越前藩国 Wiki

風陣

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集

風陣(王)


イグドラシル

  • 東国人+サイボーグ+剣士
  • >東国人+剣士+サイボーグ+大剣士
  • >> 東国人+サイボーグ+大剣士+王

→次のアイドレス:玖珂ほむら(ACE)、秋草一郎(ACE)

要点

  • 東国人:東洋風の服装・東洋風の人材・黒い髪
  • サイボーグ:一部機械
  • 大剣士:剣
  • 王:制服・紋章・髪飾り

周辺環境:

  • 東国人:四季・入り組んだ地形・稲作・紙と木で出来た家・火山
  • サイボーグ:機械化工房
  • 大剣士:訓練場
  • 王:学校

継承



評価


  • 東国人
体格0・筋力0・耐久力0・外見0・敏捷0・器用1・感覚1・知識0・幸運0
  • サイボーグ
体格1・筋力1・耐久力1・外見-1・敏捷-1・器用-1・感覚1・知識0・幸運-1
  • 大剣士
体格1・筋力3・耐久力3・外見1・敏捷0・器用-1・感覚0・知識‐1・幸運0
体格0.44(評価-2)・筋力1.00(評価0)・耐久力3.38(評価3)・外見5.06(評価4)・敏捷1.00(評価0)・器用0.67(評価-1)・感覚1.00(評価0)・知識0.67(評価-1)・幸運1.00(評価0)

合計
体格0・筋力4・耐久7・外見4・敏捷-1・器用-2・感覚2・知識-2・幸運-1


特殊能力

  • 東国人は一人につきターン開始時に燃料1万tが増加する代わりに資源1万tを消費する。
  • 東国人は一般行為判定を伴うイベントに出るたびに食料1万tを消費する。
  • サイボーグは宇宙戦行為が出来る。
  • サイボーグはナショナルネット接続行為が出来る。
  • サイボーグは筋力、耐久力の評価を×2.25(評価2)補正することが選択でき、この時燃料3万tを消費する。
  • 大剣士は白兵戦行為ができ、この時、白兵戦の攻撃判定は×2.25(評価2)され、燃料は必ず-1万tされる。
  • 大剣士は防御判定では×2.25(評価2)され、燃料は必ず-1万tされる。
  • 大剣士は根源力による死の効果を受けない。
  • 王は一人の剣と契約を結べる。
  • 王は契約した剣と一緒に行動する間、(距離10m内の)契約した剣の行うあらゆる判定を×3.38(評価3)する。(燃料は消費しない)
  • 王はその魂の故郷の特産品に由来する力を契約した剣に与えることが出来、それに応じた×2.25(評価2)の修正を判定に与えられる。(燃料は消費しない)
  • 王は根源力による死の効果を受けない。

イラスト


達成要点:(要点)剣・一部機械・制服・紋章・髪飾り、(周辺環境)訓練場・学校

設定文


それは一対から成る最少の軍。一人の将と一本の刀から成るあまりにも寡なる陣――――。

●「王」


古の名将に曰く。「剣は一人の敵、学ぶに足らず」、と言う。

剣術はたしかに、ただ目の前の敵を相手にすることしかできないが、しかしここに、そんな常識を覆さんとした者たちがいた。

<刀派・金剛無双流>

越前史に残る大剣士・金剛の剣と名を受け継いで興されたこの流派の悲願は、狂気としか言いようがないものだった。

それは、ただ二振りの剣だけで一軍を凌駕すること。

そのようなことは、常人には不可能。その目的を聞いて師事した中から名のある剣豪も幾人か出たが、そのような世迷い事を試して戦場で倒れる者は数知れず。大剣士・金剛の名は残ったが、流派はいつしか廃れ、その名は越前の表舞台から完全に消え去った。

だが。その剣と夢は潰えてはいなかった。越前の夜を守るため、越前藩王家はこの流派を匿い、かつその剣の完成のために支援し始めた。

イワヤト地方の奥、幽玄霞谷。越前でも理力流の特に異常な地域であり、人の立ち入りを許さぬ禁足地。そこに一つの学び舎を作り、密かにこの流派は存続を許されたのである。そこは「お山」とのみ呼ばれ、資質あるものを集めて王になるための教育を授ける学校として機能することとなった。

