シェアワールド@霧生ヶ谷市企画部考案課

第二回霧生ヶ谷のオフ会

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集

『第二回霧生ヶ谷オフ会』

 どこに表記するべきか迷ったのですが、これも一つの作品ということで。

 

 

 8月26日。あずささんを迎えるために二条駅へと赴く私。その足取りは軽いような重いような……?
 ほら、会ってみたいけど緊張もする、みたいな。これがオフ会の醍醐味という気もしますが。
 二条駅に辿り着いた時、あずささんはまだ到着しておられなかったのか私が気付かなかったのか、暢気にガムを買ってる私。
 外に出て、「さて、あずささんを待とう」と思った瞬間、1人の女性と眼が合った。
 あずささんに予め教えてもらった特徴を思い出す。黄色い服とガラゴロ(旅行とかの大きなカバン)。一致した。
 けど、本当に合ってるのか? 間違えると大恥かくよなぁ。けど、あれな気がするんだよなぁ。という、顔を知らない人と待ち合わせる時に、誰もが考えるようなことを思いながら、あずささんらしき人影に少し近づく。
「もしかして――」
 たしかあずささんがそんなことを言ったような。それで、互いにガン見していたのが氷解。
 後から気付いたのですが、お互い自己紹介らしい自己紹介をしていない。
 最初に何を話したのかは忘れてしまいましたが、なんか「雨やんでよかったなぁ」ということを私は言ったような……?
 あと、横文字の日。
 第一印象は……言わないほうが良いのかな。失礼なのか。いや述べておこう。正直に言うと、聞いていた通り小さい人。ごめんなさい。
 私は口数が多いわけではありませんが、人見知りとかはしない方なので割とすぐに馴染めたような。あずささんと宿を目指す。
 ここで地元人の私がいきなり道を間違えた。具体的に言うと、上と下の漢字を間違えた。恥ずかしいですね。馬鹿丸出し。
 無事に宿を発見。あずささん突入。宿の中から聞こえてくる会話にも耳を傾けながら、ぼんやりと過ごす。
 小さな身体に似合わない(失礼)大きな荷物を置いて、身軽な格好であずささんが出てくる。
「宿主さんの話によると、いちいち京都駅に戻っていては銀閣寺が閉まってしまうらしいです」
 いきなりトラブル。仕方無しに甲斐さんとは現地集合することに。
 地元人の私はあまり役に立たず、しかしどうにか銀閣寺到着。
 甲斐さんはまだか。と言いながら銀閣寺に入ってしばし時を過ごす。邪魔な苔ってなんですか。
 とりあえず一週しようぜ、という話になって斜面を登る。そこで景色を眺めている時に、甲斐さんから「到着」というメール。
 下にいるんじゃね? とか言いながら人ごみの中に甲斐さんの姿をマジで見つけた。決め手は杖ですよ。
 甲斐さん合流。歳がわからん人だ。私の予想は20~30の間。広すぎますね、ええ。けど、よくわからないんです。しかし、それが甲斐さんでもあるような。悪い人ではないが、よくわからない人。どうだろう?
 とりあえずもう銀閣寺をもう一周して、そこからとりあえず歩き出す。霧生ヶ谷の話とかしたような?
