駄目だこいつら早く何とかしないと 作者:あずさ
※※※!忠告!※※※
・微妙にですが、いわゆる「腐」内容があります。
・苦手な方、意味の分からない方はUターンプリーズ。
・しかしそれがメインではありませんので、「腐」に対する過度の期待も危険です。
・出来損ないのギャグだと思っていただければ宜しいかと。
※※※※※※※※※※※
突然ですが、友人が腐っています。
【駄目だこいつら早く何とかしないと】
「はうぅ」
――間の抜けた声が聞こえたのでそちらを見やれば、友人の立川梨奈が机にぐったりと突っ伏していた。そのぐったりっぷりはあまりにもあからさまで、まるで全身から生気が抜け落ちているのが目に見えるよう。
「……どうしたの?」
生きているんだか死んでいるんだか分からないけれど、声が出たということは生きているんだろう。
そんなことを思いつつ聞いてみれば、梨奈はむくりと顔を上げた。目の下に何やら隈ができている。
「爽香サンー」
「大変そうね」
「原稿がっ……原稿が進まないの……っ」
ぐすん、とわざとらしく涙ぐんだ梨奈が肩を震わせる。だけどピンとこなくて、私はただ鸚鵡返しに呟くしかなかった。
「げんこう」
「新刊落としそうなのー!」
「ああそう」
冷たいと泣きつかれたって、他に何て言えばいい?
* * *
「同人誌のネタがない?」
「そう。七綱総受け、いけると思ったんだけどなぁ」
「七綱……何だっけ、それ」
「爽香サン、あまりテレビ見ない人? 『霧生忍法帖』に出てくるキャラなんだけど」
「ああ、あれね」
『霧生忍法帖』というのは霧生ヶ谷ケーブルで放映している時代劇だ。地方のケーブルテレビ局が作ったということもあって霧生ヶ谷っ子には愛着があるし、それを差し引いても内容がしっかりしているから面白いと人気がある。私もそこまで熱狂的とはいえないけど、あのシリーズはなかなか好きだった。ただ、梨奈が「総受け」とか言い出すから思考回路がすぐに繋がらなかっただけで。
梨奈は決して派手な方じゃない。かといって化粧のけの字も知らないような子でもなくて、規則よりスカートがやや短めだったり、癖のない髪の毛の手入れに気を遣っていたり――まあ、真面目よりのごくごく普通の女子高生だ。
だけど決定的に何かが「ただの女子高生」からはズレている。日々原稿とやらに目の色を変え、受けだの攻めだのと熱弁を奮いペンを振るう。……要するにこの友人は、いわゆる「腐女子」と呼ばれる人種なのだった。
「原稿が進まないせいでほとんど寝てないんです助けてください」
「寝なさい」
「それは私のプライドが!」
「そんな無駄なプライド捨てなさいよ」
「おまっ、俺には七綱受けを世界に広める義務が!」
凄まじい音を立てて梨奈が机から立ち上がった。拳を握って、しかも口調が変わっている。なんという熱の入りよう。そこまで熱中できるものがあるっていうのは羨ましい気がしないでもないんだけど……でも、ねえ。この状態、何も今回が初めてじゃない。彼女は周期的にこうして「修羅場」とやらに巻き込まれている。いや、自分から飛び込んでいっているようなものだから巻き込まれているという言い方はおかしいかもしれない。ええと、確か前回は杉山さん総攻めとか言っていたような。――ねえ、需要あるの、それ?
