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1:文殊とは

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echizen

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§1 文殊とは


「ニューワールドの礎」

 TRPGにたとえるなら、文殊は「アイドレスのキャラクターシート」と言えます。
 Aマホ経験者は、自分のキャラクターシートを思い出して下さい。そこには自分のプレイヤー名、キャラクター名、設定、成功要素といったデータが書かれていることでしょう。
 Aマホをプレイするには、キャラクターシートが不可欠です。成功要素がAマホのルールの根幹ですから。アイドレスもそれは同じです。

 しかし、Aマホと違う部分もあります。それは、アイドレスはキャラクターだけでなく「藩国」もまた重要で、かつ、藩国とキャラクターが強く結びついている事です。

 仮に、アイドレスのデータを紙上で管理すると考えましょう。キャラクターシートはプレイヤー一人一人で管理できそうですね。でも「藩国シート」は一枚で、誰かに代表して管理してもらう必要があります。いきなり面倒が増えた予感がしますね。
 藩国で職業アイドレスを取得して、各プレイヤーが自分の着用アイドレスを更新するとします。管理者が藩国シートを更新後、各プレイヤーに藩国シートを回覧してみます。一人が持っている間、他の人は自分の着替えができません。面倒ですね。
 じゃあ、藩国シートを更新する度、プレイヤーの数だけコピーを取りましょうか。うん、着替えの際には便利です。でも、藩国シートを更新する度にコピーが必要ですし、最新の「藩国シート」がどうなっているのかを管理しなきゃいけません。コピーした後で藩国シートにミスがあったら、またコピーしなおさなきゃいけません。
 面倒です。面倒が藩国xプレイヤーx職業アイドレスの数だけ増えた感じです。いきなり3次元。
 おまけにプレイヤーも藩国も数がすごく多い。紙1枚で収まるか微妙です。

 そういうわけで、この仕事は機械化が不可欠です(今更大吏族チェックをやりたい人はいないでしょう)。だからこそ「ニューワールドの礎」と呼ばれるのです。


文殊とプレイヤーの関わり


 Aマホでは、自分のキャラクターシートは自分が持っていれば十分でした。なぜなら、一人のキャラクターを扱うのは(普通は)自分ひとりだからです。
 アイドレスは違います。部隊編成のためには、部隊編成の担当者に自分のキャラクターデータを利用してもらう必要があるし、戦闘が始まれば指揮官にも渡す必要があります。そしてなにより、キャラクターデータを編集するのは、実はあなた自身ではありません。吏族です。キャラクターデータをどう変更するかはあなたが決められますが、書き込むのは吏族
 なぜか。その方が便利で、正確で、かつ公正さを保てるからです。

 プレイヤーがキャラクターや藩国の有り様を決め、吏族が編集する。これが文殊利用の基本ルールです。
図1.1 文殊とプレイヤーと吏族の関係

 図1.1はすごく大雑把な図です。この図「プレイヤーは文殊のデータを見るだけ。編集はできない。」「編集できるのは吏族で、プレイヤーは吏族に変更申請を行う」という事を示しています。単純ですね。

 これをちょっと掘り下げたのが次の図1.2です。こうすると、文殊に関わるワークフロー(=仕事の流れ)がなんとなく見えてきます。
図1.1 各種申請について掘り下げてみた

 なんだかいきなり複雑になりましたが、「プレイヤー>申請>各種吏族>編集>文殊」という基本的な流れは変わっていません。ショップ・秘書官を経由した流れが追加されてるあたりが目新しいですが、ショップ・秘書官が文殊を編集することもありません。
 細かい事を言うと、まだ他にもワークフローはありますが、ここでは列挙するに留めます。

  • 「プレイヤー>質疑>芝村さん>リソース変動まとめ>金庫番>文殊データ編集」
  • 「ショップ>新規開店申請>金庫番>新規口座作成」
  • 「各国吏族>生産・支払いフェイズ申請>テンダイス>金庫番>文殊データ編集」

注意:図の中に矢印がありますが、この矢印の方向はデータの流れを示しているわけではありません
この矢印は「アイテム入手申請」「藩国リソース変動申請」等が「データ変更申請」の一種であることを示しています。
これは「ユースケース図」という表記法なのですが、ここではその詳細な説明は行いません。あくまで「なんとなくフィーリングで」眺めて下さい。


