TYPE-1(タイプワン) chassis(シャーシ)

[基本データ]

※ これらの寸法はキットにセットされている部品により異なる。特に限定キットなど。


概要

レーサーミニ四駆としての初のシャーシ。
シャフトドライブ構造はこの時点でほぼ確立されていて、基本レイアウトは後の殆どのシャフトドライブシャーシに受け継がれる。
採用マシンの多くが当時のタミヤの看板商品だったRCバギーをモチーフにしている事からも判るように、どちらかというとオフロード向け。

素材

強化素材が使われるずっと前の時代のシャーシだけあり、基本的に全てABS樹脂。
色もほぼ黒ばかりなので色の差による細かい性能差も気にしなくていいが、当時の限定品にクリアカラーの物も存在した。

駆動系

さすがに初期のものだけあって、サーキットでの走行には全く向かない。
  • 走行中にモーターカバーが外れる事も多々ある。
当時は何かの拍子に電源が入った状態で完全停止状態になった際、駆動系すべてがロックした状態になった場合に、モーターとギヤが弾けるように動いてモーターカバーが外れて駆動系を保護するように設計されていたからである。
妙にぴったりと乗るボディも、ボディの内側から部品が飛ばないように設計されていての物。
(なお、モーターカバー取り付け基部の形状が違うバージョンが存在する。
現在手に入る再販品は「コ」のような溝が付いているが、「г」のような形状の溝の物も存在する。)
  • カウンターギヤシャフトもしっかり固定されていないので走行中にブレる。
  • リヤ側クラウンはシャーシとプロペラシャフト間に全く余裕が無いので、プロペラシャフトを押し付けるようになっている。
  • まだボールベアリングに対応しておらず、ハトメを装着するしかない。
  • そしてそのハトメはフロント側クラウンと干渉する。固定もしっかりしたものではない。

  • 非常に地上高が高く重心も高い。レーンチェンジ等の横G性能を問われる場面では非常に不利になっている。
最高速度を上げるにはタイヤの径を大きくしてやればいいが、タイヤを大きくすると、高い地上高がさらに高くなり、
タイヤの径を小さくすると、最高速度は伸びない上、上述の対応ギヤ比にあるとおり、5:1のギヤまでしか使えないので速度では大幅に不利。
タイヤの選別には究極の選択を迫られる事になるので覚悟が必要。
なお、小径を付けても相変わらず地上高は高いままなので、芝をほとんど無視して走る事ができる。

などの点から、サーキットでの走行では大きなハンデとなる。

電気系

ターミナルは他のシャーシと互換性のないAタイプが使われる。
最初期には銀色のターミナルが付属していたが、後の時代に出た再販分などのキットには真鍮と銅のターミナルが付属した。
ゴールドターミナルは当然のように絶版のため当時の物をどうにか入手することになるが、昔のゴールドターミナルは今の物より品質のいい金メッキだったため、そこは有利と言える。

バッテリーホルダーがバーニングサン以外標準で付属しないため、電池が外れやすい。
初期のドライバーフィギュア付きのボディはドライバーフィギュアが電池を抑える構造になっていたり、エンペラーのようなフィギュアが付いていないボディでも、補強用の衝立がバッテリーを抑える設計になっていたりする。
つまり初期のボディと言うのはただの飾りではなく、電池を抑える役目を負ったある意味機能的な部品だったと言える。
その関係でボディがタイプ1シャーシの幅に合う形状になっているため最初期のキットのホットショットJr.やファルコンJr.はタイプ1系以外には載らない。(加工するにしても原型が分からなくなるほど削る必要がある)

バンパー

コースという概念が無かった時代に作られた最初期型はローラー用のネジ穴が無かったが、程なくしてにローラー穴が設けられた。
また、スラスト角という概念が無かった時代に設計されたシャーシなので当然スラスト角はゼロ。
柔らかいのもあって補強とスラスト角の調整無しでは、現代的な速度にする以前にコーナーで簡単に飛ぶ。

サイドガード

三角状に曲がった棒をシャーシに付けているといった形状で、ローラー用の穴すらない。
リヤステー無しでも後ろのタイヤがフェンスに接触しないというだけの代物であり、1次ブーム当時でさえ何をするにも足りない構造であった。