受けだとか攻めだとか、その業界特殊の言葉もいい加減聞き慣れた。全てを把握したのかと聞かれると自信はないけれど、多少分からなくても梨奈との会話はそう困らない。梨奈が一方的に語っているようなことも多いし、梨奈自身、「否定しないでくれるならそれでいいの」と言っていたから、無理に理解する必要もないんだろう。梨奈はこういう話をする――というより曝け出すと言った方が正しいかもしれない――相手は選ぶ子だから、私もそれなりに信用されているんだと思うと、何となく話の腰を折る気にもなれなかった。
でもまあ、だからといって倒れそうな梨奈を放っておくのはやっぱり気持ちが悪いわけで。
「そんな生活してたら倒れちゃうんじゃなくて? まだバイトもしてるんでしょ」
「だってバイトやめたらお金が足りなくなっちゃう!」
「……」
そうだった。この子、妙に思い切りがいいというか、ビックリするほど大人買いしちゃうタイプだったんだ。
「でもドーナッツ屋だけじゃ厳しくなってきて……他にもいいバイトないかな」
「まだやるの?」
「今度のイベントで買い漁るからね」
「……ひかりなら狂気山脈でメイドのバイトしてるけど」
「メイドktkr」
バイト云々よりそこに食いつくのね。まあいいけど。
「紹介してもらえるよう、頼んでみる?」
「えー」
何、その不満顔。
「メイドは自分でやっても楽しくない。見るのが楽しいんですよ。ご奉仕してもらうのが楽しいんですよ!」
「ああそう」
「あ、そういや爽香サンって弟いたよね。何かネタない?」
そんなさらっと切り替えられても。いきなり「ネタ」と言われても。
「確かに弟はいるし、青春真っ只中みたいだけど……言っておくけど、相手は立派に女の子よ」
「いいの、脳内補完で可愛い男の子にしてみせるから!」
「あ、そ」
こうして日々原稿とやらに追われ、日々それに泣かされているというのに、どうしてこうネタを探しているときは目が生き生きと輝いているのかしら。この梨奈という生き物は不可思議だとつくづく思う。あまりにも不可思議で、本当に見ていて飽きない。
「でも弟は小学生よ」
小学生の恋愛事情なんてネタとして大して面白くないんじゃないかと素朴に思いつつ言ってみれば、
「ロリもショタも可愛いは正義!」
ひどく熱い答えが返ってきた。ああ、地雷踏んだかしら。
「そもそもロリショタは未来の光! 生きる希望! 輝かしい将来を背負っているのはまさにロリショタですよっ! 偉い人にはそれが分からんのです。あのぷにぷにがいいのに。あの美味しそうなほっぺがいいのに。ああいっそ幼児化も萌えるねキタねたまらんね!」
確かに子供は将来を背負っていると言っても間違いではないと思う。思うんだけど、どうしてこう、邪なオーラを感じるんだろうか。何で周りを包み込む空気が濁っているんだろうか。
「お願いだから犯罪には走らないでちょうだいよ?」
「何言ってんの爽香サン。そのための二次じゃないか」
そういうもの、なんだろうか。
そんなくだらない話をぐだぐだと続けていたとき、ふと、何気なく教室を覗き込んだらしい男子生徒がこちらに目を留めた。
「あ、立川さん」
お目当ては梨奈らしい。近づくにつれてはっきりその姿が見えてくると、ピアスをじゃらじゃらつけた、いかにも軽そうな男だなということがよく分かる。
「ねえ、今度の日曜日暇かな?」
……ナンパか。なんというベタな。外観も中身も期待を裏切らないなんて、ある意味貴重な存在だ。
「えーと……誰です?」
「あれ、俺のこと知らない? この前、君からの熱い視線を感じたんだけど」
「?」
「それで気付いたんだけど、立川さん、可愛いなと思って。だからさ、良かったら俺たち付き合ってみない?」
ああ……。
梨奈はぼんやりしているけれど、私には一つだけ思い当たることがあった。要するに、あれだ。何らかの萌えフィルターが発動していたのだ。この人が男友達と仲良くしていたとかそんな類のことをしていて、それを見かけた梨奈が脳内で萌えに変換しつつガン見していたんだと思う。……ありえるわ。むしろそれしかない。二次元フィルターがデフォで装着されている梨奈だから、実際にこの男がどんな人だったか、記憶には残っていないみたいだけれど。
