「ん…あ……」
 カーテン越しに朝日が差しこむ部屋の中、そのまぶしさに歩は眼をうっすらと開けた。
 時間は午前7時15分、いつもの時間だ。
「ん…ん……」
 ゴロリと横に寝返りを内、歩は上半身を起こした。
「………朝…か」
歩の朝はいつも単調だった。
兄の恋人の霞から置き手紙があった日の夜は必ずと言って
いいほど帰っては来ない。
大学の研究室に泊まっているかおそらくは霞の自宅に
宿泊しているのであろう。
何かあればケータイに…と言っていたが、今の今まで特に何も
なかったので掛けた試しはない。

原作:書く人氏『薫と優希』

昨晩は霞の手料理があったが、朝は自前で何とかするしかない。歩は面倒くさいと思いつつ、
トーストと冷蔵庫にあった卵とベーコンを焼いて、それに残りもののトマトを出し、朝食にする事にした。
いつもは隣の新夜家にお邪魔するのだがさすがに昨日の今日で…と歩は行く気にはなれなかった。
昨晩の自慰が静まり、落ち着きを取り戻した時、導き出された答えは『絶交』というのが
最悪のパターンで、勇とこれまでと何ら変わりないフレンドリーな関係を取り戻す…という確率は限りなく低い、
もっとも確率が高いであろう答えは『どこかよそよそしい付き合いから疎遠になり、最終的に国交断絶』。
どの道、歩は覚悟していた事であった。勇の返答を聞くまでもない。
それならいっその事、こちらから…などと考え、朝食後の歯磨きを終え、鞄のある自室のドアを開けた。
「……お邪魔してます」
「―――――!?」
 あまりの事に声がでない。制服姿の勇が部屋のベッドに腰掛けていた。
何故?どうして?鍵は掛けてあるのに?そんな心中を見透かしたように勇は
ポケットから鍵を取りだし、くるくると指先で回した。
「スペアキーはいっつも玄関外の自作ポストの中――」
「あ……」
 そうだった鍵は全部で3つ、兄の分。自分の分。そして忘れた時のスペアキー分。
そしてそのスペアキーの場所を知っているのは兄と己と勇だけだった。
「あ…ご、ごめ…今すぐ着替えるから―――」
あたふたとあわてる歩を見て、勇は赤面しつつ意外なことを口にした。
「…歩は学校行くん?ぼ、僕がここにおるのに?」
「は――?」
一瞬、何を言われているのかわからなかった。何も返す言葉が見つからない、
勇の意図している事がわからなかった。

「もう……フツー女の子には…言わせへんで」
「え?…え?」
 歩は昨夜に考えだされた返答群の中で確率がゼロだったモノが一つある事を思い出した。
「歩…僕は……いや、私は――」
それは―――――――
「勇…」
「昨日は…その…ごめんなさい。先輩の事とかあって…急やったし」
「…い、勇…そ、それって」
「好き…やで。わ、私も歩が好き」

『薫と優希外伝 勇ミ歩ム』

「せ、せやからって…こういう事を…あ、朝からなんて」
「学校なんて…今更だよ。それにサボるって言ったのは勇だし。」
 ベッドの上、制服を着たまま勇に背後から歩は抱きついていた。
「や、やっぱ行こ。健全たる少年少女は勉強せなアカンって――――」
何とか誤魔化そうとした勇だが
「……ごめん、でも、もう我慢できない。昨日、要から聞いたよ。
いっつも夜、一人でシテるって」
「そ…それは…」
 図星なだけに、面と向かって『してるわけないやん。変なコト言わんといて』
といつもの様に返すことができない。とりあえず後で要を1発殴らねばと勇は思った。
「勇の…そんなシテる姿を想像して…何回もしたよ。」
「…そ、そんな…あ、歩…」
「制服じゃ汚れる?大丈夫、クリーニング代は出すよ…せ、制服姿の勇と…なんて…」
 既に上気している歩。いつももの静かな歩が満月の夜に変身する狼男だったとは―。
 朝から言うんじゃなかった…と勇は少し後悔した。
「せ…責任は…取るから」
 歩は小さく呟いた。
「歩?何か言った?」
「ううん。即物的だけど…勇」
 歩は昨日のように勇を押し倒した。
「あ…歩……」
「大好きだ。勇」

