芥辺境藩国@wiki

ヴィクトリー登場(イベント)

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kirihara

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要点・評価

L:ヴィクトリー登場 = {
 t:名称 = ヴィクトリー登場(イベント)
 t:要点 = ピンク髪,パイロットスーツ,航空眼鏡,航空時計,白いマフラー
 t:周辺環境 = 芥試作機から飛び降りて空中でサイベリアンに乗り換えるヴィクトリー
 t:評価 = なし
 t:特殊 = {
  *ヴィクトリー登場のイベントカテゴリ = ,,,藩国イベント。
  *ヴィクトリー登場の位置づけ = ,,,{特殊イベント,自動イベント}。
  *ヴィクトリー登場の内容 = ,,,ヴィクトリー・タキガワがアイドレス世界に出現する。
 }
 t:→次のアイドレス = ヴィクトリー・タキガワ(ACE),セプテントリオンの大規模侵攻(強制イベント),かのものの影(強制イベント),帝國軍建設(強制イベント),芥辺境藩国への守り(イベント)

芥試作機(蒼天)は継承
#08/10/29 藩国サイト移転のためアドレスの変更をしました。(旧ページURL:http://www.geocities.jp/akuta5121/event.html#shisakuki


設定文

ヴィクトリー・タキガワ。
ピンクの髪をした少年。ピンクの髪とは加藤屋(狩谷と加藤)の血統を受け継ぐものであり、遠い昔の約束が今も果たされている証拠でもある。
タキガワ一族の一人で、小カトー・タキガワの子供。
まだまだ発展途上中のチビだが、見たら誰もが好きにならずにおれない人物で14歳。いつも小カトーゆずりの航空眼鏡と航空時計を身に着けている。
なぜか5感の多くが閉じており、ESPで見聞きしたり会話したりしている。

ダンシングドールの登場人物であり、GPO青の章に登場する田島順一の相棒。
タイムガール・レイカと違って、時間跳躍ができず、青より守備範囲が広い(初対面の女性に、お前は俺が守るくらいいう)のがヴィクトリー。
3歳児ですでにその片鱗があり、絢爛世界崩壊に心を痛めるプレイヤーを慰めた後「絢爛世界は崩壊していないのではないか?」との推理を披露していた。


過去、セプテントリオンがこの人物を抹殺するために、先祖である瀧川陽平と小カトー・タキガワの暗殺を企てたこともある(この時間犯罪を食い止めるため、プレイヤーたちは儀式魔術「絢爛舞踏祭」にて、セプテントリオンと決死の攻防を繰り広げた)また、最近の調査でヴィクトリーを狙っているのはセプテントリオンだけでなく、全てのリン・オーマであることも判明。
リン・オーマにとってのヴィクトリーは、レイカと同じく無敵な存在であり、直接戦えばヴィクトリーは必ず勝利する。
そのため、ヴィクトリーは直接対決しなくて済む時間犯罪で、リン・オーマに繰り返し命を狙われて(存在をなくそうとされて)いる。
儀式魔術アイドレスの前に起こった、謎の多い【アプローの涙事件】はまとめると、ヴィクトリーが生まれるという未来に続く絢爛世界を無くそうとする時間犯罪であった。


タキガワ一族の伝統ともいってもいいぐらいの航空機乗りであり、その腕は一級。
その証拠に、飛行中の戦闘機:蒼天からI=D:サイベリアンへ空中で飛び降りて乗り移る。などという芸当を平気でこなすほど。
パイロットスーツに身を包み、白いマフラーをなびかせる彼を見ていると「出来ないことなど、何もないのではないか」と思わせる。



現在、アイドレス内で絢爛世界の崩壊及び、小カトー戦死の報が流れているが、ヴィクトリーはイグドラシルより登場する。
なんらかの時間犯罪が関係しているようだが、詳細は不明。
ただ、ヴィクトリーの推理を正しいとするなら、何らかの形で絢爛世界は無事である可能性がある。
また、先祖である瀧川陽平がストライダー兎に子孫が絶えないように祝詞を受けているが、そのことが関係しているかどうかも不明である。


参考資料


(文章:双海環)

SS

本当に青い、雲一つない青空の中で、彼は何もない空間に身を躍らせた。

この青空を機体名としている空色の戦闘機が遠ざかっていく。
それは、彼と同じ名前を持っていた少年のために建造された戦闘機であった。

空を、落ちる。

彼の下にあるのは森だ。
落ち続ければ、死ぬ。

彼はその知覚を一点へと向け続けていた。
航空眼鏡に覆われた目で、真っ直ぐと見据える。

(文章:歩露)