文殊の機能と効用

 プレイヤー本人でなく吏族がデータを管理すること、また、文殊というWebサイト一箇所で保持することによって、様々なメリットが生まれます。文殊がもつ機能と、それらがもたらす効用について説明します。

「公式の」データベース

 文殊に記録される藩国とキャラクターに関するデータは、一部を除いて公式のデータと扱われます。アイドレスで部隊編成を行う時は、文殊のデータを元に作ればまず間違いありません。もちろん各藩国でデータを管理し、それを利用してもいいのですが、その場合のリスクは全て各藩国が負う事になります。
 また、他国の人(吏族・法官・護民官 etc.)がデータを参照する場合も、文殊を参照すれば事足ります。「とりあえず文殊を見ればいい」というのは便利です。ブックマークが一つで済みます。

インタフェースの統一

 たとえば、各藩国の財務表をチェックする必要があったとします。文殊なら「各国資産残高」のページを開けば全国の残高を一覧できますし、そこに張られた「財務表」リンクを辿れば履歴も調べられます。その操作は、どの国においても変わりません。
 以前はこうではありませんでした。財務表に記すべき内容だけ決められ、その書式は各国まちまち。「吏族チェック書式」はあれども、それと平行して各国独自書と二重に管理されたりもしました。
 もちろん、文殊の(味気ない)レイアウトを好まない人もいるでしょう。各国がレイアウトの独自性を発揮できなくなったことは、ある意味デメリットです。トレードオフですね。

編集者の制限

 今まで何度も「文殊のデータは吏族だけが編集できる」といいました。一見、文殊には編集のためのボタンもリンクもないように見えます。普段は隠されているのです。
 吏族には文殊用のユーザーアカウントが与えられています。吏族が右上の「ログイン」メニューからログインすることで、編集用のメニューが表示されるのです。
 #ここに編集用メニューの一例を表示
 こうして、「吏族しか編集できない」事を保証しています。

編集履歴

 文殊のデータは文殊にログインした吏族しか編集できません。そして、データを編集するたび、「いつ」「誰が」「どのように」修正したか、逐一記録しています。
 http://maki.wanwan-empire.net/owner_accounts/56/modify_commands
 これは私、黒埼紘に関する編集履歴です。一番右の「担当者」欄を見てください。マイルについては金庫番の各人が、リザルト根源力は”herald"なる担当者が書かれていることでしょう。
 仮に文殊のデータにミスや不審点を見つけた場合、編集履歴によって、いつ誰が編集したかを後から調べる事ができます。担当者に聞けば(その人が覚えていれば)、事情がはっきりするわけです。
 これをもって、悪意による改竄に対する抑止力としています(まあ、そんな人いませんけど)。

(ちなみに、”herald”は紋章吏族の統一アカウントです。紋章吏族は高々2・3人しかおらず、一つのアカウントで共用しても問題なかろうということで、このように運用しています。手抜きです。)

Web上での引用

 先ほどの例では、文殊の一機能である「編集履歴」をリンクとして引用しました。文殊のほぼ全ての機能は、こうしてリンクして別のページから引用できます。取り立てて説明するまでも無い当然の機能に思えるかもしれませんが、これには明確なメリットがあります。

  • メッセンジャー上で文殊の特定ページを示す際に、そのURLをコピー&ペーストするだけで済む。(いちいち文殊トップから辿る操作を示さなくて良い。
  • 掲示板やWikiの記事から、文殊の特定ページをリンクして引用できる。
  • 財務表などをリンクした場合、そのリンク先が最新の内容であると保証されている。
  • 自分のマイル出納履歴ページをお気に入り・ブックマークに登録しておけば、ワンクリックで開ける。

 このように「どのページでもURLだけで引用できる」ことを保証するため、「文殊のユーザインタフェースではJavaScriptをなるべく使わない」という開発方針を取っています(但し吏族が編集操作のために開くページを除く)。文殊の画面が地味な理由の一つです。

