第一・三次提訴後の武田氏見解(創)

雑誌「創」09年6月号は、「どうなる!雑誌ジャーナリズム」という特集を組んだ。その中の記事「大相撲八百長疑惑追及を封じる高額賠償判決」は武田氏による署名記事である。第一・三次提訴の判決後の武田氏の見解として貴重な記事といえる。本項目はその要旨である。

八百長疑惑を押し隠す超高額賠償請求対決(p68-69)

自分の記事に自信を持っているため、賠償金は「ビタ一文払う気はない」。特に協会への賠償金に納得がいかない。防止策を施すどころか批判を封じ込めようとしている。協会内部からの証言は山ほどあるが秘匿のため出せない。

協会は八百長の疑惑があるんだから真面目に調査すべき。名誉毀損裁判の賠償金高額化があるので、協会は便乗して訴えてきたのだろう。裁判所は「週刊誌はいい加減」という先入観を持っている。

追求のおかげで八百長は少なくなった(p69-70)

(今回の裁判は単純な八百長の有無ではないと前置きした上で)判決文は八百長に踏み込んだ「ありやなしや」という判断が一行もなく残念であった。週刊現代とやってきた追求記事は100%裏がとれてないとしても、書くべきことを書いており、それが雑誌ジャーナリズムの役割であると考えている。批判するなら十分納得できる根拠が必要である。記事を書くきっかけも、角界内部の八百長が度を越しているという声があったからである。
一連の記事により八百長問題に関心が集まったことで八百長が激減した。追求の価値は十分あった。

構造的問題に根ざした大相撲の八百長疑惑(p69-70)

八百長根絶が難しいのは、以下のような構造的問題がある。年寄名跡と年間90取組のシステムが根源である。
年寄名跡がないと、相撲界に残れない。お金を稼ぐために、白星を買う必要まで出てくる。拝金主義がさまざまな堕落に繋がる。部屋を経営するにあたっても、力士をお金で勘定し、モノ扱いする。時津風部屋のようにリンチで死人が出ることもある。拝金主義がこれらの原因となっている。
年間90日をガチンコで戦うのは怪我をするから厳しいと現役力士は考えている。星を売り買いしながらハチナナやクンロクでウロウロしている方が儲かるというのがおかしい。

藤田憲子(原文ママ)さんにはぜひ出廷して欲しい(p70-71)

藤田憲子(編集部が「現・紀子」と注意書き)さんに法廷に立って欲しいとずっと話してきた。二次のときの話は随分前から聞いてきた。そのときは法廷に立ってくれると言ってくれた。そのため、あの記事は元々藤田さんが法廷で証言して完結するはずだった。
ただ、藤田さんの環境が変わったことにより法廷には立っていただけなかった。藤田さんと弁護士とで相談し、取材源が藤田さんだと明かした。しかし、判決ではほとんど効果はなかった。
今回の裁判で藤田さんが法廷に立ってくれれば、歴史に残り、世の中を変えられると思う。裁判に負けても、判決文に八百長についての言及を入れなければならない。今でも藤田さんの出廷を諦めていない。
秋にはもう一つの判決(四次のことと思われる)が出そうである。協会の圧力には屈してはならないと考えている。
最終更新:2009年05月16日 23:26
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。