 何となく歩いていると、神社を発見。山道を登っていくというところで、面白そうだったので突入。
 ちょっと山を登ると、神社と休憩所への分岐点。なぜか山頂の休憩所がチョイスされた。まあ、私はどっちでもよかったですが。
 しかし、このチョイスは正解! 蚊さえ無視すれば、かなーり良い場所でした。蜩も鳴いてましたよ。
 そこで1時間ほど? 霧生ヶ谷のこととか、色々と取りとめのないことを話す。この時は、相手を知る段階だったのでしょう。しかし悪い雰囲気ではなかったと私は思っています。何となく和んでさえいました。
 薄暗くなり、食事もまだということで山を下る。途中で「神社に行かないんですか?」というあずささんの意見は甲斐さんの「真っ暗になってもいいなら」という言葉に消される。真っ暗は真っ暗で愉しかっただろうなぁ。と、この時は思った。後に体験するとも知らず。
 銀閣寺から南禅寺まで歩くと言う蛮行。南禅寺ってどこだったかな、と私の記憶はおぼろげで、「それでいいんじゃないですか」と安易に返事をしてしまったのが運の尽き。後から聞いた話ですが、その日にあずささんは万歩計を持っておられました。約3万歩、歩いたそうです。
 この時、夏休み明けで久しぶりにはいたローファーのおかげですっかり靴擦れ。いやぁ、痛い。
 南禅寺付近に到着し、どこかで飯を食べようという話に。しかし、店はほとんど閉まっている。唯一開店していたところも、もう終わりかかっていて入れなかった! 空腹のまま、南禅寺に吶喊することに。
 照明が少ないですよ、南禅寺。暗い、非常に。暗いお寺を徘徊する3人。山を登るほど人影がなくなる。
 水道橋から先はもう、肝試し状態。途中、なぜか英語だけそれも筆記体の看板が。要約すると、「こっから先に行くのはあんたの勝手だが、何があっても俺は知らないぜ」みたいな。不穏すぎる。
 手元にあるライトはケータイだけという貧相な装備。それでも甲斐ミサキさんは進むのです。どうします、あの人。私が左前方に墓地らしき影を見てそれを伝えても、「そんなのあるわけないじゃーん」とか。何を根拠に言ってるですかこの人。
 確認したところ、マジで墓地。そして我が師こと甲斐ミサキが言う。
「この墓って、ちゃんと供養してあんのかな?」
 なんでそう不安を煽るのか! いつの間にか、彼の中で私はホラーとか平気な人になっていたらしい。そんなことはないのですが。怖くないふりはできますが、実際はすっげぇ怖いのです。ええ、見栄ですが何か。
 こっから先は猪とかいるぜ、何があっても知らないぜ。お寺さん、それで大丈夫なのか。
 自然保護区域に脚を踏み込むのはさすがに気がひけたので、下山することに。
 とりあえず京都駅に戻りたかったが、どうやって戻ればいいのかわからない。バス停を探してまた歩く。
 発見。バスに乗って京都駅へ。そこでテキトーな食事を取り、解散。
 飯を食べている間、バイト先の店長の奥さんが前を通って、私が真剣に冷や汗をかいていたことは、あずささんもミサキ師も知らない。
 いやほら、半ばさぼりだったから。

