TYPE-2(タイプツー) chassis(シャーシ)


[基本データ]

アバンテjr.から採用されたシャーシ。
ミニ四駆初の本格的オンロード仕様のシャーシとして開発されたもので、コース上での走行を前提として設計された。
RCのアバンテも、先進的な技術を多く取り入れた意欲的なものであったためか、Jr.でも画期的な新型シャーシを引っさげてきた形となった。
アバンテの名を冠するマシンに対し、タミヤが並々ならぬ情熱を注いでいたことがうかがえる。
TYPE-1からの主だった変更点としては、

  • 軸受けに直径6mmの軸受け(ベアリング)が無加工で取り付けられるようになった
  • ローラーが標準で付属するようになり、フロントバンパーのビス穴がTYPE-1の倍に増えた
  • サイドガードにもローラー取り付け穴がついた
  • TYPE1に比べて軽量化され、車高も低くなった*1
  • モーターを縦置き型のターミナルと一体となる固定パーツの採用タイプに変更し、またホルダーがモーターをむき出しにするような形になったため冷却性が向上した
  • ターミナルの形状を変更し、リヤを中心に整備性と信頼性が向上。またスイッチも大型化し、かなり使いやすくなった
  • ホイールベースが2mm伸びたため、旋回性は落ちたが直進性が上がった
  • 駆動系を筆頭に、各部の精度がTYPE-1から大幅に向上
  • 新設計のカウンターギヤ2種と新設計のスパーギヤ1種を採用、ピニオンギヤも8Tのものに統合した
  • クラウンギヤを前後とも共通(オレンジクラウン)とした
  • 現在主流のものと同規格の、大径ホイールスリックタイヤが採用された
  • リヤースキッドローラーセットのアタッチメントを使えばリヤーローラーステーが装着可能

などが挙げられる。
登場当時は『ニューシャーシ』の異名で呼ばれており、太陽ミニ四駆BOOK辺りからTYPE-1、TYPE-2との表記が見られ区別されるようになった。
オフロードの走行性はTYPE-1に比べ低下したが、逆にコースでの走行性能は圧倒的に向上した。各部の精度がよくなったため速度性能は確実に向上し、ノーマルでも改造を施したTYPE-1を圧倒することもザラであった。
また、TYPE-1のオンロード用の改良型となるTYPE-3に比べても、なお性能では程度の優位を保っていたため、第1次ブーム期を通して広く使われることになった。

上記のとおり駆動系の精度がTYPE-1から大幅に改善され、基本レイアウトこそ同じものの半分以上のギヤが一新され、ほぼ別物である。
このシャーシで初採用された5:1、4.2:1のギヤは2次ブーム最終型のVSシャーシや、最新シャフトドライブシャーシのARにも使えること(つまり基本設計は同じ)や、リヤのモーターマウント及びギヤケースの構造やパーツ構成もVSと良く似ていて、ARなどにおいてもこの構造の改良型といえ、如何にこのシャーシの設計が優れていたかが伺える。
モーターマウントとリヤ―ギヤケース周りの構造も、メンテナンス性は悪いものの精度を高めやすい方式であり、X系VS、S2、ARなどに継承された優れた構造だった。
このシャーシに採用されたB型ターミナルも(ZERO系シャーシをのぞき)TZ-Xまで同形状のものが使われ、さらにX系、VS、ARに使われているターミナルもこの改良型といえる。
まさに、VSまで続く本格オンロード用シャーシの直接の祖型といえる*2

このようにエポックメイキングなシャーシであったにも関わらず、その後の主要ラインナップがTYPE-3シャーシ採用車に移ったため、限定版を除けばアバンテJr.、グラスホッパーⅡJr.、バンキッシュJr、スコーチャーJr.の4車種しか採用されていない。
また、TYPE-3は2次ブーム時もダッシュ軍団のラインナップが定期的に再生産が行われていたが、TYPE-1・TYPE-2・TYPE-4のラインナップは軒並み生産停止処分を受けていたため、長らく手に入れることが困難な時期があった。

2012年にアバンテJr.および同ブラックスペシャルが再販されているため、メモリアルBOXに頼らずともシャーシ自体は比較的入手しやすくなっている*3。キット販売が行われていない現在でも新橋タミヤプラモデルファクトリーでシャーシ単品が販売されている他部品請求で入手が可能。

なお、超速ギヤは、ギヤボックスを改造すれば載るが、タミヤ公式的にはアウトなので注意。なので使える最高速のギヤは4:1のハイスピードギヤセットになる。
リヤローラーをつけたい場合には、リヤローラースタビセットかリヤースキッドローラーセットのどちらかが必要になる。しかし、どちらも現在のレースで使うには強度がかなり不足している(特に前者)。
リヤースキッドローラーのアタッチメントを利用して、他の強度の高いリヤステーを使うことをお勧めする。なお、現在入手可能な一点止めリヤステーで無加工のままアタッチメントに取り付けられるものはないので注意。
前者はミニ四駆グレードアップパーツセット クラシックVol.2、後者はミニ四駆グレードアップパーツセット クラシックVol.3で入手可能。

登場時は破格の性能を誇った『ニューシャーシ』であり、2018年にはアバンテ20周年記念の復刻もあったとはいえ、世に出てから既に20年以上が経過し、昔のシャーシを知らない子供には「何コレ?」と言われる扱いは他のTYPE系(特に1~4)と変わらない。
また当然と言えば当然だが、VSX系MSといった現役の発展型シャーシに比べると、多くの面で性能が見劣りするのは否めない。
しかし、駆動系の精度は旧FM同様にそれほど悪いわけではないため、少々の改造で駆動音はかなり静かになり、結構なスピードが出る。
現在の水準から見れば使いこなすには相当高い技術力を要するシャーシであるが、TYPE-1系列より速度が出る。



以下、その他カラーバリエーション

  • グレー
基本的な色。

  • ブラック
アバンテJr.ブラックスペシャルにて採用された色。

  • クリア
アバンテJr.スペシャル、バンキッシュJr.スペシャル及びスコーチャーJr.スペシャルで採用された色。
それぞれ黄(アバンテ)、赤(バンキッシュ)、青(スコーチャー)のカラースリックタイヤが付属した。

詳細不明。
昔モデラーズギャラリーにて発売された、もしくは抽選などで配った模様である。極めて貴重。



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最終更新:2023年02月25日 09:39

*1 TYPE-2は始めて肉抜きが施されたシャーシである

*2 シャフトドライブ構造などの基本レイアウトに関してはTYPE-1の時点でほぼ確立されている。またX系は少々特殊

*3 ミニ四駆ステーションなどではシャーシ単品でバラ売りされている店もある