精霊の上位種族であり、分類上では生物と魔法生物の中間的な存在。精霊との決定的な違いは、大半の妖精が個体の違いはあれど自我を持つことである。
体格については極めて個体差が大きく、姿は人間に近い容姿から動物、竜、異形の魔物など、そして大きさは数mmや数cmから数十mに及ぶものまで様々。
成長の概念についても個体差があり、生まれた頃から変わらぬ姿を持つ者もあれば、周りの魔力などを取り込み続けてどんどん成長し続けるう者もある。
体組織は魔力で構成されており、血液の代わりに魔力が全身を駆け巡る。それゆえ魔術に反応しやすいために、多くの妖精は魔法に対して高い適性を持つ。
加えて魔力が尽きない限りは基本的に寿命は存在せず、それ故に短命な他の種族以上に学ぶ時間は格段に長く、とても強力な魔術を操る妖精も存在する。
万が一事故などでその命を散らすことがあれば、多くの妖精は身体を維持できずに周囲に魔力(＝自身の身体)を散らしてしまうので、元には何も残らない。
しかし、強い魔力を持つなどの理由を持った妖精は死してなお身体の一部や全部を形として残したり、或いは自身の魔力を秘めた結晶を残して散ることもある。
また全てに当てはまるというわけではないが、大半の妖精は気儘で大雑把な性格の持ち主ゆえに、気がつけば数十年ほどが経っていたと言うこともよくある。
体内に取り込まれた物体は「物体→エネルギー→魔力」というプロセスで無駄なく変換され、完全に体内に取り込まれるので殆どの妖精は排泄を行わない。
また、そのために身体の大きさと食事量は比例せず、むしろ必要とする魔力の量に比例する。10cm程の妖精が人間並の食事を摂ることも珍しくないのである。
【何故ゴブリン種は妖精として扱われるか】
ゴブリンは、彼らが妖精だと言っても他の妖精族からは「妖精として認めたくない」と評されるほどの下等種族である。
知能が低いためほとんど魔法が使えず、粗暴かつ独特な言語(というより鳴き声)を扱い、その姿は妖精と思えないほどに醜い。
ところが彼らには妖精に似た性質が多い。まず、彼らは食べ物だけでなく魔力を糧にすることでも生存することができる。
しかし魔力では腹は満たされず、そのためにゴブリン達は食欲に任せて人里を襲ったり盗みを働いたりするのだ。
また、他の妖精と同様、魔力から無尽蔵に生まれるためにどこにでも湧くという、我々にとって厄介な性質の持ち主でもある。
《「ゼロから学ぶ妖精学」より抜粋》
最終更新：2017年02月01日 16:44