 

 

 8月28日。夕刻に京都駅の大階段に集合。この日は眼の調子がちょっと悪くて、顔を見るのに時間が掛かった。
 予定では、ミサキ師、香月(私)、あずささん、らきさん、りかこさん、ギルさん、ゆーきあんちゃんの7人。
 私が到着した時点では、まだミサキ師しかいなかった。
 ゆーきあんちゃんからのメールで、ミサキ師がそれを迎えに行く。ぽつんと取り残される私。ぼんやりと待つ。
 あずささんがひょっこりと姿を現して、しばらく話しているとらきさん登場。
 実は、らきさんは今回のオフ会で私にとってこう――なんだろ、最も印象深かった人。理由は二つあります。詳細は後ほど。あずささんとミサキ師は、霧生ヶ谷の中で特に親しくさせてもらっていたので、カウントには入ってません。
 らきさんとあずささんの会話を聞きながら、ぼーっとしていると「失礼ですが――」と声をかけられる。ギルさんでした。
 いつからそこにいたんだ! という感じでした。京都駅の風景に溶け込みまくってましたよー。実は京都の人か。
 ゆーきあんちゃんをミサキ師が探している間にりかこさんが到着。りかこさんは、もともと情報が少なかったので想像することすらできていませんでした。今回のオフ会で、少しでも人となりが知れたと思いたいです。
 ミサキ師がゆーきあんちゃんを捜索している途中、時間を過ぎて店に予約をキャンセルされる。
 どうしよー、どうしよー、と言っているうちにゆーきあんちゃん合流。
 ミサキ師が言っていた。「ふつーのおっちゃん」と。それは正しいかもしれない。イントネーションの差を誰よりも感じた人でもある。ああ、向こうではそういう発音なのか、と1人で納得していたり。そしてこのゆーきあんちゃんは、積極的に話を振ってくれる人。
 夕食。なぜか腹が減らない私。仕方なしに水で過ごし、食事もしていないのに無料サービスのコーヒーを飲む。
 さてさて、カラオケ。これ、らきさんが印象深かった理由その1。
 私はバンドをやっていたことがありますし、今も1人ではありますが(もともとソロ演奏者なので)音楽はやります。ちなみに楽器はキーボード。
 らきさんは、私がバンドを組んでいた時のボーカルよりも遥かに声の出し方を知っておられます。単純に言うと、歌が上手い。それも力強い方向に。
 声には出しませんでしたが見事な発声だなぁ、と。あと、わかってはいましたがイラストが見事。
 ミサキ師は、歌がエロいと友人に言われると。聞いて納得。うん、それは的を射ている気がする。
 結局、歌わない私。隣でやっぱり歌わないあずささん。歌わな2人は、端っこでおとなしく座っているのですよ。
 カラオケは苦手なのですが、上手い人がいると聴いてるだけでも価値があるな、と。
 しかし、まあわかっちゃいましたけども、カラオケは顔を近づけないと隣にいるあずささんの声さえよく聞こえない。何か言う度に、「なんですか?」と尋ねながら頭がぶつかるくらいの距離で言い直すのは面倒くさいな。
 けど愉しいことも確か。年齢とか結構ばらばらだったので、世代とかそういうのも感じました。やっぱり、学校の友人と行く時の選曲とは違います。それに無理強いされない。「歌えや!」言うて無理矢理マイクを渡されるのなんていつものことなんですけどね。
 お土産。書いてる最中に思い出した。お土産です。皆さんがそれぞれに持ってきてくださったんです。
 北海道組は白い恋人、ゆーきあんちゃんは萩の月、ギルさん赤福餅。夕飯を食べていないのに、まだ空腹が訪れない私。どうなってるんだ。
 とりあえず、白い恋人2枚と萩の月を1つ頂く。さて、最後の赤福。どうぞー、と言って誰かに手渡されたのはいいのですが……皿がないのですよね。
 気合で食えるよ、とか言ってミサキ師みたいな人は食べます。けど私には難しいので、どうやって食べるか考える。赤福餅をガン見して、時々視点を上げたり下げたり。とりあえず、食べないと。せっかく持ってきてくださったのだから。赤福は常温保存できないですし。
 ヘラで一口サイズに切ることもできず、満腹状態も改善されず、無駄に時間を消費する。
 結局、らきさんが「食べられないの?」的なことを言ってくれまして、それで食べるのをやめました。ごめんなさい。空腹がこないんです。
 その後解散。宿の近いあずささんと一緒に帰る。皆さんの第一印象とか、そういう話をしたような。
 そこで、次の日に合流する予定のせるさんが男性か女性かで意見が食い違う。私は最初男性だと思っていて、後に実は女性なのだろうか、と変化して、あずささんはまったく私の逆。
 じゃあ何か賭けようぜ、ということになって、ジュース1本くらい奢るという約束をこの日にしました。
 ちなみに、私は割と敗北主義者。勝とうとはまったく考えてなかった。

 

 