「は…ん…ちゅ」
「あ、歩…ん…は」
お互いの唇を絡み合わせ、身体を密着させるように抱きしめ合う。
 歩は寝間着の上をもどかしく脱ぎ捨てると、勇の唇から首筋へと舌を這わせた。
「ひゃ…」
 未知の感覚に勇はゾクッと身を震わせ、小さい悲鳴を上げた。
「勇…いい、上…」
「あ…ん…ええよ。」
 はぁはぁと荒い息をつきながら、歩は震える手で勇のネクタイをとき、
Yシャツのボタンを外すと前をはだけさせた。
やや日焼けした肌と水着の線に沿って、本来の白い肌を持つ勇の上半身が顕わになった。
小振りな胸部が白いシンプルなブラジャーに覆われている。歩はゴクリと喉を鳴らした。
「ど…どう?僕の身体…日焼けして…ちょっと格好悪いやろ」
 不安気に問う勇に歩は思わず言った。
「き…綺麗だ。」
「へ…?」
「綺麗だよ、勇…想像してたより…ずっと綺麗だ」
 一体、どんな裸体を想像してたんだ?という無粋なツッコミはやめて、
勇は笑った。
「ありがと…嬉しいわ、歩にそう言ってもらって」
「あ…す、吸っていい?」
「ん…ブラ…外すから――きゃ」
 言い終わる前に歩は勇のブラを捲り上げ、間髪入れずにそのピンクの突起に吸い付いた。
「あ…歩、は、激しいって…そんな…んん」
 一心不乱に胸にむしゃぶりつく歩に勇は少し焦ったが、
今の歩には並の言葉では通じないだろう。だから目を覚ます『とっておき』を言ってやる事にした。
「はあ~…なんかレイプされてるみたいやわ。歩って強姦願望あるん?」
「い――あ、ご、ごめん」
 ビクッとして、歩は我を取り戻すとあわてて、その手を止めた。
「もう……そんなにあせらんでええって。僕は逃げへんよ、だから……ね?」
「あ…う、うん…」
 そう言うと勇はブラのホックを外した。小振りな胸がその反動でぷるっと弾む。Yシャツからのぞく
薄い小麦色の肌と胸部の白雪のような肌のギャップは歩にとって刺激的すぎる光景だった。
「歩…もう…す、吸って…ええで」
 おずおずとYシャツを開き、胸を突き出す勇に歩は近づくと今度は優しく口をつけた。
「あ…あん…」
「ん…ふ…ちゅ…ちゅ…」
 舌で乳首を突き、手で優しく包み込むように揉んでみる。その度にピクッ、ピクッと
反応する勇の声と身体に歩の興奮をさらに高めた。
「ちゅぱ…ん…ちゅ…」
胸に吸い付いたまま、ゆっくりと下腹部の方へ手をやり、スカートの下から秘部へと指を這わせる。
「や…あゆ…ま、まだ…ダメ…あかんって」
 ハッとして身を起こそうとする勇の胸を歩はチュウウッと音が出るほど強く吸った。
「はああっ…んふ…」