以来、幾星霜。試行錯誤を繰り返し、ついにその理想に届く二つの剣を磨きあげた。


二本の剣は将と兵、剣とその遣い手という、人そのものをもってなる二振りの剣に変わり、二人合わせて一つの剣として機能する。



そうして完成したその一振りこそ、剣の主たる智と徳の器をもって戈を止める者。人の身でありながらただ二人で一軍と匹敵せしめる将の中の将。


「我が国に伝わる火と知恵を与えし神の名をとって汝らに名を授けよう。風の如き千変万化の軍略にてただ二人で陣を成し、神鳴る刃もて敵陣を断つ。
――――汝が名は『風陣』」



<目覚め>

夜を駆ける。

未明に「お山」を抜け、イワヤトの奥地へ。

時折、剣士達が己の腕を磨くために訪れ、幾人もの人間が命を落とした魔境・幽玄霞谷。
イワヤト地方の深部は未だにこの国の中でも光の届かない越前の暗部だが、だがここに潜む魔物もまた、己の領分を弁えているかのように、けして外に出ようとはしなかった。

だが、その均衡が崩れたのがつい先日。赤オーマと名乗る連中の攻撃でイワヤト山が吹き飛んだのがそのきっかけだった。爆撃によって、イワヤト山に溜まっていた理力流が暴走し、イワヤト奥地の生態系に異状が起こった。長い時間をかけて異常な理力流をも生態系に受け入れて変化してきたこの地の動植物は、理力流の暴走に我を失い、こともあろうにその一部が都市部に向けて移動を開始していた。最悪の事態としては、それに押される形で他の生態系も都市部に雪崩込むことすらあり得た。

しかも間の悪いことに、戦争の余波で混乱する越前に、忌まわしき魔物どもを止める力は残されていなかった。

ここに至り、越前建国の頃よりイワヤトの守護を任されていた「お山」は、独断でこれに対抗しうる戦力の派遣を決定した。

たった二人で一軍を凌駕する双頭の龍。一対からなる越前の夜の守り手たち。
彼らによって、未曽有の災害は未然に防がれる……。


……はずだったのだが。

越前の未来を託されて派遣された二人は。

――――しっかりと巨大イノシシのような動物の群れに追いかけられていた。

  /*/

「……こんなの聞いてない!!」

すぐ真後ろを地響きすらあげながら追いかけてくる巨大動物の群れから全力で逃げながらわたしは叫びをあげた。後ろをちらりと振り返れば、猪を”ほん”の三倍ほどに大きくした動物”わずか”数百頭が血走った目をギラギラさせながら所狭しと退路を塞いでいる。ちょっとでもスピードが落ちれば、控え目に言ってもミンチになることは間違いなさそうだった。

(追いつかれたらあれの餌になるんだろうなあ。あー、あの先頭のやつ、あんなのの牙にかけられたらひとたまりもないよ。…えへへ。あはは。あははははははは。)

思わず現実逃避していると、隣からスパンと頭をはたかれる。機械化してない方の手だったのは、せめてもの情けであろうか。

わたしたちは幼い時から人体に被害を与えるほどの理力流にさらされるため、「お山」の機械化工房で身体に理鉱石を埋め込まれて義体化している。わたしの場合は、理力流からの保護のための最小限の義体化しかしていないが、彼ら剣は違う。越前でも最高級の義体が提供され、それを幼い頃から使いこなすべく訓練を積むんでいる。義体戦闘に関しては、越前一の達人と言ってよかった。

(う、あっちで殴られなくてつくづくよかった~)
そんなことを考えながら安堵のため息を漏らしていると、

「黙って走れないのか!それと泣き事を言っている暇があるなら、とっととあいつらをなんとかする策を考えるんだな。俺は斬るのが役目、君は俺を振るうのが役目だってこと、忘れるな」
「いったいなーわかってるよー!あーもう、この走りづらい制服がよくない!」

「お山」で「制服」として定められた袴を呪いつつ涙目まじりに隣の人物に視線を向ける。

切れ長の目で後ろを警戒しつつ、わたしを叱りつけてきたのは、すらりとした長身の男性。こちらも走りにくそうな袴をはいてるのに息も切らせず走り続けている。彼の名はキリト。真名までは教えてくれなかったが、一応相棒である。仮契約で即席もいいところではあるが。