 8月29日。この日は眼の調子が良い。だから機嫌もすごぶる良い。
 諸事情により、あずささんからメールが来るのをずっと待っていたので、睡眠時間は3時間いってない。それでもなぜか元気な香月。
 大階段で合流した時、私が一番遅かったです。そして、新しい顔が。せるさん。男性でした。
 もう少し後からわかったことですが、せるさん関西人。イントネーションが普段の私と近い。私的な会見ですが、ギルさんとせるさんは雰囲気が近いような気がしました。現に、お2人は気が合ったのかよく喋っておられましたし。
 京都駅を出発し、嵯峨嵐山に。優先席を陣取る霧生ヶ谷。まあ、誰もいないし良いんじゃないかと。優先するべき人がいなかったら座っても構わないはず。
 ゆーきあんちゃん、あずささん、らきさんと相席。お話を聞きながら、駅名を確認して行く。
 なんだっけか……モロモロとかイロイロとか、そういう話をしていました。けどこれは面白いですよね。イロイロからモロモロになるって。
 私は、人が多い時はそちらに任せて話を聞いているタイプですが、愉しい。会ってちょっと喋るだけでこんなに愉しいことって、なかなかないです。
 嵯峨嵐山駅で下車。時間に急かされながら、保津川下り関係のキップというかチケットというか、そういうのをらきさんがまとめて購入。
 ぎりぎりでトロッコに乗車。実は前日に裏向きにして好きなのを取るというくじ引き方式で席を決めていました。
 りかこさん、あずささん、ゆーきあんちゃん、ギルさん、ミサキ師がまとまり、4つか5つほど離れたところに私とらきさん。そのちょっと横にせるさん。
 らきさんと景色の話をしながら、微妙に遅いトロッコの硬い椅子でおとなしくする。
 そこになにやら変なおっさん登場。頭に何かついていたのは気のせいであってほしいのですが。取り忘れか、それともわざとか。
 前方で固まっている霧生ヶ谷組に、おっさんが絡む。何を言っているのかは断片的にしか把握できませんでしたが、らきさんと私が確実に聞き取ったのは「夫婦」という単語。
 夫婦!? 誰と誰のことか気になるじゃないですか。妥当にいけばゆーきあんちゃんとりかこさん。ギルさんとあずささんだと、夫婦というよりカップルということを先に連想すると思うので。ちなみに、私とらきさんは普通にスルーされた。
 写真を撮ったりもしました。撮影のたびに言われる。
「後ろのお兄さん、もうちょっと頭下げてくださいねー」
 腰が痛い。
 私は写真を買いませんでした。霧生ヶ谷とかそういうの関係なく、写真はあまり好きじゃない。撮られたり撮ったりするのはなんともないですが、あまり所持していたくないのです。記念ということにあまりこだわりたくないので。そのせいで身動きがとれなくなるのは嫌だから。
 それに、霧生ヶ谷の皆さんの顔は絶対に忘れないから大丈夫。
 トロッコ下車、バスに乗車。15分だったかな? そのくらいで保津川下り始点に到着。
 らきさん、あずささん、私、ミサキ師が霧生ヶ谷の前列。席順もこの通り。
 りかこさん、ゆーきあんちゃん、ギルさん、せるさんが後列。
 最初の方は緩やか。みなさん、それぞれに写真を撮ったりして愉しんでいました。船頭さんも面白い人たちです。MCというのは変な言い方ですが、退屈することはありませんでした。それに、操船しているところはすごく格好良いですよ。
 流れに乗った船は速い。急流のところは、水が飛んでくるし、揺れるし、岩すれすれ。
 頭が濡れると私は髪型が崩れるので、ひたすらそっちをガードしてました。被弾率は、ミサキ師が高かったような気がします。内側の席は譲りません。
 船頭の人が、わざと水を飛ばしてくる。高低差があるところでは、ジャンプして余計に船を沈めて水がばしゃーん。
 時に前列の人の背に隠れ、腕で頭をガードして、頭にかかる水だけは躱そうとする私。あずささん、笑っていられるのは私が濡れていないうちでございますよ。頭がぺたーんとなった私は、きっと一緒に歩くのが嫌な、辛気臭い見た目になります。
 保津川下りで判明したことが2つ。1つは、ギルさんって結構アクティブな人です。船を漕ぐのに、自ら志願する勇気は私にはありません。
「お友達の兄ちゃんもやるんやで」(関西弁は文字にしてはいけませんね)
 と言われましたが、そこは笑って誤魔化す。ええ、男ですけど別に女でもいいです。
 2つ目は、せるさん意外と喋る人です。私はあまりお話する機会に恵まれませんでしたが、声はよく聞こえていました。今回のオフ会で、私が最もよく会話したのはミサキ師かあずささんかのどちらかでしょうきっと。その次にらきさんかな。
 何度もトロッコが上にある線路を通っていくのですが、そちらの人達は手を振ると振りかえしてくれるのですね。いや、どっちから振っているのかなど定かではないのですが、こういうのは好きだな。
