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霧生ヶ谷市立南高等学校の陸上部の部室が立ち並らぶ校舎裏の隅にある古井戸。現在は鉄製のふたがしてあるので普段は中を見ることは出来ない。夜な夜な女の幽霊がでるという噂がある。霧南校七不思議の一つ。
「諸君は知らないだろうが、この学校は実は墓場の上に建っている。それも、由緒正しいお寺さんがあった場所だ」と鳴阿先生が解説を始める。「諸君らも一度は見た事があるだろうが、この校舎の裏手には古井戸がある。もちろん今は蓋がしてあって中を見る事は出来ないが」鳴阿は徐々に声のトーンを落とす「実は、あの井戸には女の幽霊が出るんだ。それで学校を建てるときに埋めようという話があったんだが工事に関わった人間に次々と不幸があったせいで、お払いだけして蓋を被せてそのままにしてあるんだ。」 「なんかそれ、聞いた事ある。確か、霧南校七不思議の一つですよね?」と外谷。「どんな幽霊なんですか?」香川部長。「ああ。これは聞いた話だが、白い服を着た女の幽霊で、長い黒髪が膝の辺りまで伸びていて、顔は鬼のように恐ろしいらしい。それで白い腕を伸ばして見た人間を井戸に引きずりこむって話だ」
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