 その日の空は、染み一つない快晴だった。
 眼下には地平線まで続く森の緑。
 果てなく遠い青と緑の交わる先へと、泳ぐように踊るように、空を切って蒼天は飛んでゆく。


 奇麗だねえ。コクピットから見える世界をその瞳に移しながら、ゲドーは心の中で呟いた。
 こんなに奇麗な世界は、ビクトリーくんの心にはどう映ってるんだろうねえ?
 それはきっと、自分には分からない。けれど、美しく映っているのだろうと、それだけは確信を持っていえる。
 つまりはビクトリーとは、そういう人物だった。

「さ~てさて、そろそろ予定してた位置だけど、準備はい~かい?」
「いつでも平気さ。そっちこそ、緊張してるんじゃないの?」

 一回り以上も下の子供に言われたら立つ瀬がないねえ、と心の中で呟く。だが不思議と、不快にはならなかった。
 だから、自然と苦笑が浮かんできた。

「少しは信頼してくれても大丈夫だよん」
「そっか、ごめん」

 ヴィクトリーが笑ったのだろう念が帰ってくると、後ろでがさごそと物音がし始めた。
 首だけを振り向けてみる。
 ヴィクトリーがシートベルトをはずし、父親と同じ航空眼鏡をかけているのが見えた。

「似合ってるねえ。そのゴーグル」

 空へと飛び込んでいくヴィクトリーの為に速度と高度を徐々に落としながら、ゲドーは笑って言った。

「ありがと」

 微笑んだ念を返すと、ヴィクトリーはコックピットのハッチを空けた。
 途端に、猛然と風が飛び込んでくる。
 少しでも気を抜けば吹き飛ばされそうな風圧に、ヴィクトリーは進んで自らの身を任せた。
 それは、飛び降りるというよりも、身を躍らせるという方がゲドーの目には自然に見えた。
 空と遊び、風と戯れ、全てを楽しんでいる。そんな気がしたのだった。

 悪戯をしてまわるような風から逃れるように、ハッチを再び閉じる。
 数秒もしない内にどんどんと小さくなってゆくヴィクトリーを見送りながら、ゲドーは笑って呟いた。

「ぐっどらっく。ビクトリー君」

/*/

(文章・小鳥遊)


「チビに似てる」

「タキーに似てるわ・・・」

「・・・不思議な人・・・」

「カッコよかったよ!」

「なんかちょっと可愛い」

(ははっ・・・)


芥辺境藩国の海は・・・お世辞にもキレイとは言えない。
度重なる戦争。それに伴う兵器の大量生産。燃料需要の増加による燃料採掘場の建設など。環境汚染ってや~よね~・・・
まぁ、資源が少ないのはしょうがないのだ。それが土地柄、お国柄と言うものなのだろう。その代わりと言っては何だが、芥辺境藩国には多くの燃料が眠っている。それで「おあいこ」だろう。

彼が飛び立つちょっと前

汚い海でも、結構遊びに来る人もいる。

ここは芥辺境藩国のグレテル港・・・のはずれ。人混みも無く閑散としている。
遠くの海で船の汽笛が鳴る。「ぼぇ~~~~~」という気の抜けた音が鳴るたびに、チビは「お船だよ!?」と瀧川に逐一報告しては楽しそうに笑う。
「そうだな~・・・」
ぼけ~~~~っと海辺に釣り糸を垂らしている瀧川。
「瀧川、引いてるよ?」
吉田は針にエサをつけながら、瀧川の浮きには目もつけずに言い当てる。
「え?マジかよ!!」
慌てて竿を引くがもう遅い。魚はスルスルと逃げていく。
「・・・タキー。もぅ。へたくそなんだから・・・」
「グハァ!」
誰に言うともなくボソリと萌がつぶやく。タキーのハートがなんだかちょっぴり傷ついた。
汽笛が鳴る
「ぼえぇ~~~~。お船!」
「うん、そうだね。お船さんだね。ぼえ~~~~」
月子はニコリと微笑んで頷き、自分も一緒にモノマネをする。
瀧川はチョイチョイと針にエサを取り付ける。しかし、もう残り少ない。
「チビ、あっち行ってエサをゲットして来い!」
「えさ?」
「ああ、アッチの岩の裏とか水溜りにいっぱいいるから取ってきてくれ」
「うん!」
「あ、チビくん?」
チビは元気に返事をしてさっさと行ってしまう。「あ、」と瀧川が声をかけようとする。月子が慌てて後を追う。瀧川に軽く手を振って笑って見せた。