 下流で、船が待ち構えていました。売店ならぬ売船。私達が乗っている船の横につけて、流れに乗りながら飲み物や食べ物を売ってくれるのです。
 面白いですね、あれ。船の上に鉄板置いてイカを焼いてんだから。
 しかし、例によって食べる気が起きない私。同列に座っていたらきさん、あずささん、ミサキ師がみたらし団子を買っていましたが、1本食べる自信がない。
 それに、食べることにお金を遣うのがすごく損に思える性格なのです。食べ物なんて食べられればいいし、飲み物なんて飲めればいい。ついでに言うと、睡眠も時間を浪費している気がしてなりません。
 それでも、食べない私を気遣ってくださったあずささんが「食べる?」と言ってくれた時は食欲なくても嬉しかったですよ。
 だが、金を使いたくないと言いましたが他人の金なら良いというわけでもないし、口つけるのも悪いしなぁ。いやまあ、くれると言ってくれているだけでそういうのを気にしない人だという気はしましたが。だから少しだけもらいました。
 それに、私は放課後に好きな女の子のリコーダーを吹くタイプでもありませんし(わかりいくい?)。そっちに興味はない。
 船を下りたら昼食。近くをうろうろと徘徊しながら、どこの店で何を食べるのか思案する。
 そこで、一端分離しました。本格的に食べる組と、そこいらでちょっとだけ食べる組と。私はそこいらでちょっと食べる組。メンバーはあずささんとらきさん。
 しばらく話し合ってかき氷ということになり、私は柚のかき氷を食べました。みたらし団子1個を除けばこの日最初の食事です。
「嫌いな物多いんだね」とあずささんに言われた(正しい)私ですが、柚は好きです。あと蓮根。
 言い訳すると、私は嫌いな人が少ない代わりに嫌いなものが多いのです。ほんと、嫌いな人ってこの世に2人だけだからね。
 かき氷を食べながら、本格的に食べる組を待ち、合流。諸事情により、時間を潰すために二条城へ。
 ああいうところって、学生証なくても高校生料金で入れてくれるのですね。知りませんでした。
 ここで知ったのは、らきさんは時折、ボケているのか本気なのかわからなくなる人だということ。ほんと、どっちなんでしょう。
 真面目に答えるべきなのか、こっちもボケて返すべきなのか。逡巡したりしなかったり。鹿とか馬とかって……なぜ鹿とか馬?
 頭上注意の文字を見て、先を歩いていたらきさんが笑いながら振り返る。そこまでどんくさくないはずですよ! けど、別の場所で1回ぶつかりかけた。
 あと、ミサキ師の変な倫理観。霧生ヶ谷水滸伝について話し合っている時は物書き2人という感じなのですが、ちょっと横道に逸れることもしばしば。それもあらぬ方向に。けど、お互いの知識を合わせると良い作品が出来そうな予感。
 よくわからない。けどそれがデフォルト。
 なぞに鯉を見つめる霧生ヶ谷一門。
 その後、天守閣跡でしばらく寛いで、次にどこへ行くべきかを考える。とりあえず行こう、ということになって下りる。
「飄々としてるけど、リクエストには応えてくれる」
 ブタも煽てりゃ……という意味ではないのでしょうけど、ミサキ師が私のことをそう評す。何を思って言っているのか。
 二条城の城壁を登ってみなさい。という命令でした。あれたぶん、せるさんが城壁に脚をかけたことがきっかけではないかと。
 人目もあるし、そんな馬鹿なことを――と言い訳するはずがなぜか登っている香月さん。あれぇ?
 らきさん、ケータイでムービー撮ってたね。
 ちなみに登った感想。私は身長が180ちょいありますが、脚が届かない。つまり、木登りみたいに脚をかけてかけて登っていけないのです。
 だから、仕方なしに僅かな足場からちょっと飛び上がって、石の間に手を入れてその後に脚をかける。という動作を繰り返す。
 しかしあれ、計算されているのですかね? 登ることは不可能ではないですけど、壁に張り付きながら飛ぶのは怖いのですが。下手したら背中からごつんですし。あれを乗り越えようと槍を担いて登り、上から石を落とされたり突き倒されたりするわけですね。
 半分ほど登ったところで、急に手足をかける場所が減りました。スニーカーとかならまだいけたかもしれないけど、硬いローファーでは辛い。断念。
 ひょいと飛び降りて終了。飛んだ時にいくつか驚きの声が聞こえましたが、あれって霧生ヶ谷の人たちのものですよね? 他の観光客じゃないよね?
 二条城を出て、祗園へと向かう。バスの中でミサキ師とクトゥルー神話のことや高野山のことや水滸伝のこと、要するに創作に関する話題で盛り上がる。
 裏高野の話は一理あるけど、ラノベとかでとっくに使われてるだろうね、という意見は一致。
 ここからです。私の理想が実現したのは。
 夕食のため、祗園で店に入りました。少し狭い、けど8人はならいける座敷。みんなの顔が見えて、食事をしながら色々な話ができる。
 席は、

