●研磨剤慣らし
いくら慣らそうが脱脂をしようが回らないボールベアリング、と言うのがたまにある。いわいる「ハズレ」と言われるもの。
そういうものなら「いっそ壊れても良いや」と言うことで行われるのがこの研磨剤慣らしである。
その名の通り、ボールベアリング内部(球の入っているところ)に研磨剤を入れて慣らすのである。
研磨剤を入れた後、シールを再利用する予定ならそれをはめて慣らしてあげると、より効果が高い。

慣らした後は↑の項にある脱脂の要領で、ライターオイルで洗浄ししっかり研磨剤を抜いてやる。
もちろんこの時、再びシールを外してから洗浄する。
研磨剤が抜けきっていないと、ジャリジャリして回転が悪くなっているうえ、寿命も極端に短くなるので注意が必要。
なので虫眼鏡などを駆使してしっかり確認するべし。

その特性上、シーリングを外しやすいゴムシールタイプか、金属シールタイプの場合「壊れても良いや」と言うことで破損覚悟でシーリングを外した場合じゃないとやりにくい。
シーリングを外さないと、内部に研磨剤が塗れているのか(あるいは慣らし終了後に研磨剤がきちんと洗浄できているのか)わかりにくい上、鳴らし終了後の洗浄も時間がかかり内部に研磨剤が残りやすい。
最悪、ボールベアリングの動きがジャリジャリになって失敗、と言う事態に陥りやすいので、外せないもしくは外す自信がない人は避けた方が無難。

使う研磨剤は細目・仕上げ目などのキメの細かいコンパウンドを選ぶと言い。
又、水性ではなく油性のものを使えば酸化のリスクを最小限に出来る。

どうしても回らないときの最終手段なので、上記の通り壊れても良いと思えたときのみにしよう。


●13mmの玉減らし
13mmローラー用ボールベアリングは、直径が大きい分コースの継ぎ目には強いが、中に入っている玉(鉄球)が大きい所為か他の小型ボールベアリングに比べて回転がいまいち。
特に、黒シールタイプは分厚くなっている所為か回転が以前のものよりも悪いので、やっておいた方がいいかもしれない。
そこで、中の玉を抜いて抵抗を減らす改造がよく行われる。

やり方はまず、裏側の青いシールと金属リングの間に、破損しないようカッターナイフなどを差し込み、シール(ベアリング内部に異物が入らないようにするためのフタ)を外す。
次に、玉と玉の間を細い棒などで付いて透明シール(兼リテイナー:玉を適切な位置に保持しておくスペーサー)を外す。
そして玉を同じく細い棒やドライバーなどで片側に寄せると、玉、外リング、内リングに分解できるので、玉を半分(4つ)抜いて、残りを90度づつの角度に設置し、逆の手順で戻していけばおk。

外した玉は、錆びないようオイル漬けにして保管しておこう。
後々ベアリング内に残した玉が磨耗したときに交換できる。

13mm以外でも可能だが、金属シールのものは分解に技術とコツが要求され、ゴムシールのものでも小型ベアリングは小さな部品が多く、無くし易い上に消耗が激しくなるのでお勧めしない。
よほどカツい人の中にははやってる方もいる様子。


●二重ベアリング
※2022/6レギュレーション改定で現在はローラーを2重ベアリングにするとレギュレーション違反になるので注意
内径5mmのボールベアリングに、外径5mmの520ベアリングを仕込んで性能を向上させる改造。
上記の13mmボールベアリングにも当てはまる。他にも、850、950、1050、1150など。
少々重くコストパフォーマンスも悪いが、内外のベアリングが互いの不足を補うため、非常に高い性能を得ることが出来る。
また、どちらかのベアリングにトラブルが起こって回転が鈍くなる(あるいは完全に止まってしまう)事があっても、もう一方が無事ならばベアリングとしての機能を維持できるので、保守的にも利点があるといえる。

やり方は簡単で、上記であげたベアリングの軸穴に520を突っ込むだけである。
少々硬いが、まっすぐに打ち込めば入らないものはない。
そのままでは完全には固定されないので、瞬間接着剤嫌気性接着剤、エポキシ接着剤などで固定しておくこと。
はめ込むとき硬くても、個体差の関係で結構ゆるいものも多いので、接着しておいたほうがいい。

520はMS用ギヤベアリングとしても売られているが、アルミベアリングローラーにも入っている。
歪んで使えなくなったアルミベアリングローラーや、昔使っていたが今は使わなくなったゴムリングつきアルミベアリングローラーなど、捨てずにとっておけば520を再利用できる。
最近AOで、520ベアリング4個入りが発売されました。
MSで二重ベアやりたければこちらのほうが若干お得。



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最終更新:2022年06月16日 21:57