管理ノウハウの集約

 アイドレスのゲーム展開には、「その時々の都合」というものが存在します。
 アイドレス2ではターン最初の生産/支払いフェイズにて、リソースがまとめて大きく動きます。この時、各国はテンダイスにリソース変動をまとめて提出し、金庫番がチェックを行います。チェックのノウハウに精通した金庫番と秘書官がまとめて行うことで、チェックの品質も向上するのです。

 生産フェイズ以外にも、「時々の都合」は突発的に発生します。
 これは具体例を示したほうが早いでしょう。卑近な例として「医療品工場の購入」を取り上げます。

1)「クーリンガン動乱」が発生し、各国で数多くの設定国民に被害が出た。
2)対策として、A&Sから市民病院・医療品工場を各国で購入した。金庫番はこれを文殊に記録した。
3)質疑により、「医療品工場は購入時から医療品を生産しはじめ、生物資源2万tを表示する」とされた。
4)金庫番は3)の質疑により、既に医療品工場を購入した各国について、改めて「生物資源-2万t」と記録した。

 もしこれが前シーズンだったら、越前藩は間違いなく3)の質疑を見逃し、生物資源-2を忘れて後から罰金もらってます。私が言うんだから間違いない。

 こういう例は意外とあります。しかし、吏族が各国横断的に処理することで、漏れを防げるのです。


検索と出力の加工

 財務表が各国独立管理だったころ、「各国資産残高」をまとめるのは大変なことでした。どれくらい大変だったかはGENZさんに聞いてください。以前は各国の現在の保有資金を調べるだけで一仕事でしたが、今では文殊のページを一瞥するだけで事足ります。
 財務表については、キーワード検索もできます。指定できるキーワードは一つだけですが、こんな事ができます。
 http://maki.wanwan-empire.net/search/result?keyword=129-2&commit=%E6%96%87%E6%AE%8A%E6%A4%9C%E7%B4%A2&target=cash
 このURLは、"129-2"をキーワードとした財務表検索を行います。結果、イベント番号"129-2"、すなわちT12の市場取引の一覧が出てきます。これを活用すれば、市場規模と相場の値動きの相関について分析することができるでしょう。
 財務表検索では、出力結果をCSV形式でダウンロードする事もできます。表の上部に「CSV形式でダウンロード」という表示がありますので、これをクリックしてみてください。EXCELをお持ちなら、EXCELで直接開けると思います。

 また、文殊では「根源力表の@wiki書式出力」という機能があります。越前藩だとこれ( http://maki.wanwan-empire.net/nations/format_wiki/32 )です。@Wikiを使っている藩国なら、この出力をコピペするだけで自国にも根源力表を保持できますし、その際に(忌まわしき!)根源力合計ミスは起きません。

 「一つのデータから派生して、その見せ方を変える」「一つデータを変更したら、その派生も自動で変わる」。これこそがまさに「情報処理」システムの利点なのです。
 手でやってたら絶対どこかでミスります。私が言うんだから(以下略)。


コラム:アイドレス2の改革
アイドレス2になって、前シーズンより随分と「肌触り」が変わったと感じる人は多いことでしょう。この理由は金庫番体制の導入と、ルール刷新による大幅な処理の簡略化にあると思います。そして文殊は、主に金庫番体制のサポートによって、これに貢献しているのです。
金庫番による各国リソースの一括管理は、各国の吏族を単純作業から開放しました。これ以前に単純作業で費やされた手間は、有能な人ほど気力を消耗させ、小さな国ほどその悪影響を受けていたはずです。(越前藩のように)

アイドレス2以後、金庫番と文殊が解放したマンパワーは、A&S不動産を初めとした各種ショップの運営や個人アイドレスという、マイル経済を中心とした、よりきめ細かなデータ管理を可能にしました。今やプレイヤーの苦労は「ただの面倒」からマイルで評価されるようになり、ゲームの楽しさと多様性につながっているはずです。

これを読む読者は、ひょっとしたら文殊の効用を強く意識しているかもしれません。しかしながら、文殊が単独でこれら改革を為し遂げた訳ではないのです。
芝村さんのゲームデザインと、今も管理業務を続ける吏族たちに、敬礼。

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