 せるさん ミサキ師   りかこさん あんちゃん
 ギルさん あずささん らきさん   私

 だったような気がします。
 色々な話をしたので、逆に何を話したのか思い出さなければならないのですが。
 とりあえず、私は豆腐を食べた時点でかなり満腹。かき氷しか食べてないのにね。どれだけ安上がりな奴なんだ。
 北海道オフの話もしました。少なくとも、私は本気ですよ。未成年という縛りはミサキ師との協働で取り払うから、金さえあれば行けます。
 私が負担する額は3千円で、他は全てミサキ師に払ってもらうのが理想形。しかし、それだと無茶苦茶いじられそう。まあ北海道だったら、らきさんかあずささんのところへ逃げます。自覚のある変態に追われている、とでも言って。
 けど、女装は無理じゃないか? 嫌とかじゃなくて、無理。眼も当てられないと思うのです。ミサキ師ならともかく、りかこさんやせるさんが「いけるんじゃないか」と言うから本気にしてしまいそうですが。帰る途中、化粧って人が変わるから、的なことをあずささんにも言われましたけど。
 私的なことを言えば。顔つきにもよりますが、服装などに気を使わない女性よりは、女性っぽく見せることができそうな男性ってけっこういるかと。……あれ、これって肯定してる? けど、やれと言って服を渡されたらとりあえず着ると思います。化粧とかも全部やってくれるならご自由にどうぞ。笑ったら飛び掛りますが。あと、そういう趣味があるわけではありません。ミサキ師も言いました。
「けっこう硬派」と。
 性格ではなく、趣味が。いやまあ、ゲームのチョイスが硬派ってだけですが。
 思い出しながら書いているので話題の順番はばらばら、場合によっては抜けているでしょうけど許してください……。
 せるさんが言っていたことを思い出しました。「これが北海道のノリ?」と。
 京都の中でも、引っ越した私にはひしひしと伝わってくる地域による感性の差。県単位で違うと、やっぱり差も大きいのでしょうか。
 けど、たしかにらきさんとあずささんは不思議な空気があります。お2人と、それぞれ別で喋っている時はわりと普通……いや、らきさんはそれでも若干不思議な人でしたが。悪い意味ではありませんよ。
 とりあえず、ミサキ師がゴスロリがあーだこーだと言っている時に、笑いながらこっちを見てはいけません、らきさん?
 ギルさんは、一足先に帰らざるえなかったのですよね。それは残念でしたが、これっきりじゃないと思って爽やかにお別れ。
 うん、絶対にこれっきりじゃない。ツキが巡ってきたおかげで、最も会える可能性が低かった北海道のメンバーに会うことができたんですよ。また会えなければ嘘です。つーか、霧生ヶ谷一門を制覇したい。
 1年に1人くらいのペースでメンバーが増えながら、細く、しかし長く続いていくんじゃないか。と甲斐さんは言いますし。そうあって欲しいです。
 と、感慨深くなってると横から騒音。らきさんのケータイ。ああ、あずささんに馬鹿の壁のぼりを見せているのですね。ん、馬鹿? 