そうしてスカートの中に指を入れ、下着の中に手を入れる。陰毛のザラザラした手触り、
そしてさらに手を下げるとぬるっとした粘着質の液が歩の指先に触れた。
「…ぬ、濡れてる」
「や…いや。そんな恥ずかしい事言わんといてよ…あ…んん」
勇は顔を真っ赤にして、今にも泣きそうな表情をしていた。
歩は手を下着から離すと、下着を一気にはぎ取るようにしてずらした。
勇の股間と下着の間につつーと糸が引かれる。
そして、歩は両腕を太股に回し、閉じれないようにするとその頭を股間に埋めた。
「あ、あかん!歩、そこはあか――――はっ?!」
 歩の舌が股間の割れ目を這う。指でしか触れた事のない勇にとってそれは未知の感覚であった。
(は、はああ…し、舌で…されるのが…こんなに―――んんっ)
 唇が吸い付き、舌でツンツンと膣口を責められる。歩が口を離したかと思えば、
肉豆の皮を舌で剥き舌で舐め潰す。元々、毎晩の自慰で感度の良い勇にとってはもう限界であった。
(あ、歩が…僕のスカートの中に頭…突っ込んで…し、舌で…んっんっ…あ、ああ…)
「あ、歩っ!あ、あかん…あかんっも、もうイッて、イッてまう、や、やはっ…」
「はんっんちゅ…見せて、勇。勇のイッちゃうところ…み、見たいから、イッてよ。」
 歩はそう言うと膣口に口を当て、思い切り吸った。
「あっああ、イ、イクッ…イクうううううっ!ん、んああんんん!!」
 勇が両手で歩の頭を掴み、眉を潜めて甘くわなないた。半裸の勇が頬を染めて、腰を上げ、
ビクンビクンと震える光景は何とも淫らであった。
「あ…はああ…ぼ、僕…自分の指以外でイったん…は、初めて…や」
 荒い息をつきながら呆然と呟く勇の身体に舌を這わせながら歩は言った。
「い…勇…い、いい?も、もう…」
 よく見ると歩の股間部が今にも突き破らんばかりの勢いでいきり勃っていた。
「ん……歩…」
 歩はもどかしくズボンを脱ぎ、次いで下着も脱ぐ、歩の顔立ちが中性的で幼く見える事も
影響しているのか、股間にそそり立つモノは、よりいっそう大きく、また何か別の生物のように見えた。
「あ…歩…歩のって大きいね…」
 勇は異性の性器はこんなにも作りが違うのかと思い、まじまじと見つめた。
「い、勇…お、お尻をこっちに向けて…そ、その四つん這いになってくれる?」
「え…も、もしかして…歩…後ろからなんが好きなん?」
「……否定はしないよ……」
 俯き、ボソっと呟く歩。
「貸し――1つな。」
「……何にする」
「1冊1万の同人誌、3冊。」
「あ、ゴメン…やっぱり…勇の好きな体位で―――」
「僕をバックから犬みたいに犯したいクセに。」
 極めつけの台詞、もう限界だった。