まあ、梨奈は言動が不可思議なところは多々あるけれど、それは基本的に気の許せる友達の前に限られる。黙っていれば可愛いと思うし、こうやって声を掛けられても特に不思議には思わない。私がその場に居合わせることになるとは思っていなかったけど。
せっかく居合わせたんだから、梨奈がどう反応するのか見ているのも悪くない。そう思った私は黙ったまま梨奈に視線を走らせた。
当の梨奈は相変わらずぼんやり男を見上げている。
それから――くわっっと叫んだ。
「だが断るっ!!!」
一瞬。うん、一瞬ね。
時が止まった気がしたわ。
「梨奈、起きて」
溜息もそこそこに、軽く肩を揺さぶってやる。
いつもは比較的マトモというか、外ではきちんと猫をかぶっている彼女だけど、寝不足に襲われているときはこうして不可解な言動をすることがしばしばあった。普段、脳内を駆け巡っている奇怪な意識が制御しきれずに表に出てきてしまうんだろう。ぐだぐだと話しているときから何となく感じつつはあったけど、今回の寝不足は思っていた以上にひどかったらしい。それにしてもこんなときの梨奈に声をかけるなんて、彼もずい分運とタイミングが悪いというか。
「は!?」
揺さぶりにより意識を浮上させた梨奈が大袈裟なほど目を見開く。それから私と目の前の男を交互に見やった。
ちら、と遠慮がちに送られてくる視線。目が語っている、「やっちゃった?」と。
だから私は小さく、けれどしっかりうなずいておいた。
ええ、やっちゃったみたいよ。盛大に。むしろ生き生きと。
「あ、あの……」
朦朧としていたせいでやり取りを覚えていないらしく、梨奈の視線がおろおろと宙をさまよう。
唖然としていた男はそれで気を取り直したのか、それとも今の奇行は見なかったことにしたのか、とりあえず爽やかな笑みを浮かべてみせた。どこか引きつっているように見えるのはきっと私のせいじゃない。
「ごめん、いきなりで驚かせちゃったかな?」
むしろ驚いていたのは貴方よね。
「もう一度言うよ。立川さん、俺と付き合ってみない?」
照れも呆れも諦めもせずにもう一度のお誘い。事実上の告白。
あんな言葉を叫ばれてもめげない、その態度を私は密かに評価した。だって、なかなかできることじゃないと思う。初めはただのナンパ男かと思ったけど、意外とたくましいというか、根性のある人なのかもしれない。
だけど非常に残念なことに、相手は梨奈、なのだ。あの、立川梨奈なのだ。
「えっと」
ぱちぱちと瞬いた梨奈は、言葉を飲み込んだとたんに難しい顔になる。そして男を頭のてっぺんから足のつま先まで、それはもうじろじろと眺め回した。ぶしつけな視線ではあったけど、気になる子に見つめられているんだから男も満更じゃないのかもしれない。その証拠に少しだけ頬を紅潮させたように見えた。
「……襲い受けかな」
「え?」
ふうっ、と小さな溜息。
それから梨奈は深々と頭を下げた。
「ごめんなさい」
「え!?」
「私なんかを気にしてくれてありがとうございます。でも、私にはもったいないですし」
「立川さん?」
「あなたにはきっと、もっと素敵な殿方が現れますよ」
うふふ、と花がほころぶような、可憐な微笑み。だけどそれに反して台詞がひどい。
……確かに将来、彼にも素敵な人が現れるかもしれない。だけどそれが殿方である可能性は、だいぶ低いんじゃなかろうか。いやまあ、ツッコまないけど。ツッコまないけどね?
「あ、あのー……立川、さん?」
「だから、ごめんなさい」
「そんな、一度試してみるくらい」
本当にタフなのか単に事実を認められないのか、男は焦りの色を浮かべながらも食い下がる。そんな彼に、梨奈はいっそ清々しいほどの笑顔を向けた。
「二次元になってくれたら考えます」
平面に、なれと?
