芥辺境藩国@wiki

『藩国は今日も平和』ぼたんの場合

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takanashi

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え~ちょっと書いてみたのですが・・・
各自キャラが強烈な事になっています。
特に白牡丹さん(PCぼたん)には酔っていただき、タイムさん(PC八岐)はコチラで勝手に姉さんキャラにさせてもらいました。
さらに瀧川を前面に出したら口調が把握できず変な喋り方になりました(汗
出演者の白牡丹さん(PCぼたん)タイムさん(PC八岐)芥さん(PC荒川)は演出などに不備があったら遠慮なく言って下さい。
また瀧川のセリフが変などの意見も遠慮なくどうぞ。
その他問題点があったらガンガン指摘してやってください。
(ほぼ初の恋愛物なので書いてる途中恥ずかしさで逃げそうになりました)


『藩国は今日も平和』ぼたんの場合


「なあ、お前知ってる?」
「何が?」
「瀧川さん彼女いるらしいよ」
「マジで!?」
「しかも色白美人、この間自慢してた」
「うわ、いいな~俺も彼女欲しい・・・」
たわいない男子生徒AとBの会話。
しかしその会話を大きなショックを受けながら聞いている人物がいた。
(・・・・ウソ・・)
藩国員技族松林ぼたんは話を聞いて顔を青ざめさせる。
彼女にとって憧れの瀧川に恋人がいる事は絶望するには十分なニュースだった。
この国に瀧川が来た時彼女は歓喜の声を上げた。
しかし憧れの瀧川が近くにいるというのに会話らしい会話はした事がなかった。
嫌われるのが怖い、こんな作業服姿で話しかけたらどんな顔をされるだろうか、そんな不安が彼女の自信を奪っていった。
ある日学校を模したシュミレーターの話が耳に届いた。
そしてそこで彼女は幸運を掴んだ、なんと瀧川の隣の席に座る事になったのだった。
それからはすべてが変わった。
瀧川と気軽に話しが出来るし、いつでも彼の傍にいられる。
格好も汚れた作業服じゃなくて綺麗な制服を切る事が出来る・・ちょっとスカート短いけど。
彼女は幸せだった、たとえシュミレーターの中でも憧れの人と触れ合う事が出来たのだから。
しかしその幸せな気分はあっさり崩れた。
決して予測していなかった事ではない、それでもあまりに突然過ぎる事実だった。
ぼたんはシュミレーターを切ると泣きながら友人の部屋を尋ねた。

「へぇ、あの瀧川がね・・」
ぼたんは友人の一人である八岐颱梦を尋ねた。
彼女の少しおおらかな態度に安心を求めたのかもしれない。
ぼたんはただ泣きながら首を縦に振っていた。
「そっか・・そういうツライ時は」
そう言うと八岐はキッチンへ引っ込んだ。
しばらくして戻ってくるとその手には大きなボトルが握られていた。
「飲んで忘れる、私はそれがいいと思う」
「飲むって・・私お酒ダメなん・・・」
ちなみにこの国では飲酒は15歳から認められている。
断ろうとするぼたんを八岐がギロッとにらんだ。
「私の酒が飲めない?」
そこには絶対断れない雰囲気がただよっていた。
一杯だけ、そう言うとしぶしぶぼたんはウィスキーを口にした。

30分後

「だからぁ・・・聞いてます!?颱梦さん!!」
「聞いてる聞いてる・・・」
「なんですかぁ!!ちゃんと真面目にきいてくださいよぉ!!」
八岐はぼたんの気持ちを痛い程わかっていた。
だからこそ酒を勧めた、少しの間でもいいから悲しみを忘れる、八岐は逃げる事は悪い事では無いと考えていた。
しかしそこで誤算が生じる事になる。
その原因はぼたんの酒癖の悪さ。
普段のおしとやかさの反動か、その暴れっぷりは八岐にすら止める事は出来なかった。
そして延々先ほどから愚痴を聞かされている、ちなみにこの話は三度目。
「まだ告白もしてないんですよぉ・・ラブレターも送ってないのに・・」
一杯だけとの話だったが既に机の上には空のボトル3本。
八岐もそれなりに飲んだがそれでも半分に満たない。
「好きって言う前に振られるってどういう事なんです!?うう・・飲んでやる・・・」
「ちょっと止めときなって・・」
これ以上飲んだら体に悪い、流石に止めに入る八岐。
ぼたんはコップを取られてふてくされた後ソファーに横になった。
「おいどうした?大丈夫か?」
その時ドアの向こうから荒川の声が聞こえた、おそらく騒ぎを聞いて心配して来たのだろう。
控えめにノックをすると部屋の中へ入ってきた。
「ああ、丁度いいこの娘部屋まで運んであげてよ」
「どうしたんだ松林は・・・ってか酒臭い」
「はは・・・私は名案だと思ったんだけどね」
ため息をつく荒川、仕方なく眠っているぼたんを部屋まで運ぼうとする。
だがその手をいきなり目覚めたぼたんがはらった。
「藩王セクハラ、酔ってる所ねらうなんてサイテイですよぉ」
「バカ、俺はそんなつもりは!!」
「どうしてもどかしたかったら瀧川さん呼んでくださぁい、じゃないと私動きません」
ぼたんはいたずらっぽく笑うと再びソファーで横になった。
どうやらテコでも動かないつもりらしい。
「・・・どうする?」
「どうするって言われても・・・」
荒川と八岐はその場に立ち尽くした。


