「霊子アンテナ」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

霊子アンテナ - (2007/07/22 (日) 23:57:06) のソース

1930年以降の大日本帝国、軍事独裁の政権下以前より、その幽子の存在は仮定されており、後のニュートリノ研究などに転化発展していくのだが、その際に発見された副産物が「陽霊子」と「陰霊子」である。 

古来より鬼、妖怪、幽霊、神仏などの生体を具象構成していたのが両霊子であるとされる。 
「ハレの日、ケの日」と呼び習わしがあるように、光と影、陰陽が自然界には存在し、それを構成する要素である。 

軍事独裁の政権下で、この粒子を軍事転用出来ないかと研究され、すなわち、敵国の兵士に怪異を見せることで士気を奪い狂気へと誘わんとする目的である。実際に第二次世界大戦の資料を見る限り用いられた形跡はない。 
----
戦災からの復興時、兼ねてより怪異の頻発する霧生ヶ谷市の市庁舎に奇妙なアンテナが据え付けられた。市に古くから住む[[真霧間源鎧]]がその霊子研究に携わっており、それを怪異を治める手段に利用できないかと考えたのだ。 
アンテナは霊子の送受信を行い、霊子の拡散波を遮断、結合具象化を防ぐ役割を果たし、また特殊な電波を発信することで通常人の脳波に影響を及ぼし、怪異の存在を脳裏から消すことに成功した。 
とはいえ、地域によっては霊子が濃く現れることもあり、完全に怪異の目撃情報を遮断するにはいたっていない。

----
[[霧生ヶ谷市第一庁舎]]には四基のアンテナが取り付けられており、そのディッシュ径(直径)は四九メートルにもなる。


参考事例:
[[陽霊子と陰霊子]]
[[真霧間源鎧科学研究所]]
**まつわる噂
市庁舎のアンテナには前述の通り不備が報告されている。 
つまり、完全にその具現化を抑えるに至ってはいないのだ。 

そこで内部から、特に申し出があった、あるいは研究室による独自の判断でそれが必要であると判断された場合にのみおいて、簡易アンテナを設置してはどうかという意見が、過去に何度か出たことがある。 
それは霊子を打ち消す(あるいはたんに見えなくする)ための発信用アンテナであり、医療器具にも例えば、耳鳴りがひどいひとののための、耳鳴りを消す装置、というのがあるのだが、(それは難聴の人が耳に付けているのと、外見的にはよく似ている。ある特定の音を出すことで、耳鳴りを感じなくさせてしまうのである)原理はほぼこれと同様のものである。 
だが、それが霊子の発信専用装置であることから、他地域への影響が出ることへの怖れ、またその器具を用意するための経費やメンテナンスの問題、また悪意ある第三者への悪用を危ぶまれ、抵抗・反対に遭うのが常であった。 

そして現在、研究室においてひそやかに、ある噂が流れている。というのも、すでにどこかに簡易アンテナは設置されており、未回収のものがあるのではないか、と言うのである。 
根拠は、簡易アンテナを設置した際の効果を記した実験報告書が、倉庫の奥から発見されたこと、その日付が、市庁舎に巨大アンテナが設置された以後のことであること、そして何より問題なのが、実験好きの某研究者の存在そのものである。 

しかしながら、その物的証拠でもある簡易アンテナは未だ見つからず、またもう一つの証拠と言える報告書も、それを見た、という者がいながらも現在行方不明になっているため、これは噂の域を出ないものとして、内部で葬り去れようとしている。 
これは、トラブルをできるだけ内々で片付けてしまおうという、公務員的性格も、一因と言えるかもしれない……。
記事メニュー
目安箱バナー