シェアワールド@霧生ヶ谷市企画部考案課

怪異の裏にあるもの ― 加濡洲 (カヌス) 編 ―

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怪異の裏にあるもの ― 加濡洲 (カヌス) 編 ― 作者:望月霞

 

 人間界では “九頭身川” と呼ばれている川を南へと下っている途中、オレはふと動きを止めた。

 今は、店の前で変化した自分の化身の姿をしている。 ちなみに、オレはカエルのそれだ。
 そのほうが、水中での動きが取りやすく、何より服がずぶ濡れにならないのが利点だ。
 っとまぁ、ンなことはどうでもよい。 何でオレが足止めをくらったかというと、とある1箇所におかしなところがあったからだ。
 まずひとつ。 現在地は向こうで言う霧生ヶ谷市を出て、ちょうど海とそこの中間地点のところにいるんだが、この辺の土手には一軒家はおろか、物置小屋のような粗末なものすらないはずだった。 なのに、今は貴族が住まうよーなでかい屋敷 (ボロっちいけど) がある。
 理由は、もちろん不明だ。
 ふたつ目。 その屋敷を中心に、霊子がこっぴどく乱れていた。 しかも陰霊子が満ち溢れていやがる。 これは少々厄介なことになりそーだ。 メンドくせぇ。
 ともあれ、ジジの命令だしな。 川が流れていることから、オレが1番来やすいところでもあっけどよ。
 ……しっかしなぁ。 坤 (こん) の方角に陰気の塊、挙げ句の果てには裏鬼門だぞここ。
 最悪だな、おい。 水の象徴とされるこのオレが赴く場所じゃねぇし……。
 まあ、こーゆーモンはとっとと終わらせて次に行くのが得策ってやつだ。 気を取り直して様子を伺うことにする。 ってか、ここに何かがいるのは、ほぼ間違いねぇだろうけど。
 ―― とりえず、カエルのままで部屋の中をのぞく。 だが、人気はほとんどしない。 どうやらほんの数えるぐらいしかいなのだろう。   次に、そのまま上がりこみをしようとするが、どうやら結界がはってある様子。 ……仕方がないので、人間の姿になることにした。                         そうじゃなきゃ、オレの得意とする術が使えねぇからだ。
 ということなので、1度外に出ていつもどおりの、年齢的に13 ・ 4の姿になる。 化身の姿になる変化の術が唯一苦手なオレにとって、逆の術は、文字通り楽勝だ。 故にこの術は先ほど行ったときよりも半分以下のスピードで出来る。 まあ、その辺は、個人的に化身の姿があまり好きじゃないから、なのかもしれねーけど。
 そんな個人的な思いを頭によぎらせながら、オレは解呪の術を完成させ、そのまま身にまとわらせた。 そっからは速さがカギになることは、口にするまでもねぇだろう。 足を忍ばせながら、かつ、注意深く進んで行く。
 霊子の流れの溜まりを頼りにしながら奥へと歩調を進めると、最終的には大広間へとたどり着いた。 そこには恒例通り “何か” がいたのだ。 上物の着物を着た、ひとりの女である。 ……年齢的に、今のオレと同じぐらいか少し上だろう。 目から下は手元にある扇子に隠れて見えはしないが、それぐらいは雰囲気でわかる。
 だが、女はその場から動くことはおろか、声すらかけようともしなかった。 かといって、ココまで来て気がついてないってことは考えらんねぇから、そのままつかつかと歩いて行く。 近距離に入ると、顔は隠したまま、何を思ってかオレに問いかけをしてきた。
 「陰陽師の方、でいらっしゃいますか」
 「違げぇよ。 どこをどー見たらそう見える」
 「では、どこぞの殿方でいらっしゃいますか」
 「元服出来る年でもねぇから、それも違うわな」
 「では、何をしにこちらへ赴かれたのでございましょう?」
 「たまたま屋敷があったのを見かけたんでな。 興味を持ってのぞきに来た」
