長門有希の欲求の続きです。)


『今日の部活が終わったら、後でまた部室に戻って来てくれますか? ・・・・・ by 朝比奈みくる』

 放課後。ここ「SOS団」の部室では相変わらず非日常的な連中に囲まれつつも、日常的な日々を過ごしていた。
少なくともここ三日間は何事もなく平穏だ。相変わらず部室の片隅でハードカバーのページをめくっている長門。
オレと古泉は、朝比奈さんの入れてくれた美味しいお茶を飲みながら、まったりとオセロゲームに耽っていた。
いつもならここで、けたたましくドアが開き、勢いよくハルヒが入ってくるところだが、今日は少し様子が違う。

「悪いわね。今日は先に帰るわ。
 さっき連絡があって、どっか遠い親戚で不幸があったらしいのよ。アタシも両親と一緒に行かなきゃダメ
 みたいで・・・・。
 せっかく今日はキョンにとびきりの仕事を与えてやろうと思ったのに、ホンっト残念だわっ」
「おいおいっ! 今度は一体何を考えてるんだっ?
 またロクでもないことを思い付いたんじゃないだろうな?」
「ま・・・とにかく帰るから。
 いいっ? キョン! アタシが居ないからって、またみくるちゃんとイチャイチャしてサボってたら
 承知しないんだからねっ!」

 そう言ってハルヒは不機嫌そうにドアを閉めた。部屋の隅に隠れるようにしていた朝比奈さんが、ハルヒの言葉に
ビクビクしていたのは言うまでもあるまい。なんせアイツの“承知しない”は宇宙規模だからな・・・。

 少しして、携帯電話で誰かと話していた古泉も

「すいません バイトが入りましたので、お先に失礼します」

 と言って帰ってしまった。例の閉鎖空間か・・・そりゃそうだろう。ハルヒは機嫌が悪そうだったし。
ガンバレー古泉!影ながら応援してるぞー・・・。
やがて長門も読んでいた本を閉じ、時間的にはまだ早いが、それが合図かのように俺も朝比奈さんも帰り支度
をすることにした。今日はなんだかラッキーかもしれないぞ。

 数分後、俺は再びいそいそと部室に戻ってきた。下駄箱に入っていた朝比奈さんからの、例の手紙を握りしめて。
部室のドアをノックすると、

「・・・ど・・・ど、どうぞ・・・」

 弱々しい朝比奈さんの声が聞こえてくる。
何か困ったことでもあったのだろうか? そんな思いでドアを開けると、カーテンがピッタリと閉められ、
灯りの消えた薄暗い部室の中に立っていたのは、下着姿でうつむく朝比奈さんだった。

「うわっっ!! ご、ゴメンナサイッッ!」

 俺は慌て廊下に飛び出してドアを閉めた。しかし、背中のドア越しに朝比奈さんの声が聞こえてくる。
相変わらず弱々しい声で・・・。

「あ・・・あの、キョンくん・・・
 わたしなら大丈夫ですから・・・入ってきてください・・・」
「いや、しかしっ・・・」

 まさかハルヒの陰謀かっ? 一瞬頭を過ぎったが、いや、さすがにそれは無いだろう。

「あ・・・あの、キョンくん・・・
 とにかく入ってきてもらえませんか?。わたしなら本当に大丈夫ですから・・・」

 朝比奈さんの言葉に押され、おずおずと部室に入ると、下着姿なのは相変わらずだが、胸の前には
いつも着ているメイド服を抱えて身体を隠すようにして、手前の壁に立っていた。 なんで着ないのか・・・。

「あの、朝比奈さん」
「ひゃい・・・」

 びくっと身体を震わせる朝比奈さん。チクショー、目のやり場に困るんだがな・・・。
その時、ガチャッ! と朝比奈さんが鍵をかける音が響いた。

「えっ・・・? と、朝比奈さん これはどういう事なんですか? ・・・一体?」
「キョンくんっ! お・・お願いがありますっ!」

 赤面した顔で涙を浮かべながら、必死ですがりついてくる朝比奈さんがいじらしい!
しかも下着一枚越しの大盛りバストが密着してきて、、これだけて俺の理性の糸は何本か切れたはずだ。

 聞くところによるとこうだ。三日前の晩のあの事件以来、時間平面上の何処かに、新たな障害が起きる可能性が
出てきたらしく、それを阻止するために未来から朝比奈さんに連絡が入ったと。
しかも、それを解決するにはどうも、今すぐ俺の・・・なんというか・・・つまり精子が必要だと・・・?
なんと無茶苦茶な! しかもまた俺のナニですか? モテモテだな俺。嬉しいやら悲しいやらだ。