 らきさん、そういう意味で馬とか鹿とか言ってたのか! 気付かなかった。いや、勝手な憶測ですが。
 ところで、次のオフは何が良いか。絶叫オフとか、雪祭りオフとか言ってましたが。
 私としては、絶叫したいところ。だって、雪は冷たいのを通り越して濡れる。濡れると私は死に絶える。
 ゆーきあんちゃんは、絶叫するけど絶叫系は平気な人だそうです。それって、最も楽しめてる形じゃないですか? 羨ましい。
 このあたりまでは覚えているのですが、そこからは意識が朦朧と。疲れているように見えるだけ、といつも言っていますがあの時は本当に疲れていたのだろうな、と家に帰って思いました。何かもうだるんだるん。
 料理を無理矢理押し込んで、机に1人突っ伏している香月。ええ、馬鹿です。
 皆さんの声を聞いていると、だんだん眠くなってくる。前髪が良い感じに光を遮ってくれてさらに眠気倍増。
「机に懐いているー」
 というらきさんの声で覚醒し、体が起こしてまた倒れる。
 ミサキ師が奇声を上げながら頭を撫でるのでそれを振り払う。
 あ、もう駄目。という時にまた誰かが私の頭に手を乗せる。またセクハラ大臣甲斐ミサキか! と思って目を開けたら違った。
 らきさんでした。
 どうしていいのかわからず、しばし硬直。あずささんによると、私は驚いた顔をしていたそうです。
 これ、らきさんが印象深かった理由その2。だって、キャラ的にそういう経験はなかったから。そして、最年少じゃん俺。とリアルに思った。素が出た。
 ミサキ師なら「あーっ」って言いながら撥ね退ける。だってあの人、髪型ぐしゃぐしゃにしようとするから。ギルさんに「実は女性だろ」と言い続ける変態だから。最終日に、実はせるさんも女性なんじゃ、と言い出す変な人だから。けど、こういう風に容赦せずに書くことができるのは、ミサキ師の言葉を借りれば、心的距離が近いからでしょうけど。
 半覚醒状態で出て、駅まで歩いてそこで別れる。二条組は地下鉄の方が良いと思ったので。
 ところが、地下鉄の駅だと思っていたところが京阪か何かで、しばらくあずささんと迷走。そして気付いた。
 京都って、碁盤みたいな街だから、1本筋が違っても景色が似てるところっていくらでもあるんですよね。
 地下鉄は、もう1つ奥だ。ということで歩く。が、なかなかつかない。
「15分くらいならもうちょっと?」
 とあずささんは言いますが、なんかすっげぇ歩いた気がするんです。なぜだろう。寝てたから? 歩きながら。
 で、右往左往して結局バスに乗ったという体たらく。まあ、二条についたから良し。
 歩きながら、オフ会のことを少し振り返ったような気がします。そして、明日で終わりだな実感。
 けど、惜しむようなことはしたくないです。だから、学校の女友達とかなら家まで送っていったりもしますが、あえてそれはしなかった。まだ明日があるから、ということで。限られた期間だけど、やっぱりこう、爽やかな感じで。粘着なのはいけませんよねー。

