両軸モーター

ミニ四駆PROシリーズ(MSMA)で使用するモーター。
従来のミニ四駆用モーター(片軸モーター)がエンドベルとは反対側のみにシャフトが伸びていたのに対し、
こちらはエンドベル側にもシャフトが突き出しピニオンギヤが取り付けられるようになっている。
ダブルシャフトモーターというのが商品名だが、実際には1本の長いシャフトが両側から飛び出しているだけなので、両軸またはPRO用と呼ばれることが多い。

片軸のパワー・スプリントダッシュ以降に開発・発売されたため、ノーマル以外は全種相模マイクロ製。
現在は特に問題ないが、初期は性能のバラつき(主にハズレ方向)が多いと言われていた。
さらに最初のころは焼きついたという話まであった。

両軸モーターは公認競技会規則で包括的に認められており、全て使用可能となっている。
片軸モーターで禁止モーターを多く出していたことを反省したらしいが、ずば抜けた高性能モーターもなく寂しさはある。


現行品

FA-130モーター(両軸ノーマルモーター)

  • 消費電流:1.1A
  • 回転数(適正負荷時):9,900rpm
  • 最大トルク:10g-cm
  • 重量:19.2g
  • 製造メーカー:マブチ

エンドベルの色は白(乳白色)
両軸ゆえ、シャフトが片軸モーターより長く、よく井桁のリヤローラー軸として利用される。
片軸と違いAOパーツで扱っていないが、大阪のSKLなど一部ミニ四駆ステーションではバラ売りされている。

ハイパーダッシュモーターPRO

  • ITEM.15375
  • 定価:480円
  • 消費電流:1.6-3.0A
  • 回転数(推奨負荷時):17,200~21,200rpm
  • 推奨負荷トルク:1.4-1.9mN・m
  • 重量:17.8g
  • 製造メーカー:SMC Motor
ASINが有効ではありません。
エンドベルはハイパーダッシュ伝統の赤。銀カーボンブラシ採用。
略称としてHD PROまたはHDPなどと書かれる事も多い。
状況に恵まれなかったハイパーダッシュだったが、
両軸モーターとなったこと、一部を除いたダッシュ系モーターが公式大会で解禁されたことによってようやく日の目を見た。
スペックはハイパーダッシュ2よりトルクが高く性能が上がっているが、そのぶん消費電流量も増えている。
片軸におけるパワーダッシュに相当する位置づけの高出力モーターである。
また、このモーターから真鍮ピニオンギヤが初期装備として付属しなくなったことも歓迎された。
そんなこともあって確実に愛用者は増え、今では定番のひとつとなっている。

表記スペック上は片軸のパワーダッシュよりずっと回転数が低いが、憂うことなかれ。
MSシャーシの優れた駆動設計と公式レース使用可能モーター中最大のトルクを持ってすれば、200gを超えるような重量級マシンも軽々引っ張ることができ、
このモーターで十分にパワー・スプリントダッシュ搭載のシャフトドライブシャーシと渡り合うことが可能となっている。
また、マッハダッシュPROの発売によって、両軸モーターにおけるパワーダッシュに相当するモーターという立ち位置が完全に定まった。

ニッケル水素電池で無負荷で三時間以上慣らしをしても、分解したら煤けていない、殆ど削れていないので、両軸ダッシュモーターとして破格の性能、という意見もある。

ライトダッシュモーターPRO

  • ITEM.15402
  • 定価:460円
  • 消費電流:1.5-2.2A
  • 回転数(推奨負荷時):14,600~17,800rpm
  • 推奨負荷トルク:1.3~1.9mN・m
  • 重量:17.9g
  • 製造メーカー:SMC Motor


エンドベルの色は黄色。これはミニ四駆用FA-130型モーターでは初となる。
トルクチューンPROとハイパーダッシュPROの中間的な性能を目指したモーター。
本来ならその位置づけとなるべきアトミックチューンPROが、誠に残念なモーターで、*1
2009年当時の公式レースを戦い抜く上で、トルクPROとハイパーダッシュPROの中間的な性能の扱いやすいモーターが求められていたことから新たに開発された。
ダッシュ系の入門モーターとしても有効。
また、後に片軸モーターでも同名のモーターが発売されており、両軸から片軸へ逆輸入(?)された唯一のモーターでもある。

外部電極からも分かるが、銅ブラシが採用されているため慣らしやすく、品質のバラツキが比較的少ない特徴がある。
しかし改良型ブラシとはいえ所詮は銅ブラシなのか、カーボンブラシを採用したハイパーダッシュPROに比べて耐久性にやや難があるといわれている。
ダッシュと名の付くモーターにしては回転数がややおとなしめだが、消費電流も比較的少なめに抑えられており、トルクは実用に足る程度にはあるので、性能バランスはよくまとまっている。
アルカリ電池でもしっかり回すことができるため、充電池の管理が苦手でも扱いやすい。
片軸におけるハイパーダッシュに相当するモーターと考えてよいであろう。