「あの・・・・し・・・しぇ・・・セックスはダメなんです・・・。
 それではキョンくんの・・・あ、アレを採取できないし、万が一にでも、に、妊娠しとかちゃったら、
 それこそとんでもないことになってしまうみたいで・・・」

 なんて事言われてもな・・・って冗談じゃない! そもそも朝比奈さんにそんな役が務まるわけがないだろ!
大きな間違いだ! そんな仕事を朝比奈さんに命令したヤツは今すぐここに出て来い!
今にも泣きくずれそうな朝比奈さんを前に、俺は一体どうしたら良いんだ? 誰か教えてくれ。

「それにしても、いくら他の団員が帰ったと言っても、こんなところ、いつ誰が来るかわからないですよ」
「そ、、それは大丈夫なはずです・・・そういうことになってますから・・・」
「未来の人が調査済みとか・・・ですか?」
「き、禁則事項です・・・」

「そうだっ。 いくらなんでも朝比奈さんにそんなコトさせるわけにはいきません。
 あ、あの、俺が自分で採ってきて、朝比奈さんに・・・渡し・・・ます・・・」

 ナニ言ってんだ俺、ナイス・アイデアだけど、スゲー恥ずかしいこと言ってないか??
そこのキミっ 笑ってもいいぞ・・・は、はは。

「だだ・・・だ・・・・ダメなんです・・・わたしの手で、その・・・出してもらわない・・・と・・・」

 さらに真っ赤になってうつむく朝比奈さん

「そんなバカな! どういうワケですか?」
「き・・・禁則・・事・・項・・・です・・・・」

 マズい、時間が止まった。

 沈黙を破ったのは朝比奈さん。意を決したかのように思い詰めたその目には、今にも溢れ出しそうな涙が
ウルウルしていた。

「あの・・・わ、わたしじゃダメですか!?
 わたしも恥ずかしいけど、キョンくんだってきっと、すごく恥ずかしいんだもん。わたし頑張りますから!!」

 もちろんダメどころか全然オッケーですって。むしろこちらからお願いしたいくらいで、断ったりしたらバチが
当たるってモンです。

「それで・・・あの・・・これ・・・」

目隠し!? そんなもの、何処から持ってきたんですか!?

「やっぱり・・・恥ずかしいな・・・って・・・
 あと・・・・コレ・・・」

 縄・・・ですか・・・
わかりました。全て引き受けましょう。朝比奈さんの努力に応えるために。なんてカッコ付けてみても、
しょせん、こんな可愛らしい人を目の前にして、耐えられる男が何処にいよう!?
それにしても、きっとコレはハルヒが冗談半分でネット通販で買って置いたものだろう・・・
まったくあのヤロー・・・。

 かくして俺は、部室の長机の上に両手両足を拘束され、挙げ句の果てに目隠しまでされる・・・
という状態に陥っている。なんともはや。 なんだか上手いことハメられたような気もしないでもないが・・・。

「じゃ、いきますね・・・」

 しばらく躊躇したような間が開いた後、ツンッと唇に何かが触れた。
ああぁっ朝比奈さんの唇だ。軟らかくて膨らみのあるその圧迫感が気持ちいいッッッ。

 やがて不慣れな手付きで、俺のシャツのボタンをひとつずつ外している感触が伝わってくる。
視界が完全奪われている分、音や感触に異常に敏感になっているような気がする。朝比奈さんの動く
わずかな音でさえ、妙に想像を掻き立てられて興奮しちまう。俺ってこんなヤツだったのか?
またまた新たな自分発見だ。

 すっかりシャツがはだけてしまって、今、俺の上半身は朝比奈さんの目の前に露わになっている。
するとまた、しばらくの“間”が・・・。
 おそらく恥ずかしがって動きが止まっているのだろう。モジモジしている朝比奈さんの姿が目に浮かぶぜ。
しかし、俺からすればコレは焦らされていることこの上ない。生殺しだ。

「ツンっ♪」

何の前ぶれもなく朝比奈さんの指が俺の乳首に触れた。

「ふひゃ!?」

思わず妙な声を出しちまった。ヤバい。恥ずかしすぎます朝比奈さん・・・・。

「あの、、、男の人もここって感じるんですね・・・・」

“も”ってなんですか? っていうことは、朝比奈さんもやっぱりそこが感じるって事なんですか・・・。

「ツーンツンっ ツーンツンっ♪」
「ふぁッ! ハヒっ! くふッ!」
「面白いですキョンくん。いっぱい感じてくれて嬉しいですぅっ」
「て、こんなことしてていいんですか? さっさと終わらせた方がいいんじゃ・・・?」
「ダメなんです・・・キョンくんにはいっぱいいっぱい気持ち良くなってもらわないといけないんです・・・」