 「ご興味を、ですか。 お顔を拝顔したところ、どこぞのご子息とお見受けいたしますが」
 「何の話だ。 別にご子息って身分でもねぇがな」
 「わたくしとて、貴族のはしくれでございます。 そのような嘘を申されましても、真とは思いませぬ」
 ……どうもおかしい。 何を企んでいやがる……?
 「あ~そうかい。 別にオレは嘘なんてついてねぇし、興味を持ったのも本当だ」
 「左様、でございますか……」
 と、後半の部分は涙声で語る女。 そして、女は策を弄 (ろう) したのか、今度は扇子をたたみ、顔をあらわにした。
 「――― っ!?」
 「この顔に、見覚えがございますか?」
 そんな馬鹿なはずがない、あいつは ―― 伽糸粋 (カシス) は、ほぼ逆の巽 (そん) の方角にいるはずだ。 ましてや、普段持っているのは錫杖 (しゃくじょう) であって扇子じゃない。
 間違いねぇ、こいつがここの霊子を乱した張本人だ。 おそらく、あの顔もオレを油断させるために術で創り出した偽物。 本性、もしくは力の源をどこかに隠しているはずだ。
 だがなぁ、肝心の “目的” がわからにゃ意味がねぇ。 締め上げるにしても、何でコイツが、何の意図があってここにいるのか探らねーと……。
 「ああ、驚いたぜ。まさかこんなところにいたなんてよ。悪かったな、フビンな思いをさせて」
 「いいえ。 やはりそうだったのですね。 お待ち申し上げておりましたわ」
 スッ、と立ち上がりこちらへと近づいてくる。 ……ちぇっ、やっぱ何気に演技は上手いのかよ。 つまんねーなぁ。
 「しかし、だ。 どうしてこんな寂れた場所にいたんだ? もう少し都よりならもっと早く会えたかもしれねぇのに」
 「気がついたらこの場におりましたの。 それから、様々な殿方がお見えになり、たくさんのことを聞かせていただきました」
 「ふぅん? それで、どうしたんだ」
 「皆様、良くして下さいましたわ。 それから ――」
 「それから?」
 「―― そうですわね。 どのように申し上げたらいいのでしょうか。 とても親切で、ご協力して下さいましたのよ」
 「協力、ねぇ」
 「あなた様こそ、どちらにいらしていたのですか」
 「オレ? オレはもっと北のほうかな」
 「北、でございますか」
 「そう。 ――――、うん。 こっから言うと、あんたと同じ 『鬼門』 の方角から来たのさっ」
 たんっ! と、演技が始まってから感じていた殺気を、後方上空にジャンプをしてかわす。
 刹那の後、それらはオレのいた畳部分を無残な姿へと変え、主の周囲へと戻って行った。
 不意打ちが避けられた女は、一瞬驚愕な表情を見せたが、すぐにしかめっ面へと移動する。 どうやら、攻撃が当たらなかったことに少々憤慨を起こしたようだ。
 「何故、わたくしの嘘がわかったのです。 今まで、1度も見破られたことがないのに……」
 「伊達に長生きはしてなくてな。 お前は自分の顔を、相手が気を許すだろう女のそれに変えていたんだろ。 だから今までの奴等は引っかかった」
 「…………」
 「それに加え。 死臭を紛らわすためなのか野郎を誘うためなのかは知らねぇが、臭い過ぎなんだよ。 いろんなモンが」
 「―― なるほど。 ということは、初めからばれていた、ということですのね。 これを見破るとは、相当な力をお持ちのよう。 先に逝かれた殿方たちと同様に下さいませんこと?」
 「テメェなんざにやる力なんかねーよ。 それに、言葉はちゃんと使うんだな!」
 と言いながら、右の指の間にそれぞれに模 (かたど) りの術をかけ、霊子で飛びくないを作り対峙している奴の首元と心臓を狙う。 しかし、それは逆にあっけなく周囲の取り巻き共の餌食となった。 得物を飲み込んだ黒いイカの足のようなものは、うれしそうにウネウネと動いている。
 「へぇー。 お前、影使いかよ」
