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状況:拠点爆破

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だれでも歓迎! 編集
舞台はアラダに侵攻されようとしている街。
住民たちは整然と避難している。
視点は変わって大学院の危険物保管庫前。
保管庫管理者の老学者と、若い軍人が会話している。

「もう街の者は全員避難しましたよ!後は我々だけです!
 それで、こんなところに来て何をする気ですか!?」
「敵を巻き込んでの保管庫大爆破じゃッ!!
 ドガアアアアアアアアアアアアアアンとな!!」
「どうやって!」
「いやなに、こんなこともあろうかと自爆装置をこっそりとな?」
「んなもん危険物保管庫に仕掛けんな!ていうかそれは公金横領だ!
 そもそも爆破する必要がどこにある!!」
 軍人の口調から敬語が抜け落ち始めた。
「あの鬼畜どもに500年前の大戦の借りを返すのよ!くっくっく。古傷がうずくわい」
「500年前の古傷って、あんたいくつですか!?」
「まぁ、というのはほんの小洒落たパーチィジョウクでな、
 本当のところは皆の脱出をスムーズにするための目くらましじゃよ」
温和な瞳で軍人を見つめる老学者。
それを受けた軍人は少し考えてから口を開いた。
冷静さを取り戻したのか、表面上の丁重さを取り戻した声で質問する。
「……つまり、爆発を奴らのせいにして、後で新しい保管庫を建てたいんですね?」
「どきー。
 いや、そんなことは思っちょらんゾ、思っちょらん。
 知人から実物大の牛の置物を貰った時に邪魔だなと~思ったほどにしか思っちょらんぞい?」
「力いっぱい思ってるじゃないですか!」
「あそ~れ、ポチッとな」
「話を聞けぇ!」

ここで街の全景に視点は移り、一瞬の間。

そして、

大・爆・発!

画面は暗転。

画面戻る。

街の中央部に巨大なクレーター。

クレーターの底にフタが開き穴から顔をのぞかせる二人。

「あ、あ、あ…」
周囲を見回し、あまりの惨状に開いた口をふさげない軍人と。
「ひゅ~。キレイにふっとんだのう~」
楽しそうに口笛なんぞ吹いている老学者。

二人は漫才(軍人にそのつもりはないだろうが)を再開する。

「あ、アホか、あんたは!
 街を丸ごと吹き飛ばすつもりかッ!」
「心配は要らん!
 音と振動と爆風と炎がメインの爆弾じゃ!!」
「爆発にそれ以外、何の要素があるってんだ!?
 単に威力が大きいってことじゃねぇか!!」
「ふむ、この威力から察するに管理されておった危険物の暴走も起こったようじゃのう……」
「さらに威力強化の補正付き!?」
「計算どおりじゃな。避難用の穴の深さもぴったりじゃし」
「しかも確信犯だ!!」

後にこの二人、事情を知らない街の人々によって、アラダを撃退した英雄扱いされることになるのだが、それはまた別の話。

(書:不破陽多)

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