マッハダッシュモーターPRO

  • ITEM.15433
  • 定価:480円
  • 消費電流:2.6-3.5A
  • 回転数(推奨負荷時):20,000~24,500rpm
  • 推奨負荷トルク:1.3-1.8mN・m
  • 重量:17.8g
  • 製造メーカー:SMC Motor
ASINが有効ではありません。
エンドベルの色は赤。銀カーボンブラシ採用。
片軸モーターで二次ブーム時に発売されたものと同じ名前だが、登場した時期の違いから、こちらは公式レースで使用可能に。
そもそも、片軸のマッハダッシュとは立ち位置が異なっているため名前だけ流用した別物と考えた方が良い。
回転数がスプリントダッシュ並みにあるものの、トルクはライトダッシュPROと同じ程度なので小径タイヤと相性が良い。
片軸でいうスプリントダッシュのような立ち位置となる。
スペックはスプリントダッシュに劣るものの、両軸シャーシの駆動効率の良さでそれを十分にカバーできる。
ただ、ハイパーダッシュPROとエンドベルも金属カップも色が同じなので、少々紛らわしい。
余談だが、これだけエンドベルの封印が今までの両軸モーターのようなものではなく、片軸のパワー・スプリントダッシュのような封印になっている。

トルクチューン2モーターPRO

  • ITEM.15487
  • 定価:420円
  • 消費電流:1.7-2.0A
  • 回転数(推奨負荷時):12,200~14,400rpm
  • 推奨負荷トルク:1.7-2.1mN・m
  • 製造メーカー:SMC Motor


トルクチューンモーターPROの後継モーター。エンドベルの色は旧型と同じオレンジで、見た目はラベルぐらいしか違いはない。
旧型から性能が向上したようだが、消費電流も増えチューン2系ではもっとも多い。
慣らせば20,000rpm以上回る個体もあるらしく、持っておいて損はないモーターであることは変わらない。
真鍮ピニオンギヤも付属しなくなった。
スターターパックMAパワータイプ、アニマル系GTに1個付属

ダッシュ系モーターと違い、チューン系は片軸と比べて若干の性能差を設けられており、
このモーターの場合は片軸と比べて、回転数が少し下がり、トルクが少し上がっている。

レブチューン2モーターPRO

  • ITEM.15488
  • 定価:420円
  • 消費電流:1.5-1.8A
  • 回転数(推奨負荷時):13,200~14,900rpm
  • 推奨負荷トルク:1.2-1.5mN・m
  • 製造メーカー:SMC Motor

レブチューンモーターPROの後継でエンドベルの色は旧型と同じ青。
不評だったカーボンブラシから金属ブラシに変更され、性能(特にトルク)も向上したが、
それ以上にトルクチューン2モーターPROの性能向上が大きく、相変わらず存在感は薄い。
真鍮ピニオンギヤも付属しなくなった。がんばれ!熊本 ミニ四駆 (くまモン版)に1個付属

ダッシュ系モーターと違い、チューン系は片軸と比べて若干の性能差を設けられており、
このモーターの場合は片軸と比べて、回転数が少し下がっている代わりに消費電力が抑えられている。

アトミックチューン2モーターPRO

  • ITEM.15489
  • 定価:420円
  • 消費電流:1.5-1.7A
  • 回転数(推奨負荷時):12,300~14,500rpm
  • 推奨負荷トルク:1.6-1.8mN・m
  • 製造メーカー:SMC Motor


アトミックチューンモーターPROの後継でエンドベルの色は旧型と同じ黒。
レブチューン2モーターPRO同様、カーボンブラシから金属ブラシに変更されている。
金属ブラシになったことで期待されたが、トルクチューン2モーターPROと100rpmしか違わないなど、旧型同様大人しめの性能になっている。
片軸用とは逆に、両軸用チューン2系の中ではもっとも消費電力が少ないのが唯一の利点か。
真鍮ピニオンギヤも付属しなくなった。

ダッシュ系モーターと違い、チューン系は片軸と比べて若干の性能差を設けられており、
このモーターの場合は片軸と比べて、回転数が少し下がっている代わりにトルクが少し上がり、消費電力も抑えられている。

絶版品

トルクチューンモーターPRO

  • ITEM.15346
  • 定価(当時):改定前300円 改定後360円
  • 消費電流:1.3-1.7A
  • 回転数(推奨負荷時):12,000~14,300rpm
  • 推奨負荷トルク:1.5-2.0mN・m
  • 重量:19.2g
  • 製造メーカー:SMC Motor