 「さすがですわね。 もしかして、観念されましたか。 今の攻撃から見て、あなた様は術使いでございましょう」
 「だから何だってんだ。 関係ないね」
 「本気でおっしゃっておいでで? 影使いに術など通用しないことは、ご存知でございましょう?」
 「はん! おあいにく様、自慢なのは術だけじゃねーんだよ。 顔と髪もそうだが、他のことだってちゃんと出来んだぜ?」
 「わたくしとて、影 『だけ』 がとりえ、とはひと言も申しておりませぬ」
 と言うと、女は周辺にいる影たちを引かせ、いつの間にやらとなえられていた術を、両手で天を仰ぐようにして発動させる。 光の筋となった術は、そのまま四方八方に広がり、影たちを蝕んで行く。 目が開けられるようになったときには、オレの周りは危険地帯になってしまっていた。
 「いかがでしょうか」
 ……どうやら、勝ち誇ったような感じだ。 確かに、影には術が効かない。 理屈を簡単に言えば、お互いに “実体がない” からなんだが……。
 しかし、それは浅はかな短絡思考に過ぎない。 先にも述べたように、オレたち妖怪や霊子は物をつかむような感じではなく、まるで空気そのもののような存在だ。 特殊な結界や術を使わない限り、見えはしないし触れれもしない。 例外や特例もありはするが、普通はそうなのだ。
 なら、逆の発想はどうだろうか。 ――― 答えはこうである。
 「!? ば、馬鹿なっ!!」
 「どうしたよ? 何を驚いてる」
 「影を拠り所にしてた怨霊たちを一撃で葬り去るなんて!!貴様、いったい何者だっ!?」
 「はぁーん? それがテメェの本性かよ。 思った通りでつまんねぇな」
 「何っ!?」
 「最近面白いことと言ったらなんだー? う~ん……」
 同じような存在である兄妹とはそうしていても、これとはまた違うしなぁ。 力比べしたところで、お互いの得意分野が異なる故の結果にもなるし……。 やっぱ平凡な日常なんだよなー。 つまらん。
 ―― っととと! こんなこと考えている場合じゃなかったか。 性懲りもなしにまた手下共を呼び出し、今度は人海作戦に出たようだしな。
 オレは先ほどと同じように、華麗かつ冷淡に雑魚を術でふっ飛ばす。 形を表現するなら、術者を中心とした “台風” のようだもので、だ。
 しかし、今回の場合はそれだけではなかった。 女狐の取り巻きであるイカのような黒い触手が、奴等の間をぬって猛スピードでこちらに向かってきていたのだ!
 「や、やべっ!!」
 「さあ、貴様の秘密を探らせてもうらおうか!」
 ひぇ~っ、冗談じゃねぇって! あの触手には、オレの最も得意とするものが通用しない。
 雑魚共をぶちのめせたは何らかのタネや仕掛けがある、というのは、火を見るよりも明らかだろう。 かと言ってバレるのはヤバいし。
 だが、とうとうそんなことも言ってられなくなってしまった。 触手は、だんだんと速さと数を増していったのだ。
 仕方がないので、オレは普段から腰に帯刀している、 “奥の手” 、とでも述べておこうか。
 それを抜きはなった。 不思議な薄光を出していたそれは、襲ってくる黒いイカを、先ほどと同じように消し去る。
 「……なるほど、そういうことか。 まさか、脇差らしきそれを媒体とし術をとなえていたとはな」
 「あのなぁ~? 今更タネがわかったからって、どうすることもできねーよ」
 「ふん。 何を言うかと思えばそんなこ ―――― ぐっ!?」
 と、女は口からどす黒い血みたいなものを吐き、その場にうずくまってしまう。
 ほぉら、言わんこっちゃねぇ。 さっきのドンパチで、このオレ様がただ避けてたわけがねーじゃん。 ちゃんと急所か力の根源を探してたんだよ。 影使いの唯一の弱点を、な。
 「言ったろ? 『他のこともちゃんと出来る』 、ってな」
 「な、何故? 何故だ……? この場は……心の臓は……完全に消し去った、はず……」