ちなみに真名というのは、彼らの力を最大限に発揮させるためのパスワードのようなもので、こちらの右手の紋章から、ナショナルネットを介して彼らの深奥に心理的に施されたリミッターを解除するためのキーである。自分の剣に全力戦闘をさせる際は、この解除が必要となる。

解除には彼らの遣い手たる王のみが可能で、剣本人に解除することはできない。一種の安全装置のようなものだ。ただしもちろん、その解除には真名が必要なわけで、結局の所、今は誰にもその解除はできないということであった。……まったく役立たずもいいところだ。

「ね。そろそろ、その……真名ってやつを教えてくれてもいいんじゃないかなあ?」
「断る」
「……っ。……こんのキザ男」
「聞こえてるぞ」
「うわっ!聞こえてるし!」
「……やれやれだ」

走りながら器用に肩をすくめるキリト。むかっ。なんでこの男はこんな状況だというのに、少しも焦ってないのだろう。自分の力だけで切り抜けられると思っているのだろうか。だったら早くやってよ、と思いかけてちょっと面白いことを考えついた。

「ねー」
「なんだ?」
「あいつらさ、全部やっつけて。これ命令♪」
「……。短いつきあいだったな」
「へ?」

そうキリトが言うと同時に、なんだかフワリとした感触。足が地面から離れていた。

自分が襟首掴まれて猫(よりにもよって!)みたいに持ち上げられているということに気づくまで0.5秒ほどを要した後、キリトは顔を寄せて囁きかける。

「……ここに埋められてあいつらの突進を待つのと、放り投げられてあいつらの群れに飛び込むのとどっちがいい?」
「え、え?ええ!?」
「あと5秒。4、1」
「って、省略しすぎ…じゃなくて、さ、さっきの嘘、嘘だから!お、降ろしてー!!」
「……ふん。兵を無駄に殺す将にはちょうどいい末路だろう?」
「さ、さっきのは軽い冗談じゃない!場を和ませようというわたしなりの憎らしい心遣いだったのに!」
「時と場所をわきまえない冗談は、こう言われるな。――――洒落になってない」
「うぐっ」

痛い所を突かれてさすがのわたしの減らず口もストップする。剣の腕より口の方がたつとまで言われたこの私に勝つとは、なかなかやるなこの男。などと考えつつも、さすがに走るのをやめると思考が急激に現実に引き戻される。

キリトは片手でわたしを持ったまま、さっきと変らぬ、いやそれ以上の速度で敵を引き離し始めていた。みるみる敵が離れていく。思わず息を飲むわたしに、キリトが耳元でささやく。

「……いいか。一度しか言わんぞ。俺を使いこなせ。王に振るわれてこその剣だ」

なにか、その言葉で急に思考がクリアになった気がした。
そうだった。今のわたしには剣がある。わたしにできないことも、彼ならできる。

わたしは勘違いしていた。王にできないことは剣がやる。剣にできないことを王がする。そうしてお互いを補い合い、高めることで、私達の剣は完成するのだ。

できないことをやる必要はない。それはキリトがやってくれる。わたしはわたしがやるべきことをやればいい。

髪飾りを抜き取って、口にくわえる。考え事をする時の癖だった。


「キリト、いい?」
「なんなりと」
「敵を引きつけたい。接敵して30秒稼げる?」
「……お安い御用だ」

そう言うとキリトは、わたしを下ろし、背を向けた。初めて見せる、不敵と言っていい笑みを浮かべ、、敵を見据えて背中越しに言葉を告げる。

それは、一番わたしが欲しかった言葉。

「我が真名。あんたに預けよう。わが真名は斬人!存分に振るわれよ、我が王よ!」

――――それが初めて王として認められた瞬間だった。

/*/

この後、群れを率いていた先頭の一頭が切り倒されたことで群れは正気を取り戻し、群れがイワヤトの奥地へと帰ったことで越前の危機は未然に回避された……。

二人はその功績を称えられ、藩王より『風陣』と『雷刃』の称号を賜り、越前の夜を護るために尽力したと伝わっている……。


<風陣伝より>

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー