ここでは、第1次・第2次ブームの時にミニ四駆をやっていて、これから復帰しようとする(そのようなユーザーは復帰組と呼ばれる)方や、
まだミニ四駆を始めて間もない初心者にお勧めのシャーシを紹介していく。

初心者にお勧めのシャーシ





両軸モーターを装備しダイレクトドライブ方式を採用したMSの後継シャーシ。
"ダイレクトドライブのMS"と"頑丈、高拡張性、エアロデザインのAR"との融合がテーマであり、
分割形式をやめて一体成型に戻し、駆動効率の向上とシャーシ下面のスムーズな形状を実現している。
シンプルかつトラブルを防ぐ合理的な構造、全シャーシ中トップの駆動効率、MSから復活し、ARより幅広なサイドガード、多数のビス穴等、
初心者から上級者まで誰が使っても困らない高い性能を誇る。
ただし弱点も無いわけではなく、全シャーシ中最も重くなってしまった事、無改造では電池の取り出しが結構面倒な事、
MSと同様、大径タイヤの場合、使えるホイールを選ぶのに注意する必要がある事等。




モーター電池ギヤ類がシャーシ下部から交換可能な、エアインテイク満載のシャーシ。
各部の強度が高く、拡張の余地もMS並みにあり駆動系の精度も高い(ただし初期型のぞく)
此処に挙がる他シャーシと勝手が異なり慣れるのに多少の時間を要するが、慣れてしまえば性能は他シャーシと同等以上の潜在性能がある。
ただし初期に出回ったロットは若干駆動系に問題を抱えている。エアロサンダーショットあたりから採用された現行のモノは、
電池スペースに電池の向きを示す浮彫が追加されているなど違いがあるので、購入の際は注意しよう。




第2次ブーム前期の主力シャーシであったS1シャーシをベースにして、後発のVSシャーシ・SXXシャーシや、
後述するMSシャーシにて得られた技術や経験、構造を転用して大幅な改良を加えたシャーシ。
問題を抱えているとはいえ、金型の改良を重ね駆動系統の精度が高レベルな物となっているS1を発展させた物なので、S1譲りの精度のよさを誇る。
ゆえに初期状態でも中々速く、VSシャーシ・SXXシャーシ・MSシャーシとも十分に渡り合える。
S1シャーシでは剛性の低さから、重大な欠点とされたバンパー部は形状が一新され、強度が増してネジ穴の数も増加されて、高いバンパー強度と拡張性を持つ他、
リヤステーも2点止め方式を採用、しかもステー用のネジ穴部分は、従来のシャーシの2点止め用のモノよりもかなり強度の高い形状に変更されていて、扱いやすさが増している。
シャーシ中央のネジ穴を2箇所増やしたり、Vマシン型サイドガードベースの新型オプションサイドガードを設定する
(ただし標準で付属しているのはシャイニングスコーピオン プレミアムのみ)など、新たな拡張性も模索されている。
また、駆動系やギヤボックスはTYPE-2をベースにした方式に変更され、スイッチも、MSシャーシの軽量センターシャーシで定評があるロータリー方式に改められている。
S1シャーシの名残は残しつつも、現代的な仕様に大きく改設計されたシャーシとなっているので、基本的な改造もやりやすく、全体的には初心者でも扱いやすい。
ただし特に初期ロットはそうなのだが、ある程度速度が出てくるとギヤケースの強度に少々問題が出てくる場合があるので、その点だけ注意したい。
他のシャーシで培った改造ノウハウは十分活かせるので、中級者以上でも使用者は増えつつある。




伝統のシャフトドライブ方式ではなく、両軸モーターを装備しダイレクトドライブ方式を採用した新世代シャーシ。
初期状態の速度が非常に速い。SX以上に頑丈で、VS以上に速いともいわれる。
後発で年式としては最新型のSXXシャーシ・S2シャーシ開発後も、並行して展開が行われているタミヤの主力シャーシである。
開発から既に相当な年月が経過し、直接後継するシャーシは開発されていないが、ユニットごとに新型が出ているため、事実上のマイナーチェンジを繰り返しているとも言える。
拡張性が高く、専用GUPも充実しているため、MAが出た後でもMSシャーシを使う人の数は多い。
駆動効率は、全シャーシ中でもMAに次いで優秀である反面、構造や特性(癖)は従来のシャーシと大きく異なるので注意が必要。
大人になって復帰した人が、昔とのあまりの違いに戸惑う最初のポイントともいえる。
その構造の特殊性ゆえに敢えて使用しない人もいるが、そのようなユーザーたちの間でも、基本性能の高さは広く認知されている。
シャーシの強度全般も全シャーシ中最強を誇り、またフロント・センター・リヤと3分割にユニット化されている。
そのため改造の選択肢やバリエーションも広く、サスペンションのような特殊改造が比較的容易に行える(とはいっても、もちろん工作技術が必要)のは大きな特徴といえる。
簡単な改造でも速くしやすい上、慣れてしまえば非常に扱いやすいシャーシであることも、初心者向けのポイント。
大径タイヤの場合、使えるホイールを選ぶので要注意。