額に冷たい何かを感じ目を開ける、どうやらベットの上に寝ているらしい。
起き上がろうとして頭痛を感じる自分は一体何をしていたのか。
「ううん・・・アタマ痛い・・・・水・・・」
「はい」
「ありがとう・・・うう・・・頭痛い」
渡された水を飲む、カラカラの喉が冷たい水で潤わされる。
そして気が付いた、一体誰が水をくれたのか。
恐る恐る横を向くとそこにゴーグルをかけた青年が座っていた。
「え・・・あ・・あのあのあのあの」
延々『あの』を繰り返すぼたん、しまいには顔を真っ赤にした。
「だ・・大丈夫か?顔赤いぞ」
「ダイジョウブです!!・・あの、瀧川さん何でここに?」
「何でって・・呼ばれたから来たんだけど」
「誰にですか?」
そう聞くと瀧川ゆっくりぼたんを指差した。
事情を聞いてみれば酔ったぼたんが散々わがままを言ったあげく眠ったらしい。
その後名指しで呼ばれた瀧川が部屋まで運んで今まで看病してくれていたようだ。
「ごめんなさい・・・」
「いいって、どうせ暇してた所だし」
そう言った瀧川の顔にはオイル汚れがついていた。
申し訳なくなって顔を伏せるぼたん、額のタオルが落ちる。
散々暴走したあげく瀧川にまで迷惑をかけた自分が恥ずかしくてしょうがなかった。
「それより、いくら付き合いでも嫌だったらちゃんと断れよ?飲めないんだから」
どうやら八岐が事情をごまかしてくれていたらしい、ぼたんは心の中で礼を言った。
「あの・・・瀧川さん」
「何?」
「・・・彼女いるって本当ですか?」
どうせもう嫌われるのだから、そう思いぼたんは思い切って聞いてみた。
突然の質問に驚く瀧川、少し間を空けた後恥ずかしそうに笑顔で答えた。
「どこから聞いたんだよ・・彼女って言っていいかわかんねぇけど仲のいい奴なら一人」
「そう・・ですか」
すでに知っている事でも本人から聞くと辛い。
何より本当は噂が嘘なのではとどこかで期待していた。
だが噂は間違っていない、瀧川にはパートナーがいる。
「・・・もしまだ好きって言ってないなら早めに言ったほうがいいですよ?」
「そ・・そうかな?」
「そうですよ、たまには素直に言わないと女の子は不安になりますから」
ぼたんは出来る限り陽気に振舞った。
そうしなければ泣いてしまいそうだったから。
頭は痛いし悲しくてしょうがないがそれでも笑顔を絶やさなかった。
好きな人の前では綺麗でいたかったから。
「そうだ!!今からデートでもいってきたらどうです?」
「今から!?」
「そうです!!思い立ったが吉日、私はもう大丈夫ですから」
困惑する瀧川、ぼたんは無理やり背中を押すと部屋の外まで連れて行った。
外はもう暗くなっており冷たい風が肌を撫でる。
「それじゃあ瀧川さん、頑張ってくださいね」
「ああえっと・・・ありがとうな松林」
瀧川は礼を言うとそのまま歩いていく。
ぼたんその背中を見送った後自分の部屋へもどり思いっきり泣いた。
悲しかったがそれでも後悔は残していない。

「おはようございます、瀧川さん!!」
翌朝ぼたんは隣に座る瀧川にいつものように笑顔で挨拶をした。


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