エンドベルの色は蛍光オレンジ*2
MSシャーシは駆動系が軽い分トルクが不足する傾向があり、フラットレースにおける定番、超速ギヤ+大径のセッティングではこの両軸モーターが一番扱いやすかった。
また、以前はMSシャーシ用GUPモーターとしては唯一従来のチューン系と同じ銅ブラシだったためか、
パワー・スプリントダッシュ以降に発売されたモーターの中では一番性能のバラつきが少ないとも言われる。 
これらの理由のため、現在でもコースによってはよく使われている。とりあえず持っておいて損はないモーターのひとつである。
トルクチューン2モーターPROの発売に合わせて販売終了。

レブチューンモーターPRO

  • ITEM.15350
  • 定価(当時):改定前300円 改定後360円
  • 消費電流:1.6-2.0A
  • 回転数(推奨負荷時):14,300~17,400rpm
  • 推奨負荷トルク:1.0-1.3mN・m
  • 重量:19.2g
  • 製造メーカー:SMC Motor

エンドベルの色は青。
ただでさえ致命的なトルク不足から片軸シャーシでも使用者が少なかったが、
上記の通りMSシャーシではトルクが求められる傾向があった上に、やはり性能のバラつきも多かったため、
残念ながら両軸でも不人気モーターの筆頭となった。
しかも、ミニ四駆PROシリーズ初期は目立ったメディア展開がなく、当然ながらそれらで取り上げられることもなし。
また、ミニ四駆PROシリーズの展開が始まるころには初期装備の真ちゅうピニオンの欠点も露呈していたため、片軸レブ以上に存在感が薄い。
レブチューン2モーターPROの発売に合わせて販売終了。

アトミックチューンモーターPRO

  • ITEM.15351
  • 定価(当時):改定前300円 改定後360円
  • 消費電流:1.5-1.9A
  • 回転数(推奨負荷時):13,700~16,200rpm
  • 推奨負荷トルク:1.3-1.8mN・m
  • 重量:18.7g
  • 製造メーカー:SMC Motor

エンドベルの色は黒・・・これはタミヤ発FA-130型モーターではハイパーミニから数えて6個目である。両軸とはいえややこしい。
片軸とは違い性能はかなり大人しめになった。
あまりに大人しくなりすぎて、トルクが必要なMSシャーシの駆動方式ではトルクチューンPROを使うほうが堅実だとされ、
後述のライトダッシュモーターPROが出るまで、トルクチューンPROかハイパーダッシュPRO、という2択になってしまっていた。
片軸のアトミックチューンより本体重量が1.7g重いため、そこでロスが出てトルクが食われているとされる。

ただし2009年に行われた改定後、発売されたアトミックPROは値段こそ上がったものの性能が向上し、使いやすくなっている。
でもトルクも同時に性能が上がったため、やっぱり・・・
アトミックチューン2モーターPROの発売に合わせて販売終了。


※rpm:revolutions per minuteの略で、正式にはr.p.m.(R.P.M.)と表記する。
日本語に直すと「毎分の回転数」となる。r/m(R/M)とも。毎秒回転数の場合はrps、毎時の場合はrph。

※2トルク:物体を固定された回転軸を中心に回転運動をさせるときに、回転軸のまわりに働く力のモーメント(力の能率)である。
力矩、ねじりモーメントとも言う。
単位はg-cm(g・cm)だったが、これはすでに一般的ではなく、最近では国際単位系のN・m(ニュートン・メートル)やmN・m(ミリニュートン・メートル)が使われる。



  • 役立ちました。 -- あ (2015-08-14 11:51:37)
  • 役立ちましたが、トルクチューン2モーターPROが無かったので追加お願いします。 -- 無し (2015-08-14 11:54:17)
  • とりあえずチューン2系を追加してみました。 -- 名無しさん (2015-09-02 22:19:52)
  • 素晴らしい!参考になりました。 -- 俊吉 (2017-09-10 05:49:19)
  • 冒頭の真鍮ピニオンのくだりは今もう必要ないので削除。絶版品の事今更長々書かれてもねぇ。 -- 名無しさん (2019-11-05 18:28:18)
  • ハイパーダッシュPROは銅カーボンブラシ(銀入りカーボンブラシはイヤーモデルの2018以降~)となりますので改訂お願い致します。 -- 名無し (2023-05-18 21:29:43)
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最終更新:2023年05月18日 21:29

*1 改定により性能は多少改善されたが

*2 片軸トルクとよく似ているが、よく見るとこちらのほうが明るいので見分けがつく