 「確かにな。 だが、相手が悪かった。 お前は所詮、人間の怨念だ。 怨念が力を付け妖怪となし、栄養分である同じ 『モノ』 を喰らっていただけに過ぎねぇ」
 「っ……」
 「たとえそれが、外枠だけはオレたちと同じようなランクの力を持っていようとも、元々の質が違う。 強いて言うなら、お前は人肉を喰う、ただの人食い女だ。 真の妖怪であるこのオレに、敵うわけねぇじゃん?」
 「グググ、オ、オノレ……」
 と、苦痛と怨みが同居しているような表情を浮かべる女を無視し、オレはコイツの背後へと移動する。 “本物” である自分の得物が刺さっているその場所へと足を運んだオレは、再度女を見た。
 「んじゃ、お別れだ。 何があったかは知らねぇが、ちゃんとこの加濡洲様が成仏させてやっからよ」
 「!? 加、加濡洲 ―― だと!?」
 「あぁ、そうさ。 加具那 (カグナ) が作りし第二意志、それがかの有名なこのオレさ」
 「――― ……」
 「光栄に思えよ。 人間風情の成りあがりが、ちゃんとした形で黄泉 (よみ) へ逝けんだからな」
 「…………。 ええ……。 鬼道に堕ちたわたくしには、身に余る栄誉ですわ……」
 最後の最後に正気を取り戻したのか、それとも人間らしい心を手にしたのか。 その辺は定かじゃないが、おそらく生前の記憶でも蘇ったのだろう。 今までそのような連中を幾度も目の当たりにしてきたが、やはり気がいーモンではないんだろうな。
 オレは複雑な心境になりながらも、女の姿になっている影 ―― いわゆる普通の “目に映る” それ ―― に刺さっている武器に力をこめる。 人間の急所のひとつである、心臓の部分を貫いている得物をそのまま引き抜いた。 弱点を守るかのように、まるで上からライトが当たっているかのように光っていたその場所へ、周囲にある触手たちは吸い込まれていく。
 ……残った女の本体は、軽く頭 (こうべ) を下げながら、そのまま消えていった。 消滅する寸前、女の表情は悲しみを抱えながらも明るく、数筋の滴を抱えながら……。
 「男女関係のもつれ、かねぇ。 まったく、ややこしい生き物だな」
 野に捨てられたと思われる女の骸に、様々な憎悪が重なり合ってできた妖怪、か。 感覚的にはたぶん、人間の身であった連中が、業火に焼かれるようなものなんだろう。 ……相当の変わり者じゃない限り、喜ばしいことじゃあない。
 哀れな魂が報われるかはわからないが、約束どおりに黄泉への道を示した。 とりあえず、一般的に死気を司る北の方角へと道を案内し、霊界まで行けるようにする。 その後のことは本人次第なので、オレにはもうどうすることもできないが……。
 と、ひと息ついたところに、本物の伽糸粋から連絡が入った。 これは、オレたちがすぐに疎通が出来るようにとのことで、ジジ ―― 名は加具那 (カグナ) ―― が授けてくれた術のひとつ、蓮卦の声 (れんかのせい) だ。
 「……おう、伽糸粋か。 どうしたよ?」
 <ん? いえ、そっちの気が正常な流れになったから念のために連絡を入れただけよ>
 「そうかい。 オレのほうは万事終わったぜ」
 <ならいいんだけど……。 何かあったの? ちょっと涙声よ>
 「い、いや別に……」
 <ふうん? ―― わかった、あたしはこれから艮(うしとら)に向かうからまた後でね>
 「了解。 んじゃな」
 と、何気ない、普段どおりの会話だ。 ……その流れの中で、確かにオレは目じりの部分を押さえていたが……。 何でバレたんだろ。
 そんなちょっとしたことに気を取られていたときだった。 オレがいる場所から北の方向 ―
 ― つまり、加阿羅 (カーラ) が向かった場所から爆音と煙幕が巻き起こったのだ!
 何があったのか確かめるべく、オレは急いで兄弟に蓮卦の声を使う。 しかし、既に妹が取っていたのか、オレが放った霊子ははじき返されてしまった。 仕方がないので、しばらく待つことにする。