リヤステー

当然付属しない。シャーシに固定する方法も無改造では存在しない。
GUPで登場した最初のリヤステーと言える「リヤローラー・スタビセット(15027)」*2で一応装着出来るが、ボディキャッチ代わりに装着するというとんでもない仕様であるため強度には期待できない。
当時は確かにリヤステーよりもハイマウントローラーの時代ではあったが、あれもあれでボディに装着するパーツであり、そしてやはりその固定の要となるのはボディキャッチ。
まともなリヤステーが必要であれば、井桁のような改造で自分で用意してやるしか無い。

総合的に見た利点と欠点

利点

  • オフロード向けに設計されたシャーシであり、オフロードでは有利に走れる。
  • 一応芝セクションなどの悪路には強い。重心の高さとどう向き合うかは別問題だが。

欠点

  • 上記の特徴はサーキットにおいてはほとんど欠点であり、サーキットで走らせる上での利点が無いに等しい。
  • やはり古いシャーシであるため、本体もパーツも入手は困難。

総評

最初期のシャーシでありとにかく作りが古いので、今サーキットでまともに走らせるなら職人レベルの技術と知識が必要。
絶版品であるこのシャーシを入手してそこまでやるのは相当な物好きと言えるだろう。

ただ、オフロード向けマシンが欲しいなら一転して有力シャーシになる。
程よい速度や悪路走破性はサーキットでの走行とは違う魅力が見えてくるだろう。
繰り返すが、当時のタミヤのRCバギーを縮小したような作りであり、良くも悪くもオフロード用シャーシといったところ。


余談

再販品やメモリアルボックス、干支ミニ四駆のおかげで入手が割と楽な時期もあった。
キットの販売が行われていない現在でも新橋タミヤプラモデルファクトリーでシャーシの販売が行われている。また部品請求での入手も可能。その際は金具袋詰めの購入も忘れずに。

オフロードにおける強み

このシャーシ特有の軸受けの緩さのおかげで、走行中に多少シャフトが歪んでも平然と走り続ける事も。
昔の改造本にあったように、良い位置でハトメを固定してやるか、精度の高い軸受けを移植しないとどうにもならない。
サーキットではネックとなる、アッパースラスト気味のバンパーもオフロードでは一転して強みとなる。
現在のシャーシでは引っ掛かってしまう障害物、段差や凸凹などもものともせずに走り抜けることが可能。
ギヤ比もパワー寄りの物が揃っており、オフロード向けのギヤ選択としては有効なラインナップ。
当時のマンガン電池とノーマルモーターでのオフロード走行を想定しており、6.4:1スピードギヤと11.2:1パワーギヤの2つがセットされていた(バーニングサンは除く)。
入手困難もいいところだが、GUPのハイスピードギヤセットで上記の組み合わせより少しスピード寄りの5:1のハイスピードギヤと8.75:1のミディアムギヤが入手できる。
ミディアムギヤはともかく、ハイスピードギヤを手に入れたいなら再販品のタイプ3シャーシに付属する物を流用するのが一番手っ取り早い。

カラーバリエーション等

シャーシ本体


  • ブラック
一番標準的な色。大抵の車種ではこれ。

  • レッド
サンダーショットブラックスペシャルにて採用された色。

  • クリア
ホットショット、FOX、ビッグウィッグなどで透明シャーシエディションが発売された。
このエディションはシャーシが透明なだけではなくスパイクタイヤの水色や黄色が付属する。
また、ロッテ景品にてタイプ1の透明シャーシが同梱された。

初期の頃、モデラーズギャラリーなどで販売された。
赤いレーサーミニ四駆という紙のタグで、ITEMナンバーは不明。

  • シルバー(シルバーグレイ)
2001年の干支四駆(馬)で採用された色。
透明シリコンのスパイクタイヤが付属する。

  • ホワイト
2003年の干支ミニ四駆(未年)で採用された色。
シャーシの色変えでは定番の色で、よくGUPとして販売されることが多い色だが、このシャーシに限ってはGUPで販売されていたか不明。


  • 色々整理整頓してMAやVZのように見やすくしてみた。オフロードの件も自分で出来る程度には書いたので、あとは詳しい人におまかせします -- 名無しさん (2023-03-06 02:44:13)
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最終更新:2023年03月17日 09:25

*1 他のシャーシと違ってローラーが無いのであくまで参考程度に

*2 ミニ四駆グレードアップパーツセット クラシックVol.2で入手可能