 なんなんだそれは?どういう理屈だ・・・? と突っ込みを入れると同時に俺は、三日前の長門との夜を
思い出し、薄ら寒さを感じてもいた。 まさかあの時のような悪夢が再び・・・!??
それは勘弁願いたいものだが・・・、心のどこかで期待している俺が居るのも否定できない事実だ。俺って・・・。

 その時、朝比奈さんの手が俺の両脇腹をスーーーーッと撫で上げてきた。

「くひぃーーーーッ!」

く、くすぐったい! や、ヤメテぇっ

「あれぇ? キョンくん こういうの弱いんですかぁ?
 じゃ、もっといっぱいくすぐっちゃおうかな♪ コショコショコショコショコショ・・・」

 朝比奈さんの軟らかくてしなやかな指が、脇の下から脇腹へ、乳首から臍の周りへと縦横無尽に這い回り始めた。

「くふぅッッッ! くひッ! ぐ・・・ぐ・・・くははははッッッ」

 なんとか逃げようとしても、両手両足は完全に縛られて固定されているため、全く身動きが取れない。
くすぐったい部分を無防備にさらけ出している自分が情けない。
しかも、まるっきり視覚を奪われてしまっているので、くすぐったさが倍増してしまっているようだ。

「こ、こんな・・・・やめて下さい・・・朝比奈さんッッッッ!」
「キョンくん・・・前から言おうと思ってたんですけどぉ・・・・
 わたしのことは“みくるちゃん”と呼んで下さい♪ ッて言ったのに・・・・全然呼んでくれてないです。
 バツとして、もっとたくさんくすぐっちゃいますね! コショコショコショコショコショ・・・」

 あ、朝比奈さん。本来の目的を忘れてませんか? というか、そういう性格だったんですか!?

「わたしのこと、みくるちゃん って呼んでくれますか? コショコショコショコショコショ・・・」
「わ・・・わっ・・・わかりましたっ・・・ひッ! くはひッ! みくッ みくッ・・!」

 途中まで言いかけたとき、朝比奈さんが俺の耳にかぶりついた・・・! 

「ふひぁッッッッ!?」 撃沈・・・・。

「ああーッ やっぱりちゃんと言ってくれなかったですぅ! ひどーい ひどーいっ!
 ・・・・でも、キョンくんも・・・耳、弱いんですね 嬉しいなぁっ」

 俺はもう、息をするのが精一杯だった。ダメだ、窒息しそうだ・・・。
今やもう、朝比奈さんの一言一言が、そのくすぐるような声だけでさえ、俺の体は反応しちまいそうだ。

「じゃ、今度はちゃんと言ってみてくださいね。 はいッ み・く・る・ちゃん♪」

 そう言って朝比奈さんは尚も俺の体中をくすぐりまくり、同時に耳をはむはむと甘噛みしながら、息を
吹きかけてくる。

「ふがはははッッ! ぐぎひッッッッ! もう・・もう・・・ヤメテ・・・
 みくッ・・みくッ!・・・るッ・・ちッッッ・・くはぁぁッッッッ!」
「ヒドいですぅ 早く ちゃんと呼んで下さぁいっ
 じゃないと、こうですよぉっ!」

 今度は足の裏カリカリと引っ掻きつつ、同時に甲を撫で回し始めた。

「ふがっはははははッッッッ!! だめッ! ダメっ! ぐふぁぁぁぁぁぁぁッッッッ!!!」
「知ってました? 足って、甲の方がくすぐったいんですよぉ!
 ほらっ コショコショコショコショコショ・・・!」
「はぐひひひッッッッ! もうダメッ! ぐぎひッッッッ!」

 ・・・・・・・・

 ・・・・・・・・

 俺がようやく「みくるちゃん」と言えたのは小一時間も経った頃だった。
朝比奈さんのくすぐりの手がようやく、スッと止まり、全身は既に汗だくだ・・・。

「嬉しいです! やっとちゃんと言ってくれましたぁ! ・・・・ふにゅぅ・・・!」

 そう言うと、再び朝比奈さんが熱い口づけをしてきた。僕も嬉しいです。ハイ。この世の幸せです。
が、せめて目隠しの無い状態でして欲しかった。
 しかし、実はこんなに朝比奈さんが意地悪な性格だったなんて、甚だしく意外ですね。もしや、
普段ハルヒにいじめられてる鬱憤を発散させて居たんんじゃなかろうか・・・?