 ……しかし、北方からは加阿羅の霊気があまり感じない。 おそらく、先ほどの爆発に巻き込まれたのは、間違いないだろう。 だが、あいつが苦戦するほどの奴が出てきているのか? たとえ不得手な相手だったとしても、術と同等の威力を持つ呪具を持っているはず……。
 ―― 多少の時間がたったので、今一度試しに蓮卦の声をとなえる。 すると今度は、何も障害なく繋がった。
 「おい、加阿羅! 何ださっきの音は!?」
 <爆炎だけど~?>
 「だけど~? じゃねぇだろーがっ!! だったら何で霊気が落ちてんだよ!?」
 あ゛ーっ!! 何でそんなにトロくせぇんだよ、てめーはっ!? しかもだ、説明するのが億劫そうに “かくかくしかじか” とかぬかしやがってっ!!
 「短気だなー。 ところでさぁ、今からそっちに行かせてよ~っ」
 <ああっ? 勝手に来ればいーだろ>
 「冷たいこと言わないでさぁ~。 腕治してよ~!」
 <……お前、それが霊気落ちの原因かよ>
 「うんっ♪」
 <だぁ~っ、もう! わーったよ!! 治してやっから、とっととこい>
 「んじゃ、よろしく~」
 <……はっ? 早く飛んでこいって。 待っててやっから>
 「それが腕一本ないんだよねぇ。 痛くて変化の術が使いませ~ん」
 <アホかてめぇっ!!>
 「だ~か~ら~! 何とかしてよ~。 術、得意でしょ~?」
 クスクスと笑ってんじゃねぇよ! このタコがっ!! ……なんだか腹が立ってきたので、 オレはひとつ条件を突きつけてやった。
 「貸しだからな。 ドンパチが終わったら何かよこせ」
 と短く言い、ひとまず術を解除する。 さすがにふたつ同時には使えないからだ。
 蓮卦の声を切った後は、すぐさま加阿羅をこちらに呼び寄せる術をとなえにはいる。 今完成させているものは、囚名 (しゅうな) の術という、他人を術者の元へと呼び寄せるものだ。
 まぁ、付け名どおり、特定をふん捕まえるのにも使いはするが。
 術によって、オレの前には、加阿羅の体がだんだんと気の流れに乗って徐々に姿を現し始めた。 数分の後、奴は左肩の付け根から、腕がない状態な風体を見せる。
 「……思ったよかひでぇな。 少し時間かかっかもしれねぇ」
 「大丈夫だって。 伽糸粋のほうは既に終わってるってさ」
 「ならいいんだけどよ。 んじゃ、早くしねーとな」
 ったく。 巷で言う長男のくせに、なぁ~んでこう不注意なんだかなぁ……。 のんびりしてんだか大胆なんだか、イマイチわかりゃしねぇ。 つっても、時と場合によるんだがよ。
 まあ、文句たれたい感はかなりあるんだが、それをやったら先に進まないので後で割り増し請求させてもらうことにした。 早く大事 (おおごと) を片づけなきゃなんねぇからだ。
 「まったく~。 口は悪すぎだけど兄妹想いだから助かるんだよね~っ♪」
 「!? いっ、いらんこと言ってっと術解除するぞっ!!」
 「うわ~っ、照れちゃって可愛いなぁ。 顔真っ赤だよ~」
 しばき倒してやろーか、こいつ。 そんなオレの考えを読んだのか、加阿羅は、
 「いや~っ、暴力はんた~い!」
 「まだ手も足も頭も出してねぇだろーがっっ!!!」

 ……先が思いやられる。 頼むから、理由は聞かないでくれよな……。

 

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