「三次元(リアル)に恋なんてしないわーわたしー♪ だって二次のことがー好きなの♪」
浮かれた調子で口ずさむ梨奈。何、その歌。現実逃避も甚だしすぎていっそ潔い。
「どうでもいいけど、その第一印象で受け攻めを判断する癖はやめない?」
「爽香サンはリバいけるよね」
「知らないけど」
「ちなみに私は総攻め目指してます」
「どうでもいいけど」
のらりくらりとした会話を交わしていると――唐突に教室のドアが開け放たれた。それも蹴破るつもりですかと言いたくなるほどの勢いで。
「できましたぞ!!」
そう叫んで入ってきたのは、一人の女子生徒。
ええと確か、
「あら、ヒミコさん」
「紀美子ぞ」
……ああ、そうだ。鮎沢紀美子さんだった。
紀美子さんはよく言えば大人しいし、悪く言えば少々陰気臭い雰囲気の漂う女の子だった。名前の響きと霊験あらたかっぽい雰囲気からついうっかり「卑弥呼」と呼ばれることが多い。背は低めの150センチ、いつも俯いているからますます小さく見える子だ。ボブショートは深い闇のように黒々としていて、その延長とも言える前髪が目を覆うくらいに長く、それでいて不思議な均等さを感じさせる綺麗さで切り揃えられている。制服の第一ボタンまできっちり締め、スカートは規則の黄金比かと思うほどの膝丈キープ。白いソックスが目に眩しい。もう、今時どこのお約束キャラですかと聞きたくなるのは私だけではないはずだ。
そんな紀美子さんは外見以上に中身も変わっていたりする。それは授業中以外は大抵MY白衣を着込んでいるからだったり、語尾が何故かよく「ですぞ」だったり、でも卑弥呼を否定するときは鋭く「ぞ」なのが決まりだったりするからなんだけど……まあ何より変わっているのは、自己紹介の際に「将来の夢はテロリストですぞ」なんて言ってしまう、微妙に変わった方向性の破滅思想かしら。
「あ、卑弥呼サンー。これから演劇部行くの?」
「紀美子ぞ」
ヘラヘラとした笑顔の梨奈に、紀美子さんは鋭く指摘。
一見何の共通性も見出せない二人だけど、実はこの二人、演劇部なのよね。紀美子さんは科学部にも所属しているらしいけど――だからMY白衣を持っているのか、白衣を持っているから科学部に所属したのか紀美子さんの場合はよく分からない――こんな二人がいる演劇部って相当カオスなんじゃないかしら。
「ふふ、梨奈さん。紀美子は演劇部に行く前にやることがあるのですぞ」
「んん? 何やんの?」
「テロですぞ」
……、……えーと。
どう反応しようか考えあぐねている私の横で、慣れているらしい梨奈が「ふむ?」と小首を傾げる。紀美子さんはぎゅっと握りこぶしを作った。それを腰に当てて胸を張る。紀美子さんが俯いていないのは何だか珍しい。ちなみにぶかぶかの白衣のせいで握りこぶしは袖に隠れてもう見えない。
「もうすでに予行演習は済んでおりますぞ」
「きゃああああああ!」
――!?
紀美子さんの言葉を証明するかのごとく廊下に悲鳴が響き渡った。私はもちろん、他のみんなも何事かと廊下に顔を出す。一斉に群がる生徒たち。……人のことをとやかく言えないけど、みんな野次馬好きなこと。
そして私と梨奈は立ちすくんだ。人混みの先では男子生徒が二人倒れている。そのうちの一人は先ほど梨奈をナンパした例の彼だった。あのピアスの山だ、見間違うはずもない。
彼がもう一人の男子に折り重なるように倒れ――、……ん?