「じゃぁ・・・、今度はご褒美ですね♪」

 朝比奈さんの指がベルトのバックルをカチャカチャいじっているようだ。今ファスナーを下げ、ズボンが
下ろされていく。

「すごいですぅ。パンツにいっぱいシミが出来ちゃってますよぉ 汗とは違いますね。ヌルヌルぅ・・・。
 それに、まだ一回も触ってなかったのに、こんなにおっきくなっちゃってます」

 目を丸々として、顔を近付けているだろう朝比奈さんの姿が目に浮かぶ。そんなに恥ずかしいこと言わないで
下さい。 この時ばかりは目隠しされていて良かった・・・と心底思ったね。

「じゃぁ、パンツも下げちゃいますね」

 と言って朝比奈さんがパンツを下げたと同時に、俺のいきり立ったモノが、ビタンッ! と顔に当たったようだ。

「ふひゃ!? 痛いですぅぅぅ・・」

 ああ、僕の心も痛いです。スイマセン朝比奈さん。元気すぎる息子で・・・

「触ってもいいですかぁ・・・?」

 も、もちろんですとも!もう限界です。早く触ってください!!!

「じゃあ、ニュルニュルしちゃってもいいですかぁ?」

 いちいち聞かれると、なんだかとてつもなく恥ずかしいんですが・・・。それに、さっきから俺の太ももの
上に乗っかっているのは、朝比奈さんの豊満なバストですよね?

 そして、明らかに手とも口とも違う柔らかな感覚が俺の局部を圧迫してきた。
なんだろうこの感覚は・・・? 長門にやられたときには無かった感触だ・・・。 えーと、、、長門に無くて
朝比奈さんにあるモノ・・・・・・・。俺の想像が正しければ、今、朝比奈さんのその大盛りおっぱいでまさか、
パイズリしてくれてるのか・・・!?

 両側から圧迫される豊満なバストの感触。そして先端はトロッと口の中に吸い込まれていく感触・・・。
ああ、俺はこの時ほど、この目隠しを呪ったことはない。明日 部室の何処かでこの目隠しを見つけたら、有無を
言わさず捨ててやろう!。

 ぁあああっ、なんて優しい感触。全てが包み込まれるようです。

「・・・あ、、、、イキますっ イッちゃいます あさひ・・・、みくるちゃんっ!」
「ふ、ふひゃぁぃ・・・」

 もうろうとする意識の中、俺は大量に朝比奈さんの口の中に果てていた。くすぐられるというのは相当に体力を
消耗するらしく、そのまま疲れて俺は、失神とも眠りにともつかない帳に落ちてしまったようだ・・・。

「今日はありがとう キョンくん・・・」

 最後に僅かに聞き取れた言葉、朝比奈さんの声は、気のせいか少し大人びた感じがしていたような・・・・。

 ・・・・・・・

 ・・・

「・・・・ですか?」
「ん・・・うん・・・・」

 遠くから誰かの声が聞こえる。

「・・・ですか? 起きて下さい。」
「だ・・・誰だ・・・?」

 少しずつ意識が戻ってきた。

「古泉です。 大丈夫ですか? 起きて下さい」
「こ、古泉!?」
「もう、とっくに下校時間ですよ」

 慌てて飛び起きた俺の目の前には、古泉がいつものようなニヤけ面で立っていた。

「忘れ物に気が付きましてね。バイトが終わった後に戻ってきたんですが・・・
 どうしたんですか? こんな所でお昼寝ですか? といっても、もうすぐ陽が沈みますけどね・・・。」
「あ、あぁ、、俺も忘れ物を取りに来たんだが、最近どうも疲れ気味でな、ついウトウトと・・・」
「なるほど 納得です。」

 何処をどう納得したのか解らんが、ともかく適当な言葉で古泉をあしらいながら、俺は辺りを伺った。
服はちゃんと着てるみたいだ。目隠しやロープの類も見当たらない。当然、朝比奈さんの姿もない。
朝比奈さんが全て片付けてくれたのだろう。感謝です。

「なぁ古泉、俺は1人だったか?」
「当然じゃないですか。他に誰が居るというんですか?」

 いぶかしげな顔をする古泉を横目に、俺はとんでもないことが頭を過ぎっていた。
長門、朝比奈さんと来て、このパターンだと・・・まさか次はコイツが・・・・!?
ありえんっ! そんなことは断固拒否するっ! 例え世界が消滅しようともだっ!!!

「・・・・? どうかしましたか?」
「どうもせんっ! 顔を近づけるなっ!!」




終わり。

最終更新:2007年03月16日 01:12