30mほど先にある離れの岩場。岩の窪みにいくつもの水溜りができている。
「チビくん、ここは危ないからあんまり走っちゃダメだよ。ね?」
「は~い!」
元気よくお返事した。水溜りに手を突っ込んでエサの探索を始める。
「・・・・・・」
風が吹く。冷たい風が吹く。背筋に寒気が走る。身を震えさせ、カーディガンを身に寄せる。
「寒いなぁ・・・・・・」
誰にとも無くつぶやいて、泣きそうな顔になる。
「お茶飲む?」
月子はいきなり聞こえた吉田の声に驚く。スカウト独特の歩法なのか、吉田自身の特徴と言うべきなのか。この少女は気配が掴みづらい。
「うん。ありがとう。もらおうかな」
またニコリと笑う。吉田は嬉しそうに愛用の水筒を取り出す。少し無骨なデザインの使い古された水筒だ。
「あ・・・!!」
水筒のフタを取ろうとしたが手が滑る。カロロンと言う音と共にフタが水筒の口で踊る。慌てて手を伸ばすが、フタは軽いステップで吉田の手を避け、自由な空へ躍り出る
吉田はフタを追って手を走らせる。水筒が傾き、お茶が少しこぼれた。しかし、その手にはフタが握られている。
月子は感心した表情で軽く拍手をする。吉田は照れくさそうに笑って、お茶を入れる。
「はい!」
「ん。ありがと・・・」
二人は防波堤にちょこんと座る。熱いお茶がのどを通る。ポカポカと体が温まる。
だが、痛みを感じる。生傷にぬるま湯をかける様なそんな感覚だ。癒えぬ傷。
また冷たい風が吹く。吉田が子猫のように身を寄せてきた。触れている部分だけだがポカポカと温かい。
(あなたは一人じゃない)いつか見た夢がそう語りかける。
それにしても子供と言うのは元気なものだ。この寒さでもヘッチャらなのだから。
チビがこっちに駆け寄ってくる
「いっぱい取れた」
握っていた両手を開くと大量のゴカイが蠢いている。
月子は驚いて立ち上がる。ポンと吉田の帽子にぶつかる。風に流されて帽子が飛んでいく

**

ピンク髪の少年は航空時計を眺める
(大分遅れてしまったかな?)
少年はそう思いポリポリと頭を掻く。
ボスンと何かがぶつかり。視界が闇色になる。少年は落ち着いた仕草でそれを取り除く
(帽子?)
「待て~~」
女の子の声が聞こえる

**

「遥ちゃん待ってよ~」
月子は息を切らせながら遥を追いかける。走ったのは久しぶりな気がする。
「まって~」
後ろからチビもついてくる。
やっとの思いで追いつくと、遥はパイロットスーツを着た同い年くらいの少年と向かい合って硬直している。
少年はこの辺りでも見た事がない。キレイなピンク色の髪をしている。染めたのではなくて地毛なのだろう。サラサラと風になびいている。異国の人だろうか?始めて見た
少年は何も言わず、吉田の頭に帽子を投げてよこす。輪投げのわっかのようにスッポリと吉田の頭に納まる。
(こういうのは得意なんだ)
頭の中に声が響いた。吉田にも聞こえたのか慌てて月子のそばによる。月子は呼吸を整える。体温が少し上がる。頬がほんのりと赤く色つく。
「帽子、ありがとうございます」
少年は少し淋しげな顔をしたあとふと笑う。もうあの声は響かない。
少年はつつと近寄り、つま先立ちして首に巻いていた白いマフラーで月子の汗を拭う。グっと目尻を拭われる。するとほんの少しだけ涙が流れた。
「え、あれ?」
心が軽くなった気がする。少年は見た目に似合わぬ深さを備えた笑みを浮かべる。
ズシンズシンと重厚な機械音が響いてくる。音の主は芥辺境藩国独自I=Dのコトラ。伏せ状態で駆け寄ってくる。
「でっかいトラさんの乗り物だ~!」
チビのテンションが上がる。
『お迎えにあがりました。早く乗って下さい、この天然スケコマシが~~!!』
拡声器からなんか変な声が響く。チビと遥はびっくりして月子の後ろに隠れる。
少年は少し渋い顔をしてから目線を合わせて肩をすくめる。コクピットへジャンプすると、スルスルと吸い込まれるようにシートへ着座する。
少年が、さよならと手を振るとコクピットのドアが閉まる。

コトラが吼えた。風になり颯爽と駆けて行く。さっきとはまるで違う、動きが別物だ。
チビは月子の後ろから姿を出して手を振る。月子も手を振る。不思議な少年だった。
「ありがとう・・・・・・」
コトラが点となり見えなくなっていく。それでも点を見続ける。もう会うことはできないのだろうか?ふとそう思った。