「好きだ松井! 俺の崖より深くマグマより熱い愛をお前のその広い胸板で受け止めてくれ!」
「な、ちょ、やめっ……きしょ! キッショ!!」
……いや、倒れているというより、どうやら相手を押し倒しているみたい? しかも熱烈な愛の告白つき。
……梨奈に振られたショックで男に走ったのかしら。それにしては早すぎる気がするけれど。
よく分からなくて瞬いていると、紀美子さんがふふりと笑った。
「紀美子は考えました、どうすれば人類が滅ぶのか。そうして恐ろしいことを考え付いたのですぞ……。男をみんなホモにしてしまえばいい、そうすれば子は殖えず人類は消えるしかない……そんな悪魔のシナリオを! そうして実行すべく魔の薬が完成したのですぞ! これで紀美子は勝てますぞ!!」
前髪に隠れている紀美子さんの目がギラギラと輝いている。いつもは青白い顔をしているのにやたらと頬が紅潮していた。今ばかりはテンションと共に血圧も上がっているに違いない。それにしても何と戦って何に勝つつもりなのかしら。
「一応聞くけど、どうやって作ったの?」
「研究に研究を重ね、様々な媚薬を織り交ぜてみたらできましたぞ」
日頃、科学部は一体何をやっているんだろうか。
ふと視線を横に逸らすと、梨奈の肩が小刻みに震えていた。私は一歩離れて溜息をつく。――ああ、また梨奈の発作が始まった。
「萌ええええええええっっ!!!」
叫ぶなりケータイを取り出しカメラモードを起動。鋭い目つきで画面を睨むなり指が動いて連射始動。あらゆる角度から時にはフラッシュをたいたりもしちゃって。なんという神がかり的な速さ。
「私の目に狂いはなかったww襲い受けwwパネェwwwはあはあけしからんいいぞもっとやれ!」
……普段はいい子なんだけどね。うん。ほんと。
「あの体勢いただきですよ! 原稿が進む! これで勝つる!」
あんたも一体何と戦って何に勝つつもりなの。
そうツッコミたい衝動にも駆られたけど、聞いたところで理解はできないだろうから触れないでおこう。第一、今の梨奈に話しかけるのはさすがの私でも少し怖い。
その気迫のまま、ぐるりと梨奈が振り返る。その目は紀美子さんをばっちり捕らえていた。あれは……ハンターの目、ね。
「卑弥呼サン!」
「紀美子ぞひぃい!?」
詰め寄られ、思い切り肩を飛び跳ねさせる紀美子さん。怯えるその姿はか弱い小動物そのものだ。
「ありがとう助かった! GJ! いいネタになるですぞ!」
「梨奈、語尾うつってるわよ」
「その薬まだあるのっ?」
「は、はひぃい」
「買える!? いくら!? いくらで売ってくれ万円千円ドーマンセーマン!」
「ごめんなさいごめんなさい調子乗りましたもうしませんだから許してください本当に申し訳ありませんごめんなさいごめんなさい」
物騒な破滅思想を常日頃持っている割に気が弱くてすぐ謝る紀美子さんは、梨奈の正気が戻るまでひたすら土下座しながら何やら振りまいて――あの後例の彼も元に戻ったようだから解毒剤みたいなものだったんだと思う――梨奈からの拘束が解けるなりすぐさま逃げ去っていった。
こうして、唐突に舞い込んだテロ行為は、梨奈の悩みを解決すると共にナンパな彼に不利益な噂を残すという形で誰にも知られず幕を閉じたのだった。
……思うんだけど、あれが大量生産されていたらちょっと恐ろしい現実になっていたんじゃないかしら。
まあ、その現実を食い止めたのが一人の腐女子だということを知っているのは私だけなわけだけど。
――後日。
「考えましたぞ。ホモは怖いですから女の子同士にしてしまえばいいのですぞ」
「じゃあ次の新刊は百合だね卑弥呼サン!」
「紀美子ぞ」
……駄目だこいつら、早く何とかしないと。