モーターが下から取り出せたり、バッテリーホルダーが着脱式ではなく開閉式になっているなど整備性が高く、
頑丈で壊れにくいオレンジクラウンを採用し、初心者や小さい子どもでも扱いやすい要素満点のシャーシ。駆動系も優秀で、初期状態でもかなり速い。
コーナーワークでは後述のVSシャーシに劣るものの、直進性と安定性ではVSシャーシを上回っているので、それぞれ特徴が異なるシャーシと見るべきだろう。
小径タイヤのマシンが精度の良い水色カウンターと黄色スパーの超速ギヤーを標準装備なのもおいしい。
シャフトドライブシャーシの中でも構造がやや特殊であるが、バンパーを始めシャーシの強度全般がシャフトドライブシャーシ中トップクラスで、あまり補強に気を配らずに済むのも大きな長所。

直接発展型のSXXシャーシは、今のユーザーたちの声や後述するMSシャーシで得られた経験や長所を転用して開発された新型のシャーシである。
フロント・サイドバンパーともネジ穴が増えるなど拡張性が向上している上、
それらバンパー類とシャーシ側面の強度がより一層高められていて、ラジ四駆のTR-1を除けばシャフトドライブシャーシ中最強の強度を誇る。
さらに両シャーシともカーボンやポリカABSなどの強化素材があり、それらは強度が向上しているだけでなく寿命が長いといううれしい長所がある。
シャーシのフロントモーター化をはじめ改造のバリエーションも広く、初心者から上級者まで愛用者は多いとされるシャーシである。



駆動効率はシャフトドライブシャーシの中で最も優秀とされており、初期状態でもかなり速い。
コンパクトな仕様でコーナーワークにも優れるため、セッティング次第で何をやらせてもそつなくこなせる万能シャーシ。
改造の腕がそこそこにある場合、SXシャーシSXXシャーシより伸び代が高いともいわれる。
そのため、初心者から上級者まで現在でもメインシャーシとして使う人は多く、
とりわけ最高速度が他のシャーシより伸びやすいので、3レーンコースを使ったフラットレースでは愛用者が非常に多い。
基本構造はTYPE2・4とよく似ているため、一次ブーム時少年だった大人が復帰しても構造の違いに戸惑うことは少なく、
その頃からの復帰組のユーザーにとっては構造が掴みやすいのも特徴。
シャーシ強度全般もSX系やARシャーシに次いで高い(TZ系とほぼ同等)が、数少ない弱点としてはフロントバンパーの強度がやや低いとされる点がある。
そのため、バンパーの補強はX系MSシャーシよりも気を使う必要がある。
(とは言っても、多様なFRPプレートが販売されている現在、それらを組み合わせればそれほど難しいことではない)
なお、シャーシやバンパーの強度を改善するためVSシャーシEvo.1及びゼンキッシュ プログレスでは、
シャーシの裏側全体を覆ってしまうFRP製の専用補強底板が新たに装備されている。
SXと同じく、小径タイヤのキットが超速ギヤー標準装備。
ただしリアルミニ四駆上がりのディオマース・ネロとスピンバイパーは4:1ギヤーなので注意。



オススメできないシャーシ
第1次ブームに使われた主力シャーシ全般にいえることだが、性能的(設計的)に現在の水準では旧式化していて、半端な改造では上記シャーシと渡り合うことが非常に難しくなっている。
第2次ブーム時においても、上記のシャーシを除くものには何かしらの大きな欠点が付いている場合が多い(S1はフロントバンパーを始めシャーシ全体の強度・剛性が低い、TZ系、特にTZ-Xは駆動形の精度の悪さが指摘されている、など)
復帰組の人が、昔使っていて慣れたシャーシで勘を取り戻すために組むならともかく、主力として使う場合、シャーシの基本スペック差が大きいことは念頭に入れ、まずはそれを補う改造から行うべきだろう。
初心者の方は、ある程度マシンを組むことに慣れてから組むことをオススメする。
具体的には下記を参照。

TYPE系シャーシ
TYPE-1TYPE-2TYPE-3TYPE-4TYPE-5FMトラッキンシャーシを指す。
TYPE系シャーシは、ミニ四駆黎明期~2次ブーム直前に開発された同時期の主力を担ったシャーシ群であり、トラッキンシャーシはTYPE-3の派生型である。
ディスプレイ目的やただ走らせたい、仲間内でTYPE縛りレースをするなどという場合は、特に気にせず選んでもらって構わない。
ただし、現在活躍してるシャーシの礎となったシャーシ群であるため、現在活躍してるシャーシと比べて各部の作りが甘く、車高・強度・ギヤ比など、後発のシャーシに比べ基本性能の差が大きい。
主だった弱点としては、