***

「急いでくださいよ。もう時間が無いんですから」
(わかってるよ、遅れた分は取り戻して見せるさ)
「とりあえず飛行場へ向かってください。急ぎで」
(ああ、OKだ!!)
操縦桿を強く握るとまたコトラが加速する。
急ぎ飛行場へ向かう。



/*/


突然一機のサイベリアンを整備して指定されたポイントに運ぶ様連絡があっのは今朝方のことだ。
なにせ急な話。一体何が起きているかは詳しくは知らなかった。
だが、そうだ。確か地上班の手伝いという事だった。
"地上班”と言うからには空にも当然誰かがいるのだ、辺境は共和国唯一の航空国家であるのだから。

――背後でにわかに歓声が上がった。
振り向と皆の視線の先は空。
見上げると曇りの無い青磁のような空の中に一際青い”二つの点”が浮かんでいた。

点の片方は今しがた浮上したサイベリアン、すさまじい速度で近づいてくるもう片方はおそらく蒼天だ
――カラーリングが常のものとは異なるが晴型にあそこまでの推力は無いだろうから。
推力比のせいでその巨体の割りに羽の様に軽い蒼天を隙も弱々しいところも一切無く操っている。見事な操縦だった。

そうして見ている内に何故か蒼天は緩やかに高度と速度を落としていく。
お互いに近づいていく。軌道が殆ど交差するよう様になる。
二機が上下にすれ違う、その瞬間――蒼天から突如として何かがが飛び出したのが見えた。

驚く間も無かった。
飛行服が見える。
ピンク色の髪が見える。
航空眼鏡が見える。
飛び出した何かは、少年だった。

(――何をする気だ!?)
明らかな自殺行為、に見える。
しかし飛び出した少年に危機感の色は見えない。むしろ風を楽しんでいる気配すら有る。
いや――その姿はあたかもその少年自身が風のような、生きた風のような、風が人の形になっているかのような、そんな有様だった。

……突然の曲芸劇は時間にすれば一瞬だったのだろうか。
飛び出した少年はそのまま開いたサイベリアンのコクピットに滑り込み、
蒼天は何事も無かったかのように飛んで行ってしまった。
結局いま何があったのか解らないまま、へたり込んだままの彼に声が掛かった。

「サイベリアンに飛び乗ったの。あのヴィクトリー・タキガワですよ」
声を掛けたのは同じ工場のの整備員だった。
嬉しそうとも。誇らしげともつかない表情だ。
なので――それは疑問の答えでは無かったが――黙る事にした。
そうですか、と生返事をするに止めた。
今日はあの少年ための一日だったのだろう、と納得することにした。

帰り道もなんだか皆が空を見つめていたので、彼もとりあえずそれに倣うことにした。なんだか良い気分が移って来たようだった。
そうして空を見つめながら。一瞬だけの、あの少年の印象を反芻する事にした。
あの離れ業を可能にする技量・度胸。奇抜な容姿。
いやそれより何よりも――。
なんだか、なんだかあの微笑する青空の様に、人好きのする雰囲気の少年だったな、と。


/*/

(文章:青色珊瑚)



イラスト

芥試作機から飛び降りて空中でサイベリアンに乗り換えるヴィクトリー
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(イラスト:吉備津五十一:双海環)
芥試作機から飛び降りて空中でサイベリアンに乗り換えるヴィクトリー(コマ割り版)
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(イラスト:吉備津五十一:那限逢真・三影)
青空とヴィクトリー
(イラスト:霧原涼)

※試作機・蒼天のイラストのカラーリングが量産機である蒼天・晴型のものになっていますが、これは量産機の設定にある空気抵抗を減衰させる塗料を試用しているためです。

※もちろん、本当は技族の霧原涼君が塗り間違えました。ドジッ子です。
本人のコメント:
霧原涼 「き、昨日の夜藩王さまと摂政さまが…なかなか放してくれなくて。」(深読み推奨)
霧原涼のPL「多分、麻雀に付き合ってたんだと思います(言い訳)」
荒川真介(藩王)「てか、麻雀かなり弱いよ私」
霧原涼「ぼ、僕もスーチ○パイくらいしか遊んだコト無いです…」
歩露(たまたま居合わせた)「小学生が脱衣麻雀やるな」
霧原涼「ええー!ス○ファミソフトは年齢制限ないはずなのに!!(がーん)」
注:(今時の小学生はSFCで遊びません)

真相は謎と言うことで。
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