 

 

 8月30日。間違えて大階段に向かうバカ香月。途中でミサキ師に捕まり、間違いに気付く。
 集合する時は本格的に雨が降っていました。
 一応、オフ会は28日と29日ということだったので、26日と30日はプロローグとエピローグみたいなものだと思ってください。あまり長くは書きません。
 宇治に行って、平等院を見る。雨でしたが、まあそんなのは気にしない。
 鳳凰堂の前で残った5人、つまり私、ミサキ師、ゆーきあんちゃん、あずささん、らきさんで写真を撮りました。
 やはり私は写真はいりませんが、撮るのは悪いことじゃない。だって、形として残るのですから。
 私は皆さんと再会するつもりですが、それができないということも十分にあり得るんですよね。私はまだ高校2年生。大学にも行きたいので、就職はまだ先です。けど、仕事ってのはやっぱりあるんですよね。大学生のあずささんとらきさんは、現に就職活動があるみたいですし。
 ある意味、霧生ヶ谷の人は友達以上だから、会えないのは嫌ですね。理屈抜きで。
 平等院を出て、最後の食事というか休憩。ゆーきあんちゃんの迷いぶりで笑いながらも、食事を終える。
 ゆーきさんという人を本当に知ったのはこの時じゃないかな、と思います。とりあえず、気にしないでください、と言いたい。あずささんは私もすごく心配でしたが、私はそんなに堪えてない。ほんとです。
 電車の中でまた談笑して、京都駅に到着。あずささんとらきさんとはお別れ。
 大したことを言うわけでもなく、「それでは、また」という感じで。階段を下りていくところを見ていることすらしませんでしたからね。
「それでは、また」というのは私がチャットを出る時によく使う言葉です。素朴ですが、すごく好きな言葉。有名な格言よりも、価値があるのです香月には。
 ミサキ師とゆーきあんちゃんと別れたのも、そこから数十歩先。こっちもやはり、「それでは、また」です。
 だって、また会うわけですからね。

 

 

皆さんの印象。

甲斐さん:分からない、がデフォルト。自覚のあるセクハラ大臣。セクハラの対象に性別の壁はない。

あずささん:小柄な女性。普通に前を見て歩いていると、視界に入らないww ごめんなさい。

らきさん:お姉さんみたいな印象。おそらく29日のある出来事が大きな要因。京都オフのダークホース。

せるさん:関西の人だったんですか! 私よりも濃い関西弁を話す方っぽいです。

ギルさん:背景に溶け込む技術を持っている。暮香さんの生みの親だから、もっとぶっとんだ人かと思っていましたww ごめんなさい。

ゆーきさん:素でボケている方。それを後で恥ずかしがっておられる。面白い人でした。

りかこさん:なんでも結婚しておられるとか。ネットの世界でそういう人に知り合ったのは初めてです。

 

 

 ちょっとした後日談。
 賭けで負けたのにあずささんにジュースを奢ってあげられなかった件。
 これは――
「次会った時に必ず返せよ」
 と言いながら戦場へ赴く友に大切な物を渡す感じで。という話をあずささんとメールでしていて、気付いた。というか指摘された。
 これって、死亡フラグ。
 どうやら香月は、知らず知らずのうちに死亡フラグを立てていたようです。
 しかし。フラグなんてばっきばきに折ってしまおうということで話は成立。
 ハッピーエンドに終わりはないのですよー。
 
 曇りか雨だったオフ会。
 これを書いている今は、憎たらしいくらい晴れています。

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