「……わかった。言う通りにするよ。」
「あはっ、さすが歩や。だ~い好き、犬みたいにキャンキャンって鳴いてあげる」
 その言葉に歩は覚醒した。
「い、勇!…言葉には責任もってよ!」
「え――あっ、ちょ!?」
 言うが早いか、歩は勇の腰を掴むと俯せにさせ、スカートを捲り上げ、
ふるんと揺れる勇の尻に爆発寸前のペニスを膣口にあてがった。
「ちょっと待って、まだ心のじゅん――あ、んうううううっ!」
―――ズニュウウウ―――
十分に濡れそぼっていた秘所にペニスが飲み込まれていく。
途中にプツという感覚があり、そのまま勇の最奥まで到達した。
「あ…だ、大丈夫…い、勇」
「う…うん…そんなに…痛ないけど…ン…」
 勇は後ろを向き、潤んだ目で声を上げた。
「あ…血が…勇、痛い?」
「だ、大丈夫…心配せんでええから…動いて…歩」
 そう言って微笑む勇に歩は後ろめたさを感じたが、ペニスを締め付ける膣壁の
心地よさには打ち勝つ事はできなかった。
「ご、ごめん…い、行くよ」
 好意を持った異性が初めての相手。勇の肌、腰を突き出すたびに下腹部に当たる尻肉。
歩は自分のモノが勇の尻に出入りする光景に釘付けになり、段々と夢中になり腰を突き出した。
「あっあ…あ、あゆ…ふっ…き、気持ちええ?僕ん中、気持ちええ?」
ベッドのシーツを握りしめ、歩の剣突を受ける勇は歩に問い続ける。
「勇…勇…熱くて…き、気持ちよすぎて…勇、やっと…やっと…勇…」
 勇の名前をただただ繰り返す歩。
「あ…ぼ、僕も…何か…痛いけど…あんっんんっ!はっ、あ、歩!」
 ぐちゅという挿入音と共に飛び散る愛液が歩の陰毛をベトベトにさせ、
 弾け飛ぶ先走り汁が破瓜の血を溶け合って潤滑油となりペニスをくわえる膣をゆるめる。
「あ…いさ…み…もう、もう…で、出る…出ちゃう…ああっ」
「はっ、ええよ…歩、ええよ…だ、出して…歩の初めて…僕の中に…出して」
 歩は勇の言った通り、犬のように背中から覆い被さると、勇の跳ね回る乳房を掴み込み、
腰を今までにない速さで打ちつけた。
「あっ…あっあっあっ…だ、ダメ、出る出る出るっ!い、勇ぃ!」
 ―――どぴゅ…びゅるるるるるるる――― 
歩が吼えると同時に勇の膣内でペニスが爆発した。これまでの自慰で
射精した量とは比較にならない程の精液が子宮の中に叩き込まれる。
「あっ、い、し、痺れ…ぼ、僕も…僕も…歩ので、私もイっちゃううう!」
 キュウウと締め付ける膣口に勇は眉を潜め、歯を食いしばった。
「は…はぁ…はぁ…ん…はあ…い、勇…」
「ん…ふ…は……はあ…あ、歩…」
 背中に折り重なるようにして二人は荒い息を共に果てた。

「んふふ…どうやった僕の膣内は?」
「ちょっと…ダイレクトすぎるから」
 そしてその後、昼間まで寝ていた二人は空腹と共に目を覚まし、簡単な昼食を取った。
 勇が裸エプロンで調理したため、そのままキッチンで1回。身体を流すために入ったお風呂で1回。
 上がって着替える前にもう1回…そして先程までの1回、若い精力が尽きることはなかった。
「ええやん…こうやって抱き合ってられるんも歩のおかげやんか」
「……気持ちよかった」
「え?何て?もう一回」
「最高に気持ち良くて大変興奮しました…勇、ありがとう」
「んふふ、どういたしまして~」
 勇は満足気だ。
「それはそうと…今日は大丈夫なの?」
 歩は唐突に言った。
「え、何が?」
「とぼけないでよ。全部…その…中で出したろ?」
「ああ、大丈夫、大丈夫、心配せんでもええって」
「そう…安全日だった?」
 歩はホッとした。が、しかし―――
「え、だってやった後全部、外に出てきたやん。」
「は?」
「いや、だからアレ…全部でてきたやんか」
 歩の血の気がサァーと引いた。真っ青になる歩。
「あ、あのさ…い、勇…子供ってどうやってできるか知ってる?」
 歩は慎重に震える声で言葉を紡ぐ。
「はぁ?僕はアホちゃうで、知っとるわ。アレが子宮の中にある卵子と結合してできるんやろ?
だからでてきたから大丈夫やんか」
 バカにしてんの?といわんばかりに胸を張る勇。
「……勇、卵子は1個しかないけど精子ってあの白い液に何千と含まれてるんだよ?もしかして
アレが全部吸収されて赤ちゃんができると思ってた?」
 歩の言葉に勇は宙を眺め、言った。
「え、そーなん違(ちゃう)うん?」
幸い、その月の生理は予定通り来たので二人は事無きを得たらしい。
END

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最終更新:2007年10月08日 17:13