  • フロントバンパーの剛性が低く、角度が0か若干アッパースラスト気味。
  • シャーシ中央の剛性が低く、ねじれに弱い。
  • TYPE1~4までは、標準でリアステーの取り付け箇所がない。
  • 駆動系の精度が悪いものが多い(特にTYPE1とそれを基にしたTYPE3、トラッキンシャーシ。TYPE2・4・5もマシとはいえ後発のシャーシには及ばない)
  • ギヤ比がTYPE5を除いて4:1までしか設定されていないため、超速ギヤを搭載できない。
  • プロペラシャフトが2mmであるため、抵抗が大きい。
  • クラウンギヤが非常に硬いオレンジ。
  • ポリカABSなどの強化素材を採用したシャーシが極めて少ない。

などなど、初心者が組むには扱いにくい点が満載。
また、一部は再版されているものがあるとはいえ、かつてTYPE系に合わせて作られたGUPの多くが絶版となっており(あっても性能や強度が現代のレースでは通用しない)、現行のGUPを取り付けようにもネジ穴などの取り付け箇所が少なく、あるいは全く無いので、現行のGUPで改造する場合は工夫が必要となる。
加えて、現在はモーターや電池をはじめGUPの性能が向上しているうえ、ユーザーの改造レベルも上がっているため、開発当時に想定されていた限界速度を大きく上回っている。
そのためある程度の速度が出てくると、脆弱なバンパー部を中心に、全体の強度不足が深刻な問題として立ちはだかる。
シャーシそのものや現行のGUPを大きく加工する必要がある場面も多く、改造には創意工夫が求められるため、中級者以上でも苦労は絶えない。
逆に言えば、TYPE系シャーシを速くできるようになったら一人前ともいえる。
ZEROシャーシも、TYPE系と同じ時期に開発されたシャーシであるため強度が不足しており、TYPE系シャーシと似たような問題を抱える場面が多いため、やはり初心者向きとは言い難い。
ただし、VSシャーシと同じピンク色ヘリカルクラウンギヤと1.4mmプロペラシャフトが採用されているため、駆動系は悪くなく(むしろ、比較的長期にわたって生産されたためか金型が改良されていて、かなり出来がいいほう)、また超速ギヤが使えるのでTYPE系シャーシに比べると速くしやすい。
強度の改善さえしっかり出来るならば、現在でも活躍できる性能を秘めている。

TYPE系を好んで使う人は、下記SFMシャーシを使う人同様に猛者といえるが、第1次ブームからの継続組や復帰組を主として、ごく一部ながら愛用者がいる。


SFMシャーシ
バンパーの形がS1ベースで強度が低く、駆動系の精度も悪くて五月蝿い。
またS1より後発の第2世代のシャーシでありながらに駆動系の出来がトップクラスの悪さという、TYPE系と同じ弱点を持っている。
かつてはモーターが前にあることでアップダウンに強いなどの利点が有るとされてきたが、最近では迷信に近い状態とされており(電池のほうが重い)、速くするにはかなりの腕前が必要なシャーシ。
さらにリヤのギヤカバーの形状的に、リアステーを装着するとメンテナンスがやりにくくなる(これは旧FMにもいえること)うえ、独特な方式のスイッチは信頼性が低く、走行中に何かの拍子で勝手にOFFになることがあったり、すぐターミナルが変形するため接触不良が起こりやすい。
また、中には駆動系などに多少の加工が必要なものもある困ったちゃん。

TYPE系シャーシを好んで使う人と同様、SFMシャーシを好んで使う人も、やはり相当な猛者といえる。
一方で、FM系では最終型となっているシャーシのためか、2次ブームからの復帰組を中心に愛用者がいる。


TR-1シャーシ(ラジ四駆シャーシ)
とにかくでかい。
困ったことにあのSXよりワイド設計である(正確には幅がSXと同じで、前後が非常に長い)
その所為で(安定性は高いものの)旋回性能は極端に悪い。
これは設計上の問題なので、セッティングで補おうにも限界がある。
そのうえ部品構成も複雑で組み立てに手間がかかり、整備性が悪く改造も難しい。
特に後部ギヤケースの構造が妙に複雑でぺラシャギヤのメンテナンスは一苦労。
さらに送信機の関係でターミナルも多く、その点でも骨が折れる。
しかも、ラジ四駆の商品展開が終わってしまったため、GUPや予備部品の入手が困難という保守上の不安もある。
またラジ四駆の規則にのっとった設計のため、ローラー用ネジ穴の幅が妙に狭く(特にフロント)FRPプレートなどのGUP取り付けに多少工夫が必要。
改善しようと手を加えようにも、その複雑な部品構成ではどこに手をつければいいのか判断に困ってしまう。
ボディに関しても、実車系でリアルなのはいいのだがその分大きくて重く、取り付け方が独特で従来のミニ四駆のボディは無改造では乗らないなど困った点がある。
また2011年からの公式レースでは、ネオチャンプ(ニッケル水素充電池)の搭載を禁止するシャーシに唯一指定されてしまったので、パワーソースの面でも不遇っぷりが増した。
特に駆動系の精度が悪いわけでもなく、強度的に問題があるわけでもないのに何かしら苦労するシャーシ。