閃光を放ち、消えた。

一瞬の間をおいて、各自の端末からプログラムの起動音が響く。

「成功、ですか?」

藩王セントラル越前は、藩国内の最も優秀なハッカーであり、摂政でもある黒埼に問いかけた。
黒埼はちらりとプログラムを一瞥すると、視線を上げて頷く。

「はい、これで、理術理論を取り入れたプログラムは完成しました。
 相手が理力を理解していないのであれば、情報戦において攻撃・防御をとわず一定のアドバンテージが得られることになります」

そう、このプログラムは空間に満ちる理力作用を論理素子として利用し、これを計算機と同時に伝送路として用いている。
プログラムでありながら精霊、端末でありながらネットワークそのもの。
その境界はどこまでも曖昧である。

「そうですか。うん、ご苦労でした。
…まぁ、コレを実際に使うことにならなければ、それが一番なのでしょうが…」

…だが、藩王の期待に反して、越前藩国の機術師たちが開発した紋章理学と電子情報工学のハイブリッドたるプログラム、まだ名もなきそれは、以後、原始的な電子妖精として活躍していく事になる……。


  • ”プログラムでありながら精霊、端末でありながらネットワークそのもの。その境界はどこまでも曖昧である。” -- 黒埼 (2007-05-17 22:10:48)
  • こんな電波を受信しました。よかったら盛り込んでみてください。 -- 黒埼 (2